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新たな法案は、ネット通販などインターネット上での取り引きが広がる一方、欠陥品や偽物の購入や、うその広告にだまされるなどの被害も起きていることから消費者保護を図るためものです。

法案では、インターネット上で取り引きの場を提供している「デジタルプラットフォーマーと呼ばれる企業に対して、消費者からの苦情に基づいて調査を行うことなどを努力義務としたほか、違法な商品の出品の削除などをが要請できること、また、被害にあった消費者が、商品の販売者の連絡先などの開示を求めることができるなどとなっています。

さらに、悪質な販売者への対応などを検討するための官民協議会を、新たに設置することも盛り込まれました。

新たな法案は28日の参議院本会議で採決が行われた結果、可決され成立しました。

新法は、公布から1年以内に施行される見通しで、企業が取り組むべき具体的な内容などを示した指針づくりも今後進められる予定です。

ネット通販など、インターネット上の取り引きが拡大する一方で、消費者が苦情やトラブルを訴えるケースは増えています。

経済産業省によりますと、ネット通販や旅行や飲食の予約、チケット販売などの国内の電子商取引の市場規模は、おととしの推計でおよそ19.4兆円に上り、この10年でおよそ2.5倍に増えています。

また、フリマサイトなど個人間での取り引きも急速に拡大していて、おととしの国内の市場規模は速報値で1.7兆円余りに上ると推定されています。

一方で、全国の消費生活センターなどに寄せられた電子商取引に関する相談は、去年は前の年から6万件ほど増加して29万件余りとここ10年で最も多くなっています。

相談の中には、ネットショップでマスクを購入したところ発送済みと画面に表示されたが1か月たっても商品が届かなかったケースや、偽物のブランド品が届いたのでショッピングモール運営者に相談したが、十分な対応がえられず、売り主にも連絡がつかなかったケースなどがあったということです。

ネット通販をめぐっては、このほかにも、安全性に問題がある掃除機用のバッテリーが大手通販サイトで販売され、充電中に発火して火事になったケースや、「フェイク広告」といった健康食品などのネット通販で安全性や効果についてウソや誇大な広告表示がなされたケースなど悪質な販売者などによるトラブルが相次いでいて、取り引きの場を提供している「デジタルプラットフォーマー」に対して調査の努力義務などを定めた新しい法律によって、どれだけ消費者の保護がはかられるのか、実効性のある運用が求められます。

インターネット上の取り引きに関する消費者問題などに詳しい板倉陽一郎弁護士は、新法の成立について「デジタルプラットフォームに出店している販売業者に対する規制はあったが、プラットフォーム企業自身への行政規制として法律の受け皿ができたことは重要だ」としています。

一方で「今回プラットフォーム企業に課せられたのはあくまで努力義務で、詐欺まがいの商品を扱う事業者が集まっているような悪質なプラットフォームに義務を果たしてもらう構造にはなっておらず、そうしたプラットフォームが増えれば、強制的な措置が必要になる。また、フリマアプリなどでも問題は起きているが、今回、消費者間の取り引きは対象にならなかった。引き続き検討していくべきだ」と話しています。

そのうえで、消費者に対して「取り組みを進めているプラットフォームをきちんと評価して利用することが大切で、被害のおそれがある場合には国に申し出ることができるので積極的に情報提供を行ってもらいたい」と話しています。

#法律