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イギリスとEUは、イギリスがことし1月にEUを離脱したあと社会の急激な変化を避けるための移行期間に入り、自由貿易協定などの交渉を続けていますが、漁業権や企業への補助金などをめぐる立場の隔たりから難航しています。

ジョンソン首相は今月11日、地元メディアに対し、「可能なら合意したいがわれわれの求めをEU側が理解するかどうかだ。どんな結果になろうとも準備はできている」とこれまでの立場を繰り返しました。

一方、EU側も、合意が望ましいとしながらもイギリスに譲歩を強く求めていて、交渉が妥結する兆しは今のところ見えていません。

移行期間は年末までですが、議会での承認手続きなども必要なことから、実質的な交渉期限は来週19日に予定されている、臨時のEU首脳会議の前だとみられています。

新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、ヨーロッパの経済への影響が深刻になる中、自由貿易協定が締結できなければさらなる打撃となるだけに合意に向けて大詰めの交渉が続くことになります。

イギリスにはおよそ1000社の日本企業が進出していて、移行期間の終了まで1か月半となった今も自由貿易協定の行方が見えない状況に危機感が一段と強まっています。

ロンドン近郊で半世紀にわたって操業する日本の火災報知器のメーカーは、イギリスを拠点にヨーロッパ全体でビジネスを展開しています。

EU向けは全体の6割を占めていて、自由貿易協定がないまま移行期間が終了すれば、火災報知器には最大で7%の関税がかかることになります。

EUの顧客にとっては価格が上がることになり、最悪の場合、取引先を失うリスクを抱えているといいます。

門倉良昭社長は「離脱の際と同様に、今回の移行期間終了に向けてもなかなか将来が決まらないことがもどかしい。どんな対策をとればいいのかが決められず、ひたすら待つしかない。とにかく、早く確定してもらいたい」と話しています。

自動車業界も同様です。

イギリスでは日産自動車トヨタ自動車、それにホンダが自動車を生産し、EUの各国に輸出していますが、協定なしでは来年1月から乗用車には10%の関税がかかることになります。

このため、日本メーカー各社も加盟するイギリスの自動車工業会は、EUで販売する車の価格が上がって販売の落ち込みに直面すると訴え、イギリス政府に協定の締結で合意するよう、繰り返し求めています。

イギリスメディアは13日、ジョンソン首相の側近のカミングス上級顧問が辞任することになったと一斉に伝え、この日の夜、カミングス氏は、荷物をまとめて首相官邸をあとにしました。

今週半ばには、カミングス氏に近い別の政権幹部も辞任を表明していて、イギリスメディアは、政権の内紛が激化した結果だとしています。

カミングス氏は、イギリスのEU離脱をめぐる国民投票で離脱派の戦略立案を担い、ジョンソン政権でも重要な役割を果たしました。

しかし、官僚組織や議員を軽視するような独善的な言動に不満を持つ人も多く、最近では、ジョンソン首相とぎくしゃくした関係になっていると伝えられるようになっていました。

EUに対し強硬な立場のカミングス氏の辞任によって、難航しているEUとの自由貿易協定などの交渉で、イギリス側がその姿勢を軟化させるのではないかという臆測も出ているほか、今後の政権運営に大きく影響するという見方が強まっています。

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