https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

内閣府が発表した去年10月から12月までのGDPの改定値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてマイナス1.8%となりました。

これを年率に換算するとマイナス7.1%となり、先月の速報段階の年率マイナス6.3%から大きく下方修正されました。

GDPがマイナスとなるのは5期ぶりで、前回、消費税率が引き上げられた直後、2014年の4月から6月期で年率マイナス7.4%となって以来の大幅な落ち込みです。

項目別ではGDPの半分以上を占める「個人消費」は、速報段階はマイナス2.9%だったのが、改定値ではマイナス2.8%に上方修正されました。

一方で企業の「設備投資」は、速報段階はマイナス3.7%でしたが、改定値ではマイナス4.6%となり、大きく下方修正されました。

海外経済が減速していることを受け、電気機械や情報通信機器の製造業などで投資が落ち込んだためです。

GDPは1月から3月までの伸び率も、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でマイナスになるという予測も出ていて、景気の先行きへの懸念が一段と高まっています。

安倍総理大臣は、参議院予算委員会の集中審議で「設備投資などが下方改定されたことから、1次速報から下方修正された。全体としては、主に個人消費が消費税率引き上げに伴う一定程度の反動減に加え、台風や暖冬の影響を受けたことから前期比マイナスとなっている」と述べました。

そのうえで「足元では新型コロナウイルスの感染が世界的な広がりを見せる中で、海外からの観光客の減少に加え、工場の製造ラインを維持できるのかといった不安も拡大している。景気全体への影響に対して、事業規模26兆円の総合経済対策を着実に実行するとともに、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行っていく」と述べました。

景気ウォッチャー調査は、小売店の従業員やタクシーの運転手など、働く人たち2000人余りに景気の実感をたずねて指数にしたものです。

内閣府によりますと、先月の景気の現状を示す指数は27.4で、前の月から14.5ポイント悪化しました。

これは消費税率が8%に引き上げられた2014年4月以来の大きな下落幅となります。

また、景気の先行きを示す指数は24.6と、前の月から17.2ポイント悪化し、先行きにも厳しい見方が広がっています。

新型コロナウイルスの感染拡大で業績に大きな影響が出ているという声が相次ぎ、沖縄の百貨店からは、外国人旅行者だけでなく地元客も減少し、経験したことのない落ち込みになっているという声が寄せられました。

また、北海道の広告代理店からは、受注していたイベントが複数中止となり開催したものも、来場者数が減少しているという声があがっています。

内閣府は「街角の景気の実感は、急速に厳しい状況になっている。感染拡大がいつ収束するのか分からない不透明感から、先行きへの懸念も一段と高まっている」としています。

西村経済再生担当大臣は、参議院予算委員会の集中審議で「消費税率引き上げの影響が薄らいできた中で、現状判断、先行き判断ともに、DI=指数が大幅に低下している。特に飲食業、小売業、サービス業、観光、旅行代理店などから相当厳しいコメントが寄せられている。景況感は感染症の影響で急速に厳しい状況になっており、さらに長引けば先行きは一段と厳しい状況になる」と述べました。

そのうえで西村大臣は「この状況がどのくらい長引くのか、どのくらい影響を与えるのか、しっかり見極め、必要かつ十分な政策をちゅうちょなく行っていきたい」と述べました。

#経済統計

日銀は、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の動揺を抑えるため今月2日に市場に潤沢な資金を供給することを打ち出しています。

日銀は、この方針に基づいて9日、ETFを1014億円買い入れたと発表しました。これは今月2日と6日にそれぞれ日銀がETFを買い入れた額と同じで過去最大の規模となります。

しかし、9日の東京株式市場では日経平均株価が1000円以上の急落となり、大規模な買い入れの効果は限定的なものとなりました。

日銀の黒田総裁は9日の参議院予算委員会の集中審議のなかで「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めているが、内外の金融市場の動向を注視して、引き続き適切にちゅうちょなく対応していきたい」と述べていて、金融市場が大荒れとなる中、日銀などが今後、どのような政策対応をとるか注目されます。

#金融政策
#マーケット