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新型コロナウイルスの第2波に向けた警戒が続く中、海外から感染者が入国するリスクについて、専門家が新たにシミュレーションを行いました。今後、感染が流行している国から1日当たり10人の感染者が入国した場合、3か月後には100%に近い確率で大規模な流行が起きるとしています。一方、1日1人であれば大規模な流行は4割以下の確率におさえられるとしていて、専門家は「感染者が流入するリスクをしっかりと踏まえたうえで入国制限の緩和などを検討すべきだ」と指摘しています。

国内では、これまでヨーロッパなどの海外から、感染者が流入したことがきっかけで、流行が拡大したと指摘されていて、感染者の流入を、いかに食い止めるかが大きな課題となっています。

北海道大学大学院の西浦博教授らのグループは今後、海外から何人の感染者が入国すると大規模な流行が起きるのか、シミュレーションを行いました。

それによりますと、感染が流行している国から1日当たり10人の感染者が入ってきた場合、検疫でのPCR検査やホテルなどでの2週間の待機要請を行ったとしても、完全には防げず一部は流入してしまい、3か月後には98.7%の確率で緊急事態宣言などが必要となる大規模な流行が起きるとしています。

一方で、感染が流行している国からの入国を厳しく制限するなどして、1日当たりに入国する感染者を2人にした場合は3か月後に大規模な流行が起きる確率は58.1%、1日当たり1人にした場合は35.3%にまで抑えることができるとしています。

今回のシミュレーションについて、西浦教授は「多数の感染者が入国すると検疫で食い止めるのは限界があるので、入国者そのものを制限する必要がある」と指摘しています。

一方で、入国制限をめぐる現在の状況について「制限の緩和については政府が判断をしているが、感染リスクをどこまで踏まえているのか、透明性をもって明確に語られていない状態だ」と指摘しています。

さらに「検疫や入国制限は省庁の管轄がそれぞれ異なり、縦割りの状態にある。政府が一体となって、感染者が入国するリスクを分析し、制限を掛けたり緩和したりする仕組みを急いで作らなければならない」と話しています。

新型コロナウイルスの対策としての入国制限について、政府は外国人と日本人で異なる対応をとっています。

外国人の場合、「感染症危険情報」がレベル3に引き上げられているアメリカやロシアなど111の国と地域からの入国は拒否していて、そのほかの国や地域からの入国も制限しています。

日本人の場合、帰国することはできますが、帰国後14日間は自宅やホテルなどで待機し、公共交通機関を利用しないよう要請しています。

また「感染症危険情報」がレベル3の国と地域に滞在していた人についてはPCR検査を受けることを義務づけています。

厚生労働省によりますと、検査の対象となる人数が多いため、結果が出るまでに1日から2日ほどかかっていて、その間は空港内のスペースなどで待機する必要があるということです。

外国人の入国を拒否している現在の措置について、政府は緩和に向けた検討を進めています。

感染状況が落ち着いていて日本との経済的なつながりが大きいとして、タイとベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの合わせて4か国について、ビジネス関係者らに限って緩和する方向で検討しています。

早ければ、今月中にも緩和する方向で4か国との協議を進めていて、実現すれば感染拡大以降、初めての緩和措置となります。

安倍総理大臣は、緊急事態宣言が全国で解除された先月25日の記者会見で「感染再拡大の防止と両立する形でどのように国際的な人の往来を部分的・段階的に再開できるかについて、慎重に検討したうえで、政府として適切なタイミングで総合的に判断していく」と述べています。

新型コロナウイルスの対策について話し合う政府の専門家会議は、先月29日に出した提言の中で、水際対策の見直しについての考え方も示しています。

提言では、ヨーロッパなどで感染した人たちが日本に帰国したことがきっかけで、3月中旬からの感染拡大が起きたことが遺伝子解析で明らかになったと指摘しています。

このため、今後、海外との人の行き来を再開することで、日本国内で再び感染拡大が起きるおそれがあるため、当面は入国者を限定するなどして、徐々に緩和を目指すことが適当だとしています。

また、水際対策の検討にあたっては各国によって患者数を特定する体制に差があるため、国別に報告されている患者数が必ずしも実態を反映していない可能性も考慮して、慎重に見極める必要があると指摘しています。

