https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

習近平国家主席は去年9月の国連総会で、中国がワクチン開発に成功した場合、「世界の公共財にする」と述べ、自力での調達が困難な途上国に優先的にワクチンを提供する意向を示していました。

王毅外相は、今月4日から9日にかけて、アフリカ5か国を訪問し、ワクチン提供に向けた協力を約束し、このうちインド洋の島国セーシェルでは、10日から中国国有の製薬会社「シノファーム」が開発したワクチンの接種が始まりました。

さらに、今月11日から16日まで東南アジア4か国を訪問し、このうちミャンマーでは、アウン・サン・スー・チー国家顧問らとの一連の会談の中で、ワクチン30万回分の無償提供を表明しました。

また、中国製ワクチンの大規模な接種開始のタイミングに合わせて訪問したインドネシアでは、ルトノ外相との会談後の記者会見で「中国はワクチンの国内需要が急増する中でも、最も早い段階でインドネシアの友人にワクチンを提供した」と述べたうえで、ワクチンの研究開発と調達に継続的に協力する意向を示しました。

こうしたワクチンをめぐる協力の一方で、中国は相手国に対して、みずからが掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」への協力や、「核心的利益」と位置づける台湾などの問題で中国の立場への支持を求めるなど、政治的な思惑もかいま見えます。

また、アメリカのバイデン次期政権が発足する前に東南アジア各国に接近し、アメリカが関与を強める南シナ海問題をめぐる対立をやわらげたいねらいもあるとみられます。

一方、中国国営の新華社通信は、評論で「中国が新型コロナウイルスの協力を進めるうえでは、いかなる地政学的な目標や経済的利益の計算もない」として「ワクチン外交」という指摘は「雑音だ」と反論しています。

東南アジア各国では中国の製薬会社のワクチンを調達する動きが進んでいます。

各国政府の発表によりますと、▽タイは「シノバック」が開発するワクチン200万回分をことし4月までに調達し、最初の20万回分は来月中に到着し、医療従事者らへの接種を始める予定です。

ラオスは「シノファーム」が開発するワクチン2000回分をすでに調達し、医療従事者らが接種を受けてこれまでに副反応はなかったと発表しています。

ミャンマーは、中国の王毅外相が今週訪問した際に、中国製のワクチン30万回分を無償で提供するという申し出を受けています。

カンボジアは、中国政府から中国製のワクチン100万回分を調達することになったと発表しています。

このほか、▽すべての住民にワクチンを行き渡らせる方針を示しているシンガポールも「シノバック」のワクチンを調達対象としてすでに契約を結んでいて、▽マレーシアは「シノバック」に加えて「カンシノ・バイオロジクス」のワクチンを調達しようと協議を進めています。

さらに▽ベトナムやフィリピンも調達方針を示すなど、東南アジアではほぼすべての国が中国の製薬会社のワクチンを調達したり、調達に向けた動きを進めたりしています。

背景には、財源不足などから、欧米製のワクチンだけでは十分な量を確保することができない国が多いことや、中国が対外的な影響力の拡大を図る、いわゆる「ワクチン外交」によって積極的に提供を進めていることもあります。

インドネシアはこれまでに確保したワクチンのうち半分以上が中国の製薬会社「シノバック」が開発するワクチンです。

その理由についてインドネシアの保健省は、いちばん最初に早い段階での出荷を約束したことや、比較的温度管理がしやすいことなどを挙げています。

シノバックのワクチンは中国ではまだ正式に承認されていませんが、緊急投与が行われています。

インドネシアで行われてきたシノバックの臨床試験では、これまでに65.3%の有効性が確認されたとして、インドネシア政府は緊急使用を許可し、今月13日にジョコ大統領が初めて接種を受けたのに続き、医療従事者らを優先して大規模接種が始まっています。

一方、先月、国内の調査会社が1200人余りを対象に行った意識調査では、新型コロナウイルスのワクチン全般について、「接種する」と答えた人は37%にとどまっています。

