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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の要請を受けて、テレワークを導入する企業が増加し、オフィスに出社する従業員は減っています。

こうした中、東京都心部のオフィス物件を多く手がける不動産会社によりますと、先月中旬以降ベンチャー企業などから、都心部のオフィスの賃貸契約を解約したいという相談が、ことし1月の4倍余りのペースで寄せられているほか、大手企業の間でも、オフィス面積を広げる計画を取りやめる動きが出ているということです。

背景には想定以上にテレワークが機能し、従業員が出社するオフィスの必要性が見直され始めていることがあるということで、不動産会社アットオフィスの中西孝至さんは「高い賃料を払わずにシェアオフィスなどを活用する動きが進むものとみられ、都心のオフィスは拡張傾向から分散縮小へと流れが変わり始めた」と話しています。

こうした動きについて、日本不動産研究所の吉野薫不動産エコノミストは「テレワークの普及で、一概にオフィスが不要になるとは思えないが、作業スペースからコミュニケーションの場へと機能が変化し、むしろそうした役割が見直される可能性もある」と話しています。

ことし3月下旬から原則、すべての従業員をテレワークにした東京 千代田区の企業では、業務の効率がかえって上がったことから、11日、一部のオフィスの賃貸契約を解約することを決め、従業員に通知しました。

東京 千代田区にあるエネルギー関連のベンチャー企業「エネチェンジ」では、ことし3月下旬に100人ほどいる従業員を原則、すべてテレワークにしてから、定期的に仕事のしやすさを調査していて、先月下旬には、90%余りの従業員が生産性が上がった、または以前と変わらないと回答したということです。

このため、会社ではテレワークによって、業務効率がかえって上げられると判断し、オフィスの一部を解約することを決め、11日、従業員に通知しました。

解約するのは、エンジニアが使っていた部屋や、全社員がいちどに集まれる集会スペースで、今後は半数の従業員の分の席しか設けず、新型コロナウイルスの感染が収束したあとも、従業員には週に2日から5日はテレワークをしてもらうということです。

またオフィスには、インターネットを使った打ち合わせの増加に備え、数個のいすとモニターを置いた専用のスペースも設けるということです。

エネチェンジの城口洋平会長は「テレワークを前提に、オフィスは、コミュニケーションを取るための場としたい。新型コロナウイルスによる社会や経済への影響は大きいが、未来の働き方を一足先に実現するきっかけにしたい」と話していました。

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