【東大生から見た「地頭がいい人」の典型的な特徴】 大切なポイントを見つけ、背景を知り原因を探す#東洋経済オンラインhttps://t.co/JgfwD3Vl6e
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) 2020年8月22日
西岡氏は、要約力が頭のよさを図る指標である理由について、要約が「情報の取捨選択」をする行為だからだと記している。
わかりやすいのは、分厚い本を読む場合のことだ。そんなとき現実問題として、その本の内容をすべて記憶することは不可能である。それは東大生でも同じだが、しかし彼らは、何百ページにも及ぶ教科書の内容を記憶し、何千ページもの論文を読んで研究を行っている。なぜ、そんなことが可能なのか?
その答えこそが、要約力なのです。「ここが大切なんだな」というポイントを理解し、その点だけをピンポイントで覚えているからこそ、何百ページもの本の内容を覚えることができるのです。
要は、無意識のうちに重要なところにマーカーを引く能力が高いのです。(70ページより)端的に言えば、覚えるべき「ひとつ」を探す能力こそが「要約力」だということだ。その証拠に東大生の多くは速読の使い手で、どんな文章でもさっと読むことができるという。
つまり彼らの多くは、「キーワード」を探して本を読んでいるという場合が多いのだ。「これは、このキーワードについて書かれた文章だな」「なら、このキーワードの周辺を読んでいけば、自ずと要点が見えてくるだろう」というように、その文章の中から重要なキーワードを探し、その部分を重点的に読み、それ以外の部分を切り捨てているわけである。
歴史の教科書には各章の冒頭に、「その時代の背景」がまとめられている。例えば、「古代ローマとは、こういう時代です」「江戸時代には、こんな背景があります」というように。それらは、試験に出るような事項ではない。しかし、東大生はそこを熟読するというのだ。
もちろんそれは歴史の教科書に限ったことではなく、すべての教科に当てはまる。教授の話を聞く前には「教授がどんな人か」を調べ、学問の勉強をする前に「その学問の生まれた経緯」を調べ、本を読む際には表紙や帯・目次を読んで、それがどういう本なのかを調べるのである。
具体的な内容に入る前に、「前提・背景」を調べるということだ。教授の話の中身や教科書の本文に入る前に、そこに至る以前の「上流」の部分を知ろうとするわけである。
例えば、ペリーが浦賀に来航した1853年という年を覚える場合、普通は語呂合わせを使ったり、何度も口に出してみたりするはずだ。
しかし、東大生は違います。
「1852年でも、1854年でもなく、なぜ1853年だったんだろうか? きっとそこには、理由があるはずだ」
というふうに、「1853年だった理由」を探そうとするのです。
すると、「1853年にペリーが来た」のは偶然ではなく、きちんと理由があることがわかります。(45〜46ページより)
「急がば回れ」の理論で、僕らはきちんと物事の「原因」を探さないといけないのです。(47〜48ページより)
物事には、単純な「原因と結果」では説明がつかない「背景」が存在しているということである。なんにせよ、物事をより深く理解し、重要な情報を引き出す「要約」を行うためには、「背景」を知ることが重要なのだ。
・具体的な中身に入る前に、それに至る「流れ」を理解する
・その「流れ」の中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
・この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、ラインマーカーを引くようにその点を重点的に見て、覚え、まとめる(75〜76ページより)
■遠きは花の香
— 日経新聞 記事審査部(校閲担当) (@nikkei_kotoba) August 23, 2020
→遠くにあるものはすばらしく感じられるが、身近なものは軽視してしまいがちだということ。遠くから漂ってくるにおいは、花の香のようによく思われるということから。
〔類義〕家鶏を賤(いや)しみて野雉(やち)を愛す。
※三省堂「新明解故事ことわざ辞典」から
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