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#EU

黒人のジョージ・フロイドさんが死亡した事件から2週間となる8日、ミネソタ州ミネアポリスの裁判所にフロイドさんの首をひざで押さえつけて死亡させ、殺人などの疑いがもたれている元警察官のデレク・ショービン容疑者が出廷し、審理が始まりました。

裁判所は、元警察官の保釈金を日本円で1億円余りとしたほか、今月29日に元警察官を再び出廷させることを決めました。

アメリカのメディアは、元警察官はほとんど発言しなかったと伝えています。また、保釈金を納めて保釈されたという情報は、これまでのところありません。

この日は、亡くなったフロイドさんが多くの時間を過ごした南部テキサス州の教会で追悼式が行われ、参列者は黙とうしてその死を悼みました。

また、事件をきっかけに全米に広がった抗議デモも各地で行われ、ニューヨークの警察本部の前では、参加者たちが「警察は今すぐ変われ」などと声を上げました。

警察官による過剰な取締りなどが各地で問題となる中、抗議デモでは、事件に関わったとされる元警察官4人に対する厳しい処罰に加えて、警察の改革を求める声があがっています。

アメリカで人種差別に対する抗議デモが続く中、トランプ政権は先週、ホワイトハウスに近づけないようにするため、ホワイトハウス前の広場の周りに高さ3メートルほどの鉄製のフェンスを設置しました。

ところが、このフェンスにデモの参加者がメッセージを書いたボードを取り付けるようになり、トランプ政権にもの申す場になっています。

いまでは、メッセージが書かれた紙やボードがフェンスに隙間なくびっしりと取り付けられています。

中には、「黒人の命も大切だ」とか「警察組織は改革されるべきだ」といった訴えのほか、「トランプはもういらない」といった批判も見られます。

家族と一緒にフェンスの前に訪れた黒人男性は「たくさんのメッセージは驚くものではないが、私は本当の変化を目にしたい。警察は第三者によって改革されるべきだ」と話していました。

アメリカでは中西部のミネソタ州で起きた黒人男性の死亡事件を受けて、警察官による過剰な取り締まりが改めて問題視され、警察組織や行動規範の改革を求める声が強まっています。

トランプ大統領は8日、全米の警察の代表者とホワイトハウスで会談し、「99%の警察官たちは有能な人たちで、記録的に良好な治安を守ってくれている」と述べ、大多数の警察官は市民のために働いていると擁護しました。

その一方で「起こるべきでなかった今回の事件が二度と起きないように、どのように改革していくかアイデアを出していきたい」と述べ、警察官の行動規範の改革に意欲を示しました。

また野党・民主党も8日、警察改革法案を発表し、警察官が容疑者の首を圧迫して取り押さえることを禁止するほか、警察官の制服に小型のカメラの装着を義務づけることなどを盛り込みました。

この法案について民主党は今月中に過半数議席を握る議会下院を通過させたい考えですが、与党・共和党が多数派の上院では激しい論戦が予想され、秋の大統領選挙に向けた新たな争点となりそうです。

民主党の指導部と、党内の黒人有力議員が8日の記者会見で発表した警察改革法案では警察官が容疑者の首を圧迫して取り押さえることを禁止するほか、警察官の制服に小型のカメラの装着を義務づけること、警察官の違法行為に対する損害賠償を請求しやすくすることなどが盛り込まれています。

この法案について民主党は今月中に、過半数議席を握る議会下院を通過させたい考えですが、与党・共和党が多数派の上院では強い反発も予想されます。

会見に先立ち、ペロシ下院議長ら民主党の議員は亡くなった黒人男性が首を押さえつけられていた時間の長さに合わせ、8分46秒間、黙とうし、その死を悼みました。

ペロシ議長は会見で「共和党指導部と大統領は正義を実現するための邪魔をしてはならない。この法案が成立するまでこの国と議会は譲歩しない」と述べ、断固とした姿勢で臨むことを強調し、ことし11月の大統領選挙も見据え、与野党の間で激しい論戦が交わされるものとみられます。

ニューヨーク市は8日、感染拡大後初めて経済活動の再開を認め、建設業のほか、雑貨店や書店など一部の小売店が営業を再開しました。

ただ、小売店では客が自由に入れるのではなく、注文をしていた人が店頭で商品を受け取る場合に限られています。

黒人男性の死亡事件をきっかけに起きた抗議デモに乗じて略奪などが起きたこともあって営業の再開に慎重な店は多いと見られます。

このため、ニューヨーク中心部のマンハッタンでは、通りを走る車の数こそいくぶん増えたものの、先週に比べて大きな変化は見られませんでした。

経済活動は4段階に分けられ、今後、順次緩和される予定ですが、ニューヨーク州は、次の段階に移行するまで最低でも2週間程度は状況を見る方針で、最終段階に至るまでには、少なくとも1か月半はかかる見通しです。

ニューヨーク州のクオモ知事は、この日の記者会見で「われわれは戻ってきた。おそらく世界で最悪の状況の中からここまで戻ってきたのだ」と述べました。

感染が再び拡大するリスクを抱えながら、どう経済を立て直すのか、ニューヨークは今後も難しい対応を迫られることになります。

経済活動が再開されたニューヨークでは、感染拡大の第2波を抑える柱として検査態勢の拡充を掲げ、症状の有無にかかわらず感染者を早期に発見し、接触者を一人一人追跡して隔離することにしています。

ニューヨーク市を含むニューヨーク州全体では、新型コロナウイルスに感染しているかどうか調べるPCRなどの検査が1日に6万件前後行われています。

公的な検査所のほか、民間の診療所や薬局などおよそ700か所で検査が受けられますが、クオモ知事は経済活動の再開とともに検査態勢をさらに拡充し、ニューヨーク市だけで1日に3万5000件の検査を行えるようにするとしています。

そして、感染が確認された場合、過去の一定期間に誰と接触したかを調査して、2週間の隔離を求め、感染の拡大を防ぐことにしています。

ニューヨーク州では、接触者を追跡調査する要員を地域ごとに一定の人数確保しないと経済活動再開の次の段階に進むことを認めないとしていて、アメリカの大学が提供するインターネットの講座を修了した人、およそ1万7000人を調査員として雇用し、大規模な調査を行うことにしています。

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