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ヨーロッパでは2日、新型コロナウイルスに感染して死亡した人がイタリアで新たに760人増えて1万3915人になったほか、スペインで新たに950人増えて1万3人になりました。

また、フランスでも4503人となっています。

このうち、イタリアに続いて死者が1万人を超えたスペインでは、この6日間で死亡した人が倍以上に増えるなど深刻な状況が続いています。

2日、記者会見したWHOヨーロッパ地域事務局のトップ、クルーゲ事務局長はヨーロッパで死亡した人のうち95%以上が60歳以上だと明らかにし、「高齢者は感染した場合に重症化する危険性が高くなる」と強く警鐘を鳴らしました。

ヨーロッパでは高齢者施設で感染が広がっているケースも報告されていて、イタリアのメディアは北部ミラノ近郊の施設で、150人の利用者のうち61人が亡くなったと伝えていて、こうした施設での感染予防が大きな課題となっています。

一方でクルーゲ事務局長は「年齢だけが重症化の理由ではない」とも指摘し、10代や20代でも集中治療を受けているケースがあるとして、警戒を怠らないよう呼びかけています。

感染者がおよそ6万人に上っているフランスでは、首都パリを含む地域やドイツ国境に近い東部で患者が急激に増加していて、医療現場はぎりぎりの対応を迫られています。

このため先月下旬からは、症状の重い患者を感染者が少ない地域に運んで治療する措置が行われていて、1日にも高速鉄道の列車がパリから西部のブルターニュ地方へ患者を運びました。

フランス政府によりますと、これまでに高速鉄道や軍用機で各地へ搬送された患者は合わせて344人に上るということです。

また、政府は、感染者が少ない地域から医師や看護師を派遣する措置も始めていて、2日未明には、南部の医療従事者30人余りが軍の輸送機でパリ近郊の空港に到着しました。

フランス政府によりますと、パリ地域やフランス東部には、各地から合わせて320人の医療従事者が入ることになっています。

ヨーロッパでは、症状の重い患者が急増するなか、医師や看護師の感染も相次いでいて各国で引退した医師を動員したり新たに臨時の病院を設置するなど医療崩壊を防ぐための努力が続いています。

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