https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

長期にわたるドル高傾向の終わりが近づいている。

  強さを9年間保ってきたドルは、試練にさらされている。今年に入り米金融当局が超低金利政策に加わったことでユーロと円に対する優位が薄れた。政府債務と財政赤字拡大の中で外国からの米資産投資も衰え、貿易加重ベースの指数はドルの衰退が遅過ぎたと示唆している。

  現在の状況は突然の政策転換がドルを揺るがせ、長期にわたる下落トレンドをもたらした1985年と2002年を連想させる。今は、欧州より弱い米経済見通しがドル高からの転換を加速させる可能性がある。ドルは2年ぶり安値となったほか、トレーダーらは数年ぶりにドルを売り持ちとしている。

  ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのジャック・マッキンタイア氏は、「ドルは長期にわたり過大評価されていた。ついに数年にわたる下落トレンドのきっかけが訪れたのかもしれない」とし、「過去にも見られたように、バリュエーションが伸び切っていると、政策や経済の衝撃が急に通貨の方向を変え得る。米金融当局のバランスシート拡大と政府債務増大、新型コロナウイルス流行への米国の対応によって、今これが起こっているように見受けられる」と語った。

  ドル凋落(ちょうらく)を警告し続ける弱気派もいるが、実際にはドルの地位は弱まっていない。今も、世界の外貨準備の60%余りを占め国際的取引で使用される割合は圧倒的だ。

  それでも、ゴールドマン・サックス・グループなど、今回は違うと指摘する向きは多い。

  BNPパリバ・アセット・マネジメントのマルチアセットグループ調査・戦略責任者ギレルモ・フェリセス氏は、「ドルのサイクルは長く持続的だが、現在はバリュエーションの上限にある」として数年にわたるドル下落を予想。「最終的には相対的な金融政策が鍵になる。景気刺激という点で米連邦準備制度は最も積極的な中央銀行であり、これは続く公算が大きい」と指摘した。

原題:
Doomsayers See End of Dollar Bull Run With Valuations Stretched(抜粋)

#マーケット