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今月1日、トランプ大統領が聖書を片手に教会前で写真撮影をするために、ホワイトハウス近くで平和的に抗議デモを行っていた人たちが、警察などによって強制的に排除されました。

これについて、アメリカ国内では「憲法で保障された権利の侵害だ」などとして、批判の声が上がっています。

こうした中、トランプ大統領の写真撮影に同行したアメリカ軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が11日、国防大学の卒業式にビデオメッセージを送り、「あの環境に私がいたことは、軍が政治に関与しているという印象を生み出してしまった。制服を着た軍の将校として間違いだった」と述べ、謝罪しました。

黒人男性の死亡事件を受けた抗議デモは、11日もニューヨークなど全米各地で続いています。

抗議デモへの対応をめぐっては、一時、連邦軍の投入も辞さない構えを見せたトランプ大統領に対し、エスパー国防長官が記者会見で公然と異を唱えるなど、トランプ大統領国防総省の間で足並みの乱れが露呈していて、今回のミリー議長の発言を受けて、大統領がさらに不満を強める可能性もあります。

トランプ大統領は11日、南部テキサス州で開いた会合で、黒人男性が死亡した事件をきっかけに広がった抗議デモで警察の予算削減などの改革を求める声があがっていることについて「過激な勢力は警察を解体しようとしている」と批判し、反対の立場を示しました。

そのうえで訓練などを強化して警察改革に取り組む考えを強調しました。

アメリカでは11日もニューヨークなどで抗議デモが行われましたが大きな混乱はなく、デモに便乗した略奪や暴力行為などは収まっています。

首都ワシントンでは、ホワイトハウスに人が近づけないようにするため、隣接する北側の広場に設置されていた高さ3メートルほどのフェンスが撤去されました。

一方、ホワイトハウスの近くで今月1日、トランプ大統領が写真撮影した際に、平和的に抗議デモを行っていた人たちが強制的に排除されたことをめぐって、写真撮影に同行したアメリカ軍の制服組のトップ、ミリー統合参謀本部議長は「軍が政治に関与しているという印象を生み出してしまった。間違いだった」などと謝罪しました。

抗議デモへの対応をめぐっては、トランプ大統領国防総省の間で足並みの乱れが露呈しています。

アメリカで黒人差別に抗議するデモが続くなか、一部の参加者らによって15世紀にアメリカ大陸に到達したイタリア人探検家、コロンブスの像が引き倒される動きが広がっています。

これに関連し、ニューヨーク州のクオモ知事は、11日の記者会見で、ニューヨークに設置されている像を撤去したり、コロンブスにちなんだ道路の名前を変更したりすべきか意見を問われました。

クオモ知事はコロンブスの行いの中に誰もが支持しないものがあったことは理解しているが、コロンブスの像は、時を経てニューヨークに貢献したイタリア系アメリカ人への感謝をしるすものになっている」と述べて、撤去する考えはないと断言しました。

コロンブスをめぐっては、ヨーロッパとアメリカを結ぶ航路を開拓したことへの歴史的な評価がある一方、アメリカでは、先住民族の虐殺を招いた人物として非難する見方もあり、これまでも像の是非をめぐる議論が続いていました。

こうした議論に対し、クオモ知事はみずからがイタリア系アメリカ人であることも踏まえ、像の意義を強調する立場を示してきました。

アメリカでは抗議デモが続くなか、今週、南部バージニア州と中西部ミネソタ州コロンブスの像が相次いで引き倒されたほか、東部マサチューセッツ州でも像の頭部が持ち去られる事件があり、連日、メディアが大きく報じています。

再選を目指すトランプ大統領が、候補者指名を受ける共和党の全国党大会は、ことし8月24日から4日間、南部ノースカロライナ州シャーロットで開かれる予定でした。

しかし、野党・民主党のクーパー知事が、新型コロナウイルスの感染対策を理由に党大会の規模を縮小するよう求めたのに対し、トランプ大統領は反発し、開催地を別の州に変える考えを示していました。

そして共和党の全国委員会は11日、トランプ大統領の指名受諾演説など党大会の主要なイベントについては、南部フロリダ州のジャクソンビルで行うと発表しました。詳しい日程は明らかにしていません。

新型コロナウイルスの感染拡大や黒人の死亡事件を受けた抗議デモが続く中、トランプ大統領は野党・民主党のバイデン前副大統領に世論調査でリードされていて、接戦が予想されるフロリダ州で党大会を行い、弾みをつけるねらいもありそうです。

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