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 天皇陛下が高齢となられ上皇陛下のように譲位を決断されたとき、同じくご高齢の秋篠宮さまに譲位されるのか、秋篠宮さまを飛ばして悠仁さまに譲位されるのか。そうした議論が生まれるときにようやく、女性・女系天皇についても踏み込んだ議論が行われるのではないでしょうか」(別の皇室ジャーナリスト)

 将来、懸念されるのが悠仁さまを支える皇族方が少なくなることだ。現行の制度では女性皇族は結婚後、皇室を離れられるため、皇室の先細りは避けられない。そのため、「女性宮家」の創設を望む声も大きい。

紀子さまは、眞子さまと佳子さまに結婚後も皇室に残って悠仁さまを支えてほしいとお考えだそうです。眞子さま、佳子さまがご結婚される前に女性宮家の創設が認められれば、おふたりは結婚後も皇室に残られる。秋篠宮家の長男を長女と次女が支えるという、盤石な“秋篠宮家体制”が生まれる可能性もあるんです」(前出・別の皇室ジャーナリスト)

 秋篠宮家が「天皇家」になるその日、天皇の血統である「皇統」が変わる。秋篠宮家の誰かが天皇となられた時点で、天皇家の“本家”が移ることになるのだ。

秋篠宮さまが天皇となられ、女性宮家が創設されて眞子さまが皇室に残られていた場合、『天皇家の長女』は愛子さまではなく眞子さまです。さらにその後、女性天皇が容認されることになれば、眞子さまや佳子さまにも皇位継承順位がつく。愛子さま天皇家の長女ではないので、“眞子さまや佳子さまは、愛子さまより継承順位が上”というお立場の逆転が起きるのです」(前出・別の皇室ジャーナリスト)

 衝撃的なことに、眞子さまや佳子さまがご結婚前に女性宮家が創設されれば、もし女性天皇が認められたとしても、愛子さま天皇となられる可能性は限りなく低くなるのだ。

「議論が進んで女系天皇が認められた場合、眞子さまや佳子さまのお子さまは、愛子さまのお子さまよりも継承順位は上になる。秋篠宮家に天皇家が移ることは、そのように末代まで影響する大きな変革であり、その第一歩が『立皇嗣の礼』なのです」(前出・別の皇室ジャーナリスト)

 秋篠宮さまは次男としてお生まれになり、天皇となるための帝王教育を受けておられない。「高齢での即位はできない」と“即位拒否”ともとれる発言をされたこともあったという。立皇嗣の礼は、そんな秋篠宮家に皇統が移ることでもあるのだ。

「立皇嗣宣明の儀」は、秋篠宮さまの「立皇嗣の礼」の中心となる儀式で、午前11時すぎから皇居・宮殿の「松の間」で行われました。

儀式には、天皇皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻のほか、9人の皇族方が参列され、内閣総理大臣など三権の長や外国の大使の代表など46人も正装で臨みました。

はじめに、儀式での装束姿の天皇陛下が、「皇室典範の定めるところにより文仁親王皇嗣であることを、広く内外に宣明します」とおことばを述べられました。
続いて、歴代の皇太子が着用してきた装束に身を包んだ秋篠宮さまが、紀子さまとともに天皇陛下の前に進み、「皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます」と決意表明にあたるおことばを述べられました。

このあと菅総理大臣が天皇陛下の前に進み出て、「国民は、両殿下が人々に親しく接せられるお姿に敬愛の念を抱いており、こうして立皇嗣の礼が挙行されますことは、こぞって喜びとするところであります」などと、お祝いの言葉を述べました。

儀式は、両陛下と秋篠宮ご夫妻、それに菅総理大臣を除く全員がマスクを着用するなど、感染防止対策を徹底した上で行われ、およそ15分で終了しました。

このあと、宮殿の「鳳凰の間」で、歴代の皇太子に伝わる「壺切御剣」と呼ばれる守り刀を、天皇陛下秋篠宮さまに授けられる行事も行われました。

内閣総理大臣の寿詞(よごと)【全文】

謹んで申し上げます。

天皇陛下には、本日ここに立皇嗣宣明の儀を挙行され、文仁親王殿下が皇嗣であることを内外に宣明されました。一同心からお祝いを申し上げます。皇嗣殿下は、妃殿下とともに、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下をお支えになられ、被災地御訪問や国際親善をはじめ、皇室の御活動に真摯(しんし)に取り組まれてこられました。

