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中国の国家統計局は16日、ことし1月から先月までの主要な統計を発表しました。

それによりますと、消費の動向を示す小売業の売上高が前の年の同じ時期と比べて20.5%減少しました。新車の販売台数が前の年を40%余り下回るなど、食品と医薬品を除くすべての品目で売り上げが減少しました。

一方、消費者が外出を控えたことで、ネット通販の売上高は前の年より3%増えました。

また、工業生産は13.5%の減少となりました。

マスクや医薬品などの大幅な増産はあったものの、主な業種はすべてマイナスとなっています。

さらに、生産設備やインフラなどへの投資を示す固定資産投資が24.5%の減少となり、主要な3つの統計がいずれも前の年の同じ時期を下回りました。

これらの統計が前の年を下回るのは、国家統計局がホームページでデータを公表している1990年代以降初めてです。

中国では、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込もうと人の移動を制限したり企業活動を停止したりする措置が長期間にわたりとられたため、そうした影響が中国経済に大きな打撃を与えている実態がデータで裏付けられました。

16日発表された中国経済の主要統計について、国家統計局の毛盛勇報道官は「新型コロナウイルスによって足元の中国経済は比較的大きな打撃を受けたが、詳細に分析すれば、その影響は短期的なものだ」と述べました。

そのうえで毛報道官は「先月中旬に政府が感染拡大の抑止と経済活動とのバランスをとるようになって以降、企業活動の再開は加速しており、3月の状況は以前に比べて明らかに好転している」と述べ、今後早いペースで経済活動が回復するという見通しを示しました。

一方で、毛報道官は「海外で新型コロナウイルスがまん延する勢いが増しており、中国経済に対しても一定の影響を与える可能性がある」と述べ、今後世界経済の減速による中国からの輸出の減少など、新たなリスクに警戒が必要だという認識を示しました。

新型コロナウイルスの影響で消費が冷え込む中国では、売り上げが低迷している店の人たちが入居しているビルの賃料の免除や引き下げなどを求めて抗議活動をするなど、不満が高まっています。

中国では感染の拡大を抑えるため、企業の活動などを制限してきましたが、その分、消費が低迷し経済が打撃を受けています。

広東省広州の衣料品を扱う卸売市場では今月5日、店の人たちおよそ100人が入居しているビルの賃料の免除や引き下げなどを求めて抗議活動を行ったということです。

NHKが入手した映像では、店の人たちがプラカードを掲げて声を上げたり、ビルの前で警察と押し合いになったりする様子が確認できます。

入居している店の人たちは、感染の拡大を防ぐためビルが閉鎖されたことで、先月は営業できなかったにもかかわらず、賃料の負担を求められているのは不当だとしています。

先週10日、この市場を訪れると至るところに「違法なデモ活動は処罰する」などと書かれた警察の通知が貼り出されているうえ、警察が巡回していて、当局が神経をとがらせている様子が伺えました。

ビルに入居している女性は、抗議活動には参加していないとしながら「いつもなら春物の服を買い求める客でにぎわう時期だが、今は閑散としている。客が求めているのは、もう夏物なので春物があまって焦っている。家賃を下げてほしい」と話していました。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて上海では、観光地を訪れる人が激減し影響が広がっています。

このうち上海中心部にある観光地「豫園」では、明の時代につくられたという庭園の閉鎖は続いています。

その周辺では飲食店や土産物屋などが、営業を続けていますが客の姿はまばらです。

豫園近くの土産物店では、女性の店員が「人が来ないので売り上げが少ないです」と話していたほか、別の店の男性は「今は全くもうからず、どうしようもない。非常時なのでどうしようもない」と諦め顔でした。

また、土産物店の女性は「多くの人の仕事がなくなっていて、隣の店の3人はクビになりりました。大変です」と、観光客の激減で仕事が減り、雇用への不安も出ていると話していました。

上海では、新たな感染者が減少しているのに合わせて先週から、市内の博物館や観光施設などを再開させる動きが出てきています。

ただ、いずれも来場者を制限するなど、感染防止のための厳しい対策がとられていて、観光客の数が以前の水準に戻るには、まだ時間がかかると見られます。

中国の製造業の現場では新型コロナウイルスの影響で、人の移動が制限されたことなどから人手が不足したり、消費が低迷したりするなど影響が広がっています。

世界の工場とも言われる南部広東省の日系のスピーカーのメーカーは、およそ70人の従業員を抱えています。

しかし移動の制限によって帰省先から戻れなかったり、休校のため自宅にいる子どもの世話をする必要があったりして、出社している従業員は全体の7割にとどまっています。

工場には稼働していないラインもあるなど閑散としていて、門の前には人材の募集を呼びかけるビラが貼られていました。

中国政府によりますと、今月7日の時点で都市部に戻ってきた出稼ぎの労働者は全国の6割にとどまっているということです。

さらに、この会社では主要な顧客だった中国のカラオケ業界が、密室空間での感染拡大を防ぐため営業停止になったことから、注文が大きく減少していて、回復の見通しがたたないということです。

また部品の調達先で工場などの稼働が遅れているため、調達できた量が5割から8割にとどまっている部品もあるということです。

この会社では、自社のブランドで家庭向けの新たなスピーカーの開発を進めていましたが、営業する予定だった展示会も中止され、販売開始の見通しもたたなくなっています。

中国で25年間、事業を営む石川健一会長は「SARSの時よりも今回のほうが大変で、気持ちが混乱している。従業員のためにも受注をとり、仕事を与えてやりたい気持ちでいっぱいだ」と話していました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、民間のシンクタンクなどでは、中国のことし1月から3月までの第1四半期のGDP=国内総生産の伸び率がマイナスに陥るという見方も出ています。

このうち日本総研は、第1四半期のGDPの伸び率をマイナス1%と予測しています。

これは中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、消費者の移動や外出、工場の操業などを抑制したためです。

また野村中国は、第1四半期のGDPの伸び率について、中国国内での人や物の移動の規制が3月下旬まで続いた場合0%、湖北省などで人や物の移動の規制が4月末まで続いた場合マイナス1%に落ち込むと予測しています。

野村中国の陸挺首席エコノミストは「中国経済は非常に大きな打撃を受けたうえ大きな代償を払った。この代償は第1四半期だけでなく、第2四半期になっても、さまざまな業種で影響することになるだろう。コロナウイルスは全世界にまん延しており、中国経済には今後もリスクが残っている。決して楽観してはならない」と述べ、景気の下振れリスクに警戒すべきだと指摘しています。

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