東京都は2日、都内で新たに34人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。1日の感染の確認が30人以上となるのは先月14日以来、19日ぶりです。

こうした状況をうけて、都は、午後9時45分から対策本部会議を開き、今後の対応を協議しました。その結果、感染状況の悪化の兆候が見られるとして、都民に警戒を呼びかける「東京アラート」を出しました。「東京アラート」が出されるのは初めてです。

対策本部会議で小池知事は「きょうの新規陽性者数は34人で、病院の集団感染の影響があるとはいえ、警戒すべき数字だ。都民には、特に夜の繁華街など『3密』のリスクの高い場所では十分注意していただきたい。きのうからロードマップの『ステップ2』に移行したが、引き続き必要な警戒をしながら、感染拡大防止と経済社会活動との両立を図っていきたい」と述べました。

「東京アラート」が出されたことを受けて、東京都庁とレインボーブリッジはそれぞれ午後11時すぎに、いったん消灯したあと、都民に警戒を呼びかける赤い色の照明が点灯されました。

東京都の対策本部会議のあと小池知事は記者団に対し「ここまで感染を抑えてきたのは都民の協力があってのことだ。改めてこの波をこれ以上、高めないために協力をお願いしたい」と述べました。

そのうえで休業要請などの段階的な緩和について「『ステップ2』に移行しているが、これで『ステップ1』に戻るというものではない。ただし徹底した対策をして事業を再開した方々には注意をいただきたいし、利用される方々にも基本的な感染症の防止に協力をいただきたい」と述べました。

そして「改めて原点に立ち返って、一人一人の行動が社会全体に影響をもたらすという意識を持ってほしい」と呼びかけました。

新型コロナウイルスPCR検査について、厚生労働省都道府県などに対し、これまでを上回る感染拡大が起きることも視野に体制を強化するよう求める指針を公表しました。

指針では、まず、これまでを上回る感染拡大が起きることも視野に入れたうえで、無症状の濃厚接触者を新たにPCR検査の対象に加えることも踏まえ、ピーク時に1日当たりどの程度の検査が必要か見通しを作成するよう求めています。

そして、迅速に検査が受けられるよう保健所などの相談体制を拡充することや、2日から可能になった唾液によるPCR検査も活用して体制を構築するよう求めています。

さらに、ピーク時でも1か月程度はPCR検査を実施できる試薬を確保することや、クラスター対策の強化にあたっては、施設などに医師らが赴いて検査を行うケースが増えるため、体制を整えておく必要があるとしています。

厚生労働省都道府県などに対し、今月19日までに対応状況を報告するよう求めていて、必要があれば、財政面や技術面での支援を行う方針です。

東京都は3日、都内で新たに20代から50代、それに70代の男女、合わせて12人新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

都内で1日の感染の確認が10人台となるのは2日ぶりです。

3日、感染が確認された12人のうち、6人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、残りの6人は今のところ感染経路がわかっていないということです。

また、12人のうち7人が夜の繁華街で働いていたり、客として訪れたりしていたということです。

これで都内で感染が確認された人は、合わせて5295人になりました。

また、3日は死亡が確認された人はいないということです。

厚生労働省によりますと、2日までに、フィリピンなどから成田空港や羽田空港に到着した男性4人が空港の検疫所で新型コロナウイルスに感染していたことが新たに確認されました。

いずれも症状はないということです。

空港の検疫で感染が確認されたのは合わせて196人となりました。

#テレビ

地方議員選挙に立候補するには、その自治体に3か月以上住んでいることが要件となっていますが、選挙管理委員会は立候補の受け付け段階では審査ができず、開票後に審査を行って得票が無効となるケースが相次いでいます。

このため3日の参議院本会議で全会一致で可決・成立した「地方分権一括法」では、立候補の届け出の際に3か月以上住んでいることを宣誓する書類の提出を求め、虚偽と判明した場合に30万円以下の罰金を科すとしています。

このほか「地方分権一括法」には、所在が分からなくなっている森林の所有者を地方自治体が把握しやすくするため、個人情報として制限されている固定資産税の納付者の情報を利用できる範囲を拡大することなども盛り込まれています。

#政界再編・二大政党制