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韓国の首都ソウルでは8日、貿易に関する催しが開かれ、ムン・ジェイン大統領が演説しました。

この中でムン大統領は「新型コロナウイルスから回復する世界市場を先取りしようと、すべての国がしれつな競争をする」と述べ、韓国として輸出拡大の取り組みを重視する考えを強調しました。

そのうえでムン大統領は、TPPへの参加について「引き続き検討していく」と述べました。

韓国は以前からTPPへの参加を検討してきましたが、複数の韓国メディアによりますと、ムン大統領がこうした言及をするのは初めてだということです。

韓国は先月、東アジアを中心に15か国が参加するRCEP=地域的な包括的経済連携にも合意していて、貿易をめぐる米中の対立などの影響を抑えるためにも、多国間の枠組みへの参加を検討していくとみられます。

TPPをめぐっては、中国の習近平国家主席も先月、参加に意欲を示していて、今後これらの国の間で具体的な動きにつながっていくかが焦点になります。

加藤官房長官は、記者会見で「TPP11は、ハイスタンダードでバランスのとれた21世紀型のルールを世界に広めていこうという意義を有しており、こうした観点からも、さまざまなエコノミーによる関心の表明は歓迎したい。一方、TPP11は、市場アクセスの面でもルールの面でも、高いレベルの内容となっておりレベルを満たす用意ができているかどうかについてはしっかりと見極める必要がある」と述べました。

外務省の幹部は「TPPの高いレベルの協定内容を満たす国と地域は歓迎する。韓国側から参加への正式な表明は今の段階ではなく公式に申請してから手続きが始まる」と話しています。

そのうえで「韓国は、東京電力福島第一原発の事故の後、日本産の一部の食品の輸入の規制を続けているほか、日本が半導体の原材料などの輸出管理を厳しくした措置をめぐりWTO世界貿易機関に提訴している。日本としてはそういう問題を先に対応することが望ましい」と話しています。

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