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井上 戦後の日本政治は「官僚主導」と言われながらも、政治家による総合調整が上手く機能していました。例えば、大蔵官僚出身である福田赳夫氏は政調会長になった昭和30年代、大蔵省の言いなりになるのではなく、自民党が重点的に予算配分するところを決める仕組みを作っています。「五五年体制」の時代に宰相となった政治家たちは、総じて「官」の仕組みを熟知しており、それをしっかりコントロールする能力を持っていたように思います。

井上 本書(『歴史劇画 大宰相』)で描かれる福田氏は、派閥抗争で敗れたことへの“復讐”が強調されています。しかし、こうした福田像は、田中角栄氏や大平正芳氏から見たイメージが強く投影されたもので、実像とは大分違うのではないでしょうか。たとえば、田中氏に総裁選で敗れたにもかかわらず、しばらく後に入閣して田中政権の立て直しに協力しています。それは私利私欲ではなく、「身を殺して以て仁を成す」という上州人の気質が表れているように思えます。
  
福田 「日本列島改造論」による景気過熱が引き起こした物不足と地価高騰、そこに第四次中東戦争勃発を契機とする第一次オイルショックが追い討ちをかける形で、1973年から急速にインフレーションが進みました。赳夫はこのインフレを「狂乱物価」と名付けて政策転換を主張しましたが、その最中に大蔵大臣の愛知揆一氏が急逝し、赳夫は田中氏から後任になってくれないかと要請されます。

このとき赳夫は、日本列島改造論の封印と、自分の政策に口を出さないことを条件に引き受けました。大蔵大臣就任後すみやかに公共事業の削減、定期預金金利引き上げによる総需要抑制策に着手し、さらに三木武夫内閣の副総理として、労働大臣の長谷川峻氏らとともに、当時強い勢力を持っていた労働組合のトップを説得、賃上げ要求を思いとどまらせることまでしました。

赳夫は当初、「日本経済、全治3年」と言っていましたが、結果的には3年かからずにインフレは収まります。もしあのとき赳夫が大胆な政策を断行していなければ、日本が国家破綻していてもおかしくありませんでした。国家全体の利益を常に考えていたからこそ田中氏に協力したのです。

井上 戦後政治の実像がなかなか見えてこないのは史料の問題があります。福田康夫政権の時に公文書管理法が制定され、近年、公文書管理が大きく注目されるようになりました。しかし、アメリカやイギリスに比べると文書公開の現状はまだ見劣りします。「アーカイバル・ヘゲモニー」という言葉があるように、歴史は史料に依拠して書かれるため、どうしても史料を多く公開している国にとって有利な歴史観が作られます。

福田 公文書管理法は、総理が在任中に作成した文書など、政府や自治体の公文書を管理するための法律です。赳夫の秘書を務めていた頃、地元・前橋市内の終戦直後の写真がアメリカの国立公文書館で保管されているのを目にし、人の国のことまでお節介だとは思ったものの、公文書をしっかり残し、国民が後で正確な事実を知ることができる制度が日本にも必要だと痛感したのです。

日本国の記録が、日本の歴史そのものです。正確な記録を残していなければ、日本の歴史を客観的に評価することができません。他の国から質問されたときに、いい加減な答えしかできなくなってしまいます。

我が国の国立公文書館アジア歴史資料センターという組織があります。明治期からの日本の記録文書をデータベース化し、インターネットで公開しています。たとえば柳条湖事件では、誰がどこで何をしたか、現地の外交官が本省に打電した文書の写しなどでわかるようになっています。これに中国の関係者は、「自分の国に不利になるものを公開しているのか」と驚いていました。この透明性が日本に対する信頼につながるのです。

歴史の審判とは、こうした公文書によって下されるものだと思います。現役の政治家と官僚も、こうして国民の目にさらされる日が来ることを意識すれば、権力の行使の仕方や自らの言動について間違ったことはできなくなるでしょう。

身びいきのように聞こえるかもしれませんが、翻ってみると赳夫は、国の運命しか考えない生涯でした。71歳で総理になってからではなく、若き大蔵官僚だった頃からずっと国のことしか考えていない人だったと、私は父・赳夫について思っています。

19日から始まった日本感染症学会は当初はことし4月に開催の予定でしたが、新型コロナウイルスの流行を受けて延期となっていたもので、密集を避けるため東京・港区の会場とオンラインの両方で開かれています。

はじめに舘田一博理事長が講演し、「今、日本は第2波のまっただ中にいる。全国的にも、東京でも新たな感染者数の推移はピークを迎えているようにも見えるが、再び上昇することが無いのか注意する必要がある」と述べ、現在、国内が流行の第2波を迎えているという見解を示しました。

そして、「この先も第3波、第4波が来ると予想され、新しい生活様式の中で新型コロナウイルスとつきあっていくことになる。学会として、少しでも重症者を減らし、医療現場を混乱から守るため最新の知見を集めていきたい」と述べました。

学会は21日まで開かれ、合わせて3000人が参加して新型コロナウイルスなどの最新の治療や研究の状況が報告されることになっています。

東京都は19日、午後3時時点の速報値で都内で新たに186人新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が200人を下回るのは17日以来です。
都によりますと、感染が確認されたのは10歳未満から90代までの男女合わせて186人です。

都内で1日の感染の確認が200人を下回るのはおととい以来です。186人のうち、20代と30代は合わせて104人でおよそ56%を占めています。

これで都内で感染が確認されたのは1万8268人になりました。

一方、きょうの時点で重症の患者は18日から1人増えて32人だということです。

東京都は、都内の感染状況は非常に厳しく最大限の警戒が必要だとして、夏休み期間は▽都外への旅行や帰省、▽夜間の会食、▽遠くへの外出を控えるよう呼びかけています。

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