https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

公明党の山口代表は、憲法記念日にあわせてビデオメッセージを発表し、憲法改正をめぐり、制定された際に想定されなかった価値観を反映させる「加憲」で対応すべきだという考えを重ねて示しました。

この中で、山口代表は「憲法は、戦後の日本の国の形や、進むべき方向を形づくる大変重要な規範だ。国民主権基本的人権の尊重、恒久平和主義の3つの原理を高く評価し、今後も守っていきたい」と述べました。

そのうえで、憲法改正について「これまでの長い時間の中で新たに形成された憲法の価値にふさわしいものがあれば、それを確認したうえで憲法に加える『加憲』という考え方でこれからも進んでいく」と述べました。

一方、国民投票法の改正案については「投票の利便性を高めるため、公職選挙法に盛り込まれているものを国民投票法にも入れる内容で、大きな異論はないはずだ」と述べ、今の国会での成立を目指すべきだという考えを示しました。

憲法記念日の3日、日本国憲法は、施行から74年を迎えました。国会では、憲法改正国民投票で商業施設に投票所を設けることなどを柱とした国民投票法改正案の採決が大型連休明けに行われるかどうかが焦点となっています。

衆議院憲法審査会では、3年前の6月に自民・公明両党と日本維新の会などが提出した国民投票法の改正案の審議が行われています。

改正案は、憲法改正の是非を問う国民投票で商業施設に「共通投票所」を設けることなどが柱で、取り扱いをめぐって、自民党立憲民主党は、去年12月に今の国会で「何らかの結論」を得ることで合意しています。

自民党は、会期末を来月中旬に控え、今の国会で改正案を成立させるために、大型連休明け6日に採決したいとしています。

立憲民主党は、先週、国民投票の広告規制などについて「施行後3年をめどに法制上の措置を講じる」ことが改正案の付則に盛り込まれれば採決に応じる方針を決めました。

このため、与野党の調整が行われる見通しで、連休明けに採決が行われるかどうかが焦点となっています。

一方、参議院憲法審査会でも先月、およそ3年2か月ぶりに自由討議が行われました。

国会での憲法論議は、改憲を掲げた安倍政権から菅政権にかわって以降、活発になりつつありますが、秋までに行われる衆議院選挙に向けた各党の思惑も絡んで、今後どこまで深まるかは不透明な情勢です。

憲法記念日」にあたって、各党は声明などを発表しました。

自民党は「国民投票法改正案について今の国会で結論を得ることが立憲民主党との間で合意される一方、憲法審査会の議論でも野党から積極的な意見が出されるなど、憲法改正実現に向けた歩みは、着実に前進している。国会で活発な憲法議論を行い、国民に理解されるよう、全力を尽くす」としています。

立憲民主党は「感染拡大で社会が根底から揺らいでいる。感染防止に必要な権限は『公共の福祉』として憲法でも認められ、政府が的外れな対策しかできないのは、権限が限定されているからでも緊急事態条項が明記されていないからでもない。立憲主義憲法の基本理念を守り抜く」としています。

公明党は「憲法を高く評価し、その価値をさらに高める取り組みを展開する。国民投票法改正案は、公職選挙法で実現している投票環境の向上に合わせることが目的で、早期成立に努める」としています。

日本維新の会は「時代や国際情勢の変化に憲法が対応できていないことを国民は『コロナ禍』で実感している。教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置は、未来のために必要だ」としています。

共産党は「政治に求められているのは、憲法が保障する『幸福追求の権利』や『生存権』などを生かし、感染症対策で責任を果たすことだ。憲法の理念にそった社会の建設に全力をあげる」としています。

国民民主党は「憲法の理念を次世代に持続するため、足らざる点の補強が求められる。『データ基本権』の新設なども提起しており国際情勢の現実を踏まえ、未来志向の憲法を議論する」としています。

社民党は「憲法改正を求める声は少数で、全力をあげなければならないのは『コロナ禍』への対処だ。平和憲法の擁護と憲法を暮らしに生かす政治を実現する」としています。

れいわ新選組は「憲法25条も守られない現実を政治が作り、新型コロナもあって仕事や所得などが失われている。憲法が守られる政治・社会を作っていこう」としています。

NHK受信料を支払わない方法を教える党は「NHKの受信料契約が放送法で義務化されていることは、憲法と、憲法から導かれる『契約の自由』が尊重されていない証左だ」としています。

最高裁判所の大谷直人長官は、憲法記念日にあわせて記者会見を開きました。

この中で、同性婚夫婦別姓をめぐる裁判が全国各地で起こされていることについて、大谷長官は「個別の件については言及を控えたい」としたうえで、「国民の価値観や家族観の多様化にともなって、同性婚夫婦別姓を含め、家族をめぐる複雑困難な裁判や審判が増えている。裁判官は、新たな社会的な問題に対して、広い視野をもって対立する主張に耳を傾け、適切に判断することが求められている」と述べました。

そのうえで「裁判官は日々の仕事や生活などで主体的かつ自律的に見識を高めることが重要だ。裁判所としても研修の環境を整えていくべきだと考えている」と述べました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で憲法で保障されている国民の自由や権利が損なわれることがあったと思うかどうか聞いたところ
▽「思う」(12%)と
▽「どちらかといえば思う」(27%)は
合わせて38%でした。

一方
▽「どちらかといえば思わない」(30%)と
▽「思わない」(25%)は
合わせて55%でした。

憲法で保障されている国民の自由や権利が損なわれることがあったと「思う」と答えた人に最もあてはまる理由を聞いたところ
▽「最低限の生活を維持できない人がいたから」が31%と最も多く
▽「感染者などへの差別や偏見があったから」が20%、
▽「営業の自由が制限されたから」が18%、
▽「移動の自由が制限されたから」が17%、
▽「学校の休校などで教育を受ける機会が失われたから」が10%でした。

憲法学が専門の東京大学石川健治教授は「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためという十分な理由があり、さらに日本では強制的な手段がとられていないことから、憲法上の権利が制約されたと感じる人はそれほど多くなかったのだろう。ただ、4割の人が自由や権利が損なわれたと感じているのは深刻な状況だ」と話しています。

そのうえで「緊急事態というのは本来、一時的なものでなければならず、一時的だからこそ自由の制約は受け入れられる。これが常態化すると国民が自由が制約されることを当たり前だと感じるようになり、個人の尊厳が大切にされなくなるのではないかと危惧している。どのような理由があって自由を制約するのかについてそのつど、説明責任を果たすよう求めていく必要がある」と指摘しています。

d1021.hatenadiary.jp

#政界再編・二大政党制