このうち、シノバックのワクチンについて、首都ジャカルタでは、接種したいという声の一方で、安全性などに対する疑問の声も聞かれました。

このうち、30歳の女性は「副反応が少し心配で怖い」と話していました。

また、30歳の男性は「中国でもあまり接種されていないようなので、どんな影響が出るかわからない。シノバックならあえて接種を受けようと思わないが、ほかのワクチンなら受けるかもしれない」と話していました。

中国の情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は、中国の「ワクチン外交」の背景には、新型コロナウイルスの初期対応をめぐって悪化している中国のイメージを改善したいねらいがあると指摘しています。

興梠教授は「『新型コロナウイルスが世界中に広がったのは、中国が初期段階でWHOに適切に報告しなかったからだ』と中国の責任を追及する声が各国から上がっている。これをなんとかしようと、ワクチン外交を通じて外交的なイメージの悪化を改善する目的があるとみられる」としています。

また、ワクチンの提供を進めることで、南シナ海などの問題をめぐり中国側に有利になると考えている面もあると分析し「ASEANと中国の間では南シナ海における行動規範が定まっていない。今後、中国にとって有利な形にもっていくために、ワクチンの提供を機に各国との関係を改善しようというねらいがある。南シナ海の問題をめぐって中国に対し強く主張できなくなるという計算が働いている」としています。

さらに、アメリカをけん制するねらいもあると指摘し「バイデン政権はトランプ政権よりも同盟国との関係を強化する姿勢を見せていて、中国はそれを警戒している。アメリカが落ち着かないうちにいわば“アメリカ包囲網”として東南アジアの国々との関係を作ってしまい、アメリカをけん制するねらいがあるとみられる」としています。

中国では、新型コロナウイルスの感染が疑われる人を当局が徹底的に洗い出して厳しい対策を講じ、ほかの国に先駆けて感染拡大を抑え込んだなどと宣伝していました。

しかし14日には去年5月以来となる新たな死者の確認が発表されるなど、今月に入り再び感染拡大の兆しが出ています。

中国では今月に入って首都、北京に隣接する河北省を中心に感染が広がっていて、中国全土で4日連続で感染者が100人を超えました。

中国の保健当局、国家衛生健康委員会によりますと、症状のある感染者は中国全土で15日、新たに130人確認され、このうち90人が首都北京に隣接する河北省で確認されたということです。

河北省では今月に入って中心都市の石家荘を中心に感染が広がり、石家荘では無症状の人も含めて900人を超える感染が確認されています。

地元当局は、およそ1000万人の全市民を対象に2回のPCR検査を行うとともに自宅にとどまり、外出しないよう指示しています。

このほか、東北部の黒竜江省でも今月に入って100人を超える感染が確認されています。

中国政府は、帰省のために大勢の人が移動する来月の旧正月春節」を前に、各地で感染が広がることに危機感を強めていて、ことしはできるだけ帰省しないよう呼びかけています。

セルビアでは16日、中国の製薬会社シノファームが開発した新型コロナウイルスのワクチンを積んだチャーター機が首都ベオグラードの空港に到着しました。

ワクチンは100万回分だということで、空港にはブチッチ大統領がみずから出迎え「習近平国家主席と中国指導部に感謝する」と歓迎しました。

セルビアでは、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンや、ロシアのワクチン「スプートニクV」の接種が始まっていて、当局がシノファームの使用を許可すれば、早ければ17日にも接種が始まる見通しだということです。

セルビアは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」や、マスクなどの大量の医療物資を輸出した「マスク外交」などを通じて中国と関係が深く、ブチッチ大統領は「ヨーロッパで最初に中国のワクチンの供給を受けた国となった」としています。

ヨーロッパでは、中国と経済的な関係が深いハンガリーでも、シノファームのワクチンを調達する調整が進められています。

#バルカン半島

#反中国#対中露戦#習近平伏魔殿体制=旧体制

d1021.hatenadiary.jp