国民は、こうした活動を通じて、両殿下が人々に親しく接せられるお姿に敬愛の念を抱いており、こうして立皇嗣の礼が挙行されますことは、こぞって喜びとするところであります。

ここに改めて皇室の一層の御繁栄をお祈りをいたします。

衆参両院議長も謹話

「立皇嗣宣明の儀」に際して、衆参両院の議長は、「謹話」を出しました。

大島衆議院議長は、「この令辰(れいしん)に当たり、殿下が皇嗣となられたことが広く内外に宣明されましたことは、まことに喜びに堪えません。殿下には、妃殿下をはじめ御家族の皆様方とともに、今後一層中外の信望に応えられつつ、ますますお健やかにお過ごしになることを衷心よりお祈り申し上げます」としています。

また、山東参議院議長は、「皇嗣殿下は、数々の御公務を通じ、親しく国民に接し広く敬愛を集められるとともに、諸外国との間において我が国との絆を深めてこられました。この度の御宣明に当たり、より一層、内外の信望にこたえられますよう祈ってやみません」としています。

8日は、午前中、皇居・宮殿で、秋篠宮さまが「皇嗣」となられたことを天皇陛下が広く内外に宣言される「立皇嗣宣明の儀」が行われました。

続いて、天皇陛下が、歴代の皇太子に伝わる「壺切御剣(つぼきりぎょけん)」と呼ばれる守り刀を秋篠宮さまに授けられる行事が行われました。

このあと秋篠宮さまは、「壺切御剣」を携えて、2頭びきの馬車で宮殿を出発し、宮中三殿に向かわれました。
この馬車が使われたのは、平成3年の天皇陛下の「立太子の礼」の時以来およそ30年ぶりです。

秋篠宮さまは、紀子さまとともに宮中三殿皇嗣となったことなどを伝える儀式に臨み、皇嗣として初めて3つの殿舎にあがって拝礼されました。

秋篠宮ご夫妻は、これまで宮中祭祀では、殿舎の前で拝礼してきましたが、今後は、殿舎にあがって拝礼されるということです。

三重県伊勢神宮の内宮では、天皇陛下からつかわされた使者のほか、天皇陛下の妹で、伊勢神宮の主な祭りをつかさどる「祭主」を務める黒田清子さんや、神職などが列を組んで境内を進みました。

隊列には、天皇陛下からの供え物が入れられた箱のほか、「立皇嗣の礼」を行うことを日本古来のことばで記した「御祭文(ごさいもん)」が授けられていて、隊列は正殿へと向かいました。

伊勢神宮によりますと、このあと天皇陛下の使者が「御祭文」を読み上げるなどしたということです。

一方、秋篠宮ご夫妻が三重県伊勢神宮などに参拝し、「立皇嗣の礼」が終わったことを伝えられる行事については、新型コロナウイルスの影響で、当分の間延期されることになっています。

「奉告祭」は「三種の神器」のひとつ、草薙の剣がまつられ、皇室とのゆかりが深い、名古屋市熱田区にある熱田神宮の本宮でも行われました。

神事には宮司など神職11人が出席し、はじめに深く一礼をしたあと、魚や野菜などの食べ物や酒を神前に供えました。

そして、宮司秋篠宮さまが皇嗣になられたことを報告するとともに、皇室の繁栄や、国民の平安を祈る祝詞をあげ、もう1度、深く一礼をして玉串をささげました。

熱田神宮の本宮のまわりを訪れた人たちは、おごそかな雰囲気の中行われた貴重な神事の様子を見守り、カメラやスマートフォンで撮影していました。

熱田神宮の圓藤能久 宮掌は、「皇室のますますの繁栄と国民の皆様の平安を熱田の神様に祈念しました」と話していました。

8日は、午前11時すぎから皇居・宮殿の「松の間」で、「立皇嗣の礼」の中心となる「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」が行われました。

儀式には、天皇皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻のほか、9人の皇族方が参列され、内閣総理大臣など三権の長や外国の大使の代表など46人も正装で臨みました。

はじめに天皇陛下が、「皇室典範の定めるところにより文仁親王皇嗣であることを、広く内外に宣明します」とおことばを述べられました。

続いて、秋篠宮さまが、紀子さまとともに天皇陛下の前に進み、「皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます」と決意表明にあたるおことばを述べられました。
このあと、菅総理大臣が「寿詞(よごと)」と呼ばれるお祝いのことばを述べました。

