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韓国ソウル近郊のキョンギ道のイ・ジェミョン知事は、1日朝、SNSで動画を公開し、来年3月の大統領選挙に与党「共に民主党」から立候補することを正式に表明しました。

この中でイ知事は、格差の拡大などで韓国社会は危機を迎えているとしたうえで「改革に集中し、人々の暮らしぶりを実感できる形で改善していく」と述べました。

また「誰でも最低限の豊かさを享受できる社会を作る」と強調し、国民に一定額を無条件で支給し、最低限の所得を保障するベーシックインカムの導入を訴えました。

また、外交・安全保障では「強力な国防力のもと、国益を中心に据えたバランス外交を通じて、平和共存と共同繁栄の新しい道を開く」と述べました。

「共に民主党」は、ことし9月上旬に公認候補を選出する予定で、党内の選挙にはイ知事を含め9人が立候補しています。

イ知事は、世論調査で次の大統領にふさわしい人物として与党内で最も人気を集めていますが、ムン・ジェイン大統領に近い主流派とは距離があり、党内の支持を固められるかが、かぎとなりそうです。

イ・ジェミョン氏は、南東部アンドン(安東)の出身で56歳。

貧しい家庭の出身で、子どものころは工場などで働きながら大学を目指しました。

大学を卒業後、人権派弁護士として活動し、2010年にソウル近郊のソンナム(城南)市長に当選しました。

また、前回の大統領選挙にも挑戦し、党内の選挙でムン・ジェイン大統領に敗れましたが、パク・クネ(朴槿恵)政権を痛烈に批判し、歯に衣着せぬ発言で「韓国のトランプ」とも呼ばれて注目を集めました。

2018年からは、キョンギ道の知事を務め、新型コロナウイルスへの対応では、国よりも先に支援金の支給に踏み切りました。

また、国民に一定額を無条件で支給し、最低限の所得を保障するベーシックインカムの導入を掲げるなど、大胆な行動力や、わかりやすいメッセージで支持を広げています。

また、若者の就職支援にも力を入れているほか、今回の立候補の表明にもユーチューブを使うなど、SNSでも積極的に情報を発信し、若い世代にも浸透を図っています。

一方、日本に対しては厳しい発言が目立っています。

東京オリンピックパラリンピック組織委員会の公式サイトの日本地図に韓国が領有権を主張する島根県竹島が記載されたことをめぐって「常識外れだ」と批判し「ボイコットを検討すべきだ」と主張しました。

韓国の世論調査機関「リアルメーター」が、先週、発表した調査結果では、次の大統領にふさわしい人物として、政界入りを表明したユン・ソギョル(尹錫悦)前検事総長に次ぐ22.8%となっていて、与党内では最も支持を集めています。

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