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オーストリアの首都ウィーンに本部があるIAEAで開かれていた理事会ではイランが、申告していない核物質が保管されている疑いがある国内2か所の施設に対し、IAEAの査察を拒否している問題が大きな議論となりました。

この中でイギリス、フランス、ドイツの3か国は、イランがIAEAの査察に全面的に協力するよう求める決議を提出し、19日、理事会で採決が行われました。

その結果、ロシアと中国の2か国が反対したものの、賛成多数で可決されました。

アメリカのウォルコット大使は記者会見で、「これで新たな段階に入った。イランは査察受け入れの義務に従わねばならず、イランの動向を注視していく」と述べました。

これに対し、イランのガリブアバディ大使は「深く失望している。ヨーロッパの3か国が決議を提出したことは非常に遺憾だ。根拠のない主張で、IAEAに圧力をかけていて、これはアメリカとイスラエルによる罠だ」と強く反発し、対抗措置をとることも示唆しています。

今回の決議の採択で、イランに査察を求める圧力が強まることになり、今後、イラン情勢の緊張が高まることが予想されます。

イランに対するIAEA国際原子力機関の決議をめぐり、イギリス、フランス、ドイツの3か国の外相は19日、共同で声明を発表しました。

この中で3か国の外相は、イランが申告していない核物質が保管されている疑いがある国内の施設に対し、IAEAの査察を拒否していることに強い懸念を示しました。

そのうえで、IAEAの理事会が19日、査察に全面的に協力するようイランに求める決議を採択したことについて、「イランに対しては完全な形でIAEAに協力し、施設への立ち入りを許可するよう求める」としています。

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