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ことし5月、韓国の脱北者団体北朝鮮キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長を批判するビラを飛ばし北朝鮮は、南北の共同連絡事務所を爆破するなど反発しました。

その後、韓国政府は、2つの脱北者団体の法人の許可を取り消したほか、北朝鮮の人権問題などに取り組んでいる民間の団体に対しては、活動状況を確認するなど、規制を強化しています。

これについて、北朝鮮の人権状況を調査している国連のキンタナ特別報告者は、30日、韓国統一省のイ・ジョンジュ(李種珠)人道協力局長とテレビ会談を行いました。

統一省の発表によりますと、会談はキンタナ氏の要請で行われ、この中でキンタナ氏は、脱北者などの団体が意見を表明する機会が十分に保障されるべきだと懸念を伝えました。

そのうえで、韓国政府に対し、北朝鮮の人権問題に関心を持ち、団体側の声にも耳を傾けて協力するよう求めました。

南北関係の改善を目指す韓国政府は、軍事境界線に近い地域の住民を危険にさらすなどとして、政府の対応には問題ないとの立場を示しています。

北朝鮮の国営メディアは韓国に脱北した人物が、今月19日に南西部のケソン(開城)へ違法に戻ったうえ、新型コロナウイルスに感染している疑いがあるとしてケソンを完全に封鎖したと、26日に伝えました。

これについて、韓国軍は軍事境界線近くの監視カメラの映像などを分析した結果を31日、明らかにしました。

それによりますと、3年前に脱北した20代の男性が、今月18日の午前2時すぎに韓国北西部のカンファ(江華)島にタクシーで到着し、鉄条網の下の排水路を通って川に向かう姿が映っていました。

男性は午前2時46分ごろ、川に入って泳ぎ始め流れを利用しながら移動し、1時間余りたった午前4時ごろには対岸の北朝鮮側に渡ったのが確認されたということです。

この間、男性は7回にわたってカメラに捉えられていたということで、韓国軍は監視態勢に問題があったとして、管轄の海兵隊の師団長を解任する方針を示しました。

一方、韓国の保健当局は、この男性が残した衣服や所持品を調べた結果、ウイルスは検出されなかったとしています。

韓国の中央銀行にあたる韓国銀行は31日、北朝鮮の経済活動に関するデータをもとに分析した結果として、北朝鮮の去年のGDP=国内総生産の実質的な伸び率は、推定でプラス0.4%だったと発表しました。

おととしの経済成長率は、推定でマイナス4.1%と、過去20年余りで最も大きい落ち込み幅となっていましたが、3年ぶりにプラスに転じました。

具体的には、
▽輸出が14.4%増えたほか、
▽建設業がプラス2.9%、
農林水産業がプラス1.4%などとなっています。

これについて、韓国銀行の関係者は、国連安全保障理事会の制裁の対象になっていない時計や帽子、かつらなどの中国向けの輸出が増えたことに加えて、北朝鮮国内で干ばつや台風などの影響が少なかったことや、観光地区の開発や発電所の建設などが相次いだためだと分析しています。

一方で、北朝鮮経済は依然として本格的な回復に至っていない上、新型コロナウイルスの影響で、貿易の9割以上を占める中国との国境が封鎖されていることから、厳しい状況が続くとする見方を示しました。

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