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韓国大統領府の発表によりますと、北朝鮮キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は、4日、ムン・ジェイン大統領に宛てて親書を送ってきたということです。

親書では、新型コロナウイルスの感染拡大とたたかっている韓国国民をねぎらうとともに、「必ず克服できるよう応援している」などと記されているとしています。

これに対しムン大統領は5日、感謝の意を表する親書をキム委員長に送ったということです。南北間では、ムン大統領が今月1日の演説で、新型コロナウイルスに対応するため保健分野での協力を北朝鮮側に呼びかけました。

しかし北朝鮮は、翌2日に日本海に向けて短距離弾道ミサイルとみられる飛しょう体2発を発射したのに続いて、これに深い憂慮を示した韓国政府に対し、3日、キム委員長の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏の異例の談話を通じて強く非難したばかりです。

北朝鮮としては、来月の総選挙を控えた韓国側に対し、硬軟両様のメッセージを送ることで揺さぶりをかけるねらいがありそうです。

北朝鮮朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、6日付けの紙面で新型コロナウイルスについて「隔離されていた380人余りの外国人のうち、221人を解除した」と明らかにしました。

221人のうち多くは外交官やその家族とみられ、ピョンヤンに駐在するロシアのマツェゴラ大使は、4日、フェイスブックで、みずからも隔離されていたものの今月2日に解除されたと明らかにしていました。

こうした中、ドイツ、フランス、スイスはピョンヤンにある大使館などを一時的に閉鎖すると伝えられていて、3か国の外交官らは6日、臨時便でロシア極東のウラジオストクに出国する予定でしたが、便がキャンセルになったことがわかり、延期されたものとみられます。

新型コロナウイルスをめぐって、北朝鮮は国内のおよそ7000人「医学的な監視対象者としていますが、患者は発生していないと繰り返し強調しています。

「労働新聞」は「ウイルスを防ぐことは、単なる防疫のための取り組みではなく、国家制度の優越性と底力を見せるための重大な政治的事業だ」として体制の宣伝に結び付けています。

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