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韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が2日午後0時37分ごろ、東部のウォンサン付近から日本海に向けて飛しょう体2発を発射し、飛行距離はおよそ240キロ、高度はおよそ35キロだったと発表しました。

北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長が、先月28日に、朝鮮人民軍の合同訓練を視察したと伝えていて、韓国軍はこの訓練が続いているとの見方を示しています。

韓国軍の関係者は、発射されたのは短距離弾道ミサイルと推定されるとしたうえで、発射の間隔は20秒程度だったと説明しました。

また、日韓の軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」に基づく、情報の共有は行われていないということです。

北朝鮮は、去年13回にわたって飛しょう体を発射しましたが、ことしに入ってからは今回が初めてです。

アメリカで大統領選挙に向けた動きが活発になる中で、朝鮮半島情勢に対する関心を改めて高めるとともに、再び強硬な姿勢を示すことで、アメリカから譲歩を引き出すねらいがあるとみられます。

また、北朝鮮新型コロナウイルスへの対応に全力をあげると強調する中、今回の発射は、内部の引き締めをはかる意図もあるのではないかという見方が出ています。

北朝鮮は去年5月から11月にかけて、短距離弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイルなどの発射を繰り返しました。

去年5月4日には、東部ウォンサン付近から日本海に向けて2発発射したあと、5日後の5月9日にも北西部から2発発射し、防衛省はいずれも短距離弾道ミサイルと分析しています。

その後、7月から8月にかけても東部や南西部などから短距離弾道ミサイルなどを相次いで発射し、9月10日には西部のピョンアン南道から短距離弾道ミサイルを発射しました。

さらに、10月2日には、東部ウォンサン沖から弾道ミサイルを発射して、日本のEEZ排他的経済水域内に落下し、北朝鮮の国営メディアは、翌日、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイル北極星3型」の発射実験に成功したと発表しました。

そして、11月28日には、夕方の時間帯に東部のハムギョン南道リョンポ付近から日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射しました。

韓国軍の関係者によりますと、このとき2発の発射の間隔はおよそ30秒で、以前の発射と比べて間隔が短くなっていることから、北朝鮮が連射能力の向上をはかっているという見方が出ていました。

ことしに入ってからは、これまでミサイルの発射はありませんでした。

日本政府は、北朝鮮が2日昼すぎ、飛しょう体を発射したと発表しました。

日本の領域やEEZ排他的経済水域への飛来は確認されておらず、現時点で、付近を航行する航空機や船舶への被害の報告はないということです。

政府は「昨今の北朝鮮による弾道ミサイル等のたび重なる発射は、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題だ。国民の生命・財産を守り抜くため、引き続き、情報の収集・分析および警戒監視に全力をあげていく」としています。

官房長官は、午後の記者会見で「北朝鮮の発射事案が発生し、2発発射されたものと承知している。現時点で、わが国の領域や排他的経済水域への飛来は確認されていない」と述べました。

そのうえで「発射直後から、アメリカおよび韓国と連絡を取り緊密な連携を確認し、情報の収集・分析に全力を挙げているが、今般の発射については情報をもとに、総合的専門的な分析を行う必要があり、現時点で確たることを申し上げることは控えたい」と述べました。

北朝鮮の飛しょう体の発射について、朝鮮半島情勢に詳しい南山大学の平岩俊司教授は、北朝鮮にはアメリカで大統領選挙の動きが続き、米朝交渉が停滞していることに焦りがあるとしたうえで、関心を引くため今後も飛しょう体を発射する可能性があると指摘しました。

平岩教授はNHKの取材に対し、今回の発射のタイミングについてベトナムで行われた米朝首脳会談から1年という節目が念頭にあるとしたうえで、「アメリカでは大統領選挙の選挙戦が続き北朝鮮への関心が低くなっている。これに対し北朝鮮は『朝鮮半島情勢はまだ危機にある』と警鐘を鳴らすことでアメリカの関心を引き、首脳会談までは行かずとも、米朝の実務者協議の再開につなげたいと考えている」と指摘しました。

また、平岩教授は北朝鮮を取り巻く状況について「経済制裁に加え、新型コロナウイルスの対応で貿易量が最も多い中国との国境も閉鎖に近い措置を取り、国内経済は相当厳しいとみられる。アメリカ大統領選挙の動きがさらに本格化すれば、米朝交渉を行いにくく、北朝鮮にとって時間が限られ、焦っているといえる」と分析しました。

一方、北朝鮮は去年末、核・ミサイル開発の再開を示唆していましたが、平岩教授は「新型の弾道ミサイルを発射し、後ろ盾となる中国の怒りを買うと、米朝交渉が不利になる。また、米朝交渉自体が決裂してしまう危険性も十分理解している。米朝交渉を有利に進めるため政治的メッセージを込めたミサイルの発射を繰り返す可能性はある」と述べ、アメリカとの緊張を過度に高めない範囲で今後も飛しょう体を発射する可能性があると指摘しました。

自民党は緊急に会合を開き、二階幹事長は「『断じて許さない』と抗議しないといけない。わが国は、新型コロナウイルスの対策や新年度予算案の審議など重要な課題が重なっているが、今こそ安倍内閣の総力を結集して、しっかりと対応し、国民の期待に応えていかなくてはならない」と述べました。


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