そして、午後4時半すぎから「朝見の儀」が行われ、秋篠宮さまが紀子さまとともに天皇陛下の前に進み、「本日は、立皇嗣宣明の儀をあげていただき、誠に畏れ入りました。皇嗣としての務めを果たすべく、これからも、力を尽くしてまいりたく存じます」とお礼のことばを述べられました。

続いて、天皇陛下秋篠宮ご夫妻に「これまでに培ってきたものを十分にいかし、国民の期待に応え、皇嗣としての務めを立派に果たしていかれるよう願っています」とおことばを贈られました。

このあと、天皇皇后両陛下が、秋篠宮さま、紀子さまの順に、それぞれさかずきを授けられるなどして儀式が終わりました。

これで、去年4月の「退位礼正殿の儀」から始まった上皇さまから天皇陛下への皇位継承に伴う一連の国の儀式がすべて終わりました。

秋篠宮ご夫妻は、儀式を終えると宮殿の車寄せから車に乗り込み、「立皇嗣の礼」の終了を報告するため、東京・港区にある上皇ご夫妻の仮住まい先に向かわれました。

皇居の乾門前の沿道には、20人余りの人たちが待ち構えていて、秋篠宮ご夫妻は、窓を開け会釈をするなどしてこたえられていました。

天皇皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻は、8日、「立皇嗣の礼」の2つの儀式のほか、関連する皇室の行事などにも臨まれました。

天皇陛下は、午前中、皇居の宮中三殿で皇室の祖先や神々に「立皇嗣の礼」を行うことを伝える儀式に臨まれ、皇后さまもあとに続かれました。

そして、皇居・宮殿で、「立皇嗣の礼」の中心的な儀式、「立皇嗣宣明の儀」が終わると、天皇陛下が、歴代の皇太子に伝わる「壺切御剣(つぼきりぎょけん)」と呼ばれる守り刀を秋篠宮さまに授けられました。

このあと秋篠宮さまは、「壺切御剣」を携えて、2頭びきの馬車で宮殿を出発し、宮中三殿に向かわれました。
この馬車が使われたのは、平成3年の天皇陛下の「立太子の礼」の時以来、およそ30年ぶりです。

秋篠宮さまは、紀子さまとともに、宮中三殿皇嗣となったことなどを伝える儀式に臨み、皇嗣として初めて3つの殿舎にあがって拝礼されました。

一方、秋篠宮ご夫妻が三重県伊勢神宮などに参拝される行事については、新型コロナウイルスの影響で、当分の間、延期されることになっていて、これらの行事も終わると皇位継承に伴う一連の儀式や行事がすべて終わることになります。

8日の「立皇嗣の礼」で、上皇さまから天皇陛下への皇位継承に伴う一連の国の儀式がすべて終わりました。

上皇さまの退位に向けた政府の有識者会議で座長代理を務めた東京大学名誉教授の御厨貴さんは、「これでようやく新しい皇室の体制ができあがったと言ってよく、感慨に堪えない」と述べました。

そのうえで今後の皇位継承について国民的な議論をしていくべきだと指摘します。

現在の皇室で皇位継承資格があるのは、秋篠宮さまのほかには秋篠宮ご夫妻の長男の悠仁さまと上皇さまの弟の常陸宮さまに限られています。

御厨さんは、「ようやく皇室の1つの動きが終わり、新しい皇室をどうしていったらいいのか、ここで議論を始めなければいけない。先延ばしをするとますます皇位継承者が減っていくことになり、先延ばしにすることは避けたい」と訴えます。
そして、「丁寧にみんなに知らせ、天皇と皇室というのは今後どうあるべきなのかということを、皆でしっかりと、しかし、ゆっくりと考えるということが必要なのではないでしょうか」と述べました。

秋篠宮さまは、「立皇嗣の礼」が終わったことについて、8日夜、文書で感想をあらわし、「立皇嗣宣明の儀をはじめとする本日一日の儀式が滞りなく終わりましたことを、ありがたく思っております。
現下のCOVID-19の影響をはじめ、様々な状況にある人々や社会に思いを致しつつ、これからも、皇嗣としての務めを果たしてまいりたいと思います」と述べられました。

秋篠宮ご夫妻は、10日、皇居・宮殿で、天皇皇后両陛下や皇族方などから、「立皇嗣の礼」が終わったことについてお祝いを受ける行事に臨まれます。

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