https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

11月のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党のバイデン前副大統領から副大統領候補に選ばれた女性で黒人のカマラ・ハリス上院議員は12日、東部デラウェア州でバイデン氏と初めてそろって姿を見せ演説を行いました。

この中でハリス氏は、アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大が続いている理由について「トランプ大統領が最初から真剣に取り組まなかったからだ」と述べ大統領の対応を厳しく非難しました。

そのうえで「アメリカはリーダーシップを必要としている。われわれはよりよい未来を選択できる」と述べ政権奪還に向けた決意を表明しました。

また、バイデン氏は「ハリス氏は賢く、タフで、経験豊富だ。就任1日目から働く準備ができている」と述べハリス氏の能力に期待を示しました。

2人は今月17日から開かれる民主党の全国党大会で正副大統領候補に正式に指名される予定で、11月の本選挙に向けた選挙戦が本格化することになります。

野党・民主党のバイデン前副大統領が副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員を選んだことについて、アメリカの現代政治が専門の上智大学の前嶋和弘教授は「副大統領候補として名前が挙がっていた人の中で知名度が最も高いのはハリス氏だ。人種マイノリティーというだけでなく、司法長官としての経歴や現実路線の政策も含めてバイデン氏を実務的に支えていけると人々に印象づけるねらいがある」と分析しました。

一方でハリス氏の弱みについては予備選挙ではあまり能力を発揮できず期待外れな結果に終わってしまうなど不安な部分はある。また、犯罪に厳しい検察官としての経歴が批判されることもあるが仕事の成果として評価されている面もあり、マイナス面よりもプラスの要素のほうが大きい」と指摘しました。

そのうえで、ハリス氏を選んだことによる選挙戦への影響について「ハリス氏は穏健派なので、民主党の中の中道派の票の取りこぼしを防ぐ一方で、人種マイノリティーでかつ女性という観点から左派にも声を届けやすく非常にバランスのとれた存在だ。バイデン氏が持っている伝統的なイメージに新しい流れを作ってくれる。さらに、ハリス氏は弁が立つので高齢で前ほど演説が巧みでなくなったバイデン氏にもう一度勢いを与えてくれるだろう」という見方を示しました。

ハリス氏の政治的な立ち位置は、民主党内ではバイデン氏に近い中道寄りの穏健派とされていて、近年支持を拡大してきたよりリベラルな主張を掲げる左派とは一定の距離があります。

国民の大きな関心事である医療保険改革をめぐっては党内左派が主張する民間企業による保険制度を廃止して国民皆保険を実現させる案には賛成しませんでした。

一方で、分野によっては左派的な政策も掲げ左派が主張するマリファナの合法化に前向きな発言もしています。

中道と左派のあいだで時に立ち位置を変える姿勢が日和見主義だと批判されたこともあります。

ハリス氏が民主党の次世代のホープとも言われてきた理由の1つが検察官を務めてきた経験に裏打ちされた、その突破力です。

いわゆるロシア疑惑を巡って、議会で4年前の大統領選挙でのトランプ陣営の疑惑を先頭に立って追及し評価されました。

また、移民制度についてはアメリカ先住民以外のアメリカ人はみな移民であると主張しトランプ政権の強硬な移民政策を批判してきました。

ただ、人種問題をきっかけに警察改革を求める声が高まる中、カリフォルニア州の司法長官時代、改革に消極的だったとしてハリス氏を批判する声もあります。

中道派のバイデン氏が同じく中道寄りとされるハリス氏を副大統領候補に選んだことについて、民主党の左派を支持する一部のグループからは批判的な声も出ていてバイデン氏にとっては民主党支持者の結束が引き続き課題となりそうです。

バイデン氏がハリス氏を副大統領候補に選んだのを受けて民主党の左派を支持する団体「進歩民主アメリカ」と「ルーツアクション」は共同声明を発表しました。

声明はハリス氏がこれまで医療保険制度や警察改革などでみずからの立場を変えてきたと指摘し「政治的な風見鶏だ」と批判しています。

そのうえで「政治的な風によって立場を変える彼女の習慣はわれわれにいくらかの希望を与える。ハリス氏がより高い理想を求めるようになるべくわれわれは日々闘う」と皮肉をこめて自分たちの立場を表明しています。

一方、民主党の左派の間で副大統領候補として名前が挙がっていたウォーレン上院議員は声明を発表しハリス氏の人格や仕事ぶりをたたえたうえで、バイデン氏のすばらしいパートナーだとして大統領選挙の勝利に向けて団結を呼びかけています。

また、左派の代表格のサンダース上院議員は来週から始まる民主党の全国党大会で演説する予定で政権奪還を目指してバイデン・ハリス両氏のもとで党内の結束を呼びかけるものとみられています。

ただ、前回の大統領選挙では民主党の左派の一部が中道派のクリントン氏を積極的に支援しなかったことが敗因の1つとも指摘されていて、バイデン氏としては民主党支持者の結束が引き続き課題となりそうです。

ことし11月に行われるアメリカ大統領選挙をめぐっては新型コロナウイルスの影響で郵便投票を導入する州が増えていますが、トランプ大統領は不正が横行すると主張していてメディアのインタビューで選挙結果を受け入れるか問われた際には「結果を見る必要がある」と明言を避けています。

これについてアメリカ陸軍で大佐と中佐を務めた2人の退役軍人は11日、軍事問題を扱うメディア「ディフェンス・ワン」でアメリカ軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長に宛てた公開書簡を出しました。

書簡ではトランプ大統領は選挙結果が敗北となった場合は「フェイクニュースとみなして受け入れないだろう」としたうえで「もし大統領が憲法で定められた任期までに退任しなければアメリカ軍は力を行使して大統領を辞めさせなければならない」として結果次第では軍が介入すべきだと主張しました。

これについてインターネット上では「ひどい考えだ。大統領が退任を拒否するのと同じくらい危険だ」と非難する声が上がる一方、「重要なのは執筆した2人が思慮深い退役軍人だということだ」と耳を傾ける声も聞かれるなど賛否両論が出ています。


11月のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党のバイデン前副大統領から副大統領候補に選ばれた、カマラ・ハリス上院議員は12日、東部デラウェア州でバイデン氏と初めてそろって姿を見せ、演説を行いました。

演説は、新型コロナウイルス対策で、会場に支持者を入れない形で行われ、ハリス氏は、「アメリカが平等と正義に向かって今も進まなければならない中、バイデン氏は黒人女性をみずからの伴走者に選んだ」と述べ、自分が選ばれたのは、人種差別の問題に取り組む姿勢のあらわれだと強調しました。

そして、アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない理由について、「トランプ大統領が最初から真剣に取り組まなかったからだ」と述べ、大統領の対応を厳しく非難しました。

そのうえで、「アメリカはリーダーシップを必要としている。われわれは、よりよい未来を選択できる」と述べ、政権奪還に向けた決意を表明しました。

これに対して、トランプ大統領は会見で、「演説の一部だけ見たが、それで十分だった。かつてハリス氏ほどバイデン氏のことを侮辱した人はいない。大きな失敗をしそうなので、ペンス副大統領との討論が楽しみだ」と述べ、ハリス氏が、民主党の討論会でバイデン氏を厳しく追及したことなどを挙げて批判を強めており、論戦が始まっています。

#米大統領

d1021.hatenadiary.jp