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森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられたあと自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)が職場に残した「赤木ファイル」を、国は先月、妻の雅子さんが起こした裁判で一部を黒塗りにしたうえで開示しました。

ファイルで、赤木さんは「森友学園を厚遇した事実はない」としたうえで、財務省に強く抗議したのに改ざんが続けられたため、その過程を記録したと記していました。

ただ、赤木さんが財務省に送ったメールへの返信などが含まれていなかったため、雅子さん側はすべてが開示されていない可能性があるとして、16日、大阪地方裁判所で行われた非公開の進行協議で、国に対して原本を裁判所に示すよう求めたということです。

これに対して国は、今後1週間程度でファイルの原本を加工せずにそのまま裁判所に提出すると回答し、裁判官が原本の内容を確認して、次回の協議で結果を説明することになったということです。

雅子さんは会見で「裁判を起こした1年以上前からファイルの開示を求めていました。原本があるならば、もっと早く開示してほしかったです」と話していました。

森友学園との国有地取り引きに関する交渉記録について4年前、神戸市の大学教授が行った情報公開請求に対し、国は「すでに廃棄した」という理由でほとんど開示しませんでした。

しかし、その後、財務省の佐川元理財局長の国会答弁に合わせて意図的に廃棄されたことや、職員が保管するなどして残っていた文書もあることが明らかになり、大学教授が国に賠償を求める訴えを起こしていました。

1審の大阪地方裁判所は去年「意図的に不開示にした違法な行為で、相当に悪質だ」と判断し、33万円の賠償を国に命じました。

教授側だけが控訴して行われた2審では、裁判所が文書を廃棄したいきさつなどを明らかにするよう求めたのに対し、国は「不明だ」と回答していました。

16日の2審の判決で大阪高等裁判所の石原稚也裁判長は、国の対応を厳しく批判した1審の判断を支持しました。

さらに国の文書管理について「実情は極めてずさんだ」と指摘しました。

ただ、教授側が求めた賠償額を増やすことまでは認めませんでした。

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