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労働省が6日発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比94万3000人増加した。前月の93万8000人に続く伸びとなり、サービス業の労働需要が高まる中、米経済が力強い勢いを保ったまま下半期に入ったことが確認された。

市場予想は87万人増。ただ予想レンジは35万─160万人増と幅広かった。雇用者数は今年に入り430万人増加。しかし新型コロナウイルス禍前の2020年2月に付けたピークをなお570万人程度下回っている。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「強い繰越需要(ペントアップデマンド)が見られる中、労働集約型のサービス部門の雇用増が続いており、労働市場は健全な状態で第3・四半期に入った」と評価。ボストン・カレッジのブライアン・ベスーン教授は「景気回復の全体的なモメンタムが継続している」と述べた。

バイデン大統領は「就任以来400万を超える雇用の創出は歴史的なことであり、われわれの経済プランが効果を発揮していることの証しだ」とツイッターに投稿した。

学校が夏季休暇に入る7月は例年、教育関連の雇用が100万人程度減少するが、今年はパンデミック(世界的大流行)に伴う混乱が一段落したことでサマースクールに参加する学生が多く、政府がデータから季節的変動を取り除くために使用しているモデルに狂いが生じ、雇用者数の増加につながった可能性がある。

7月は政府部門の雇用者数が24万人増加。州・地方政府の教育関連が22万1000人増となった。雇用統計をまとめている労働省の労働統計局(BLS)は「教育分野におけるパンデミック関連の人員変動が通常の季節的な増員・解雇パターンを歪め、7月の雇用増に寄与している可能性が高い」とした。

業種別では、レジャー・サービス業部門が38万人増加し、全体の伸びの4割を占めた。レストラン・バーの雇用は25万3000人増加。また、専門職・企業サービス、運輸・倉庫、ヘルスケアなども増えた。製造業では2万7000人、建設業では1万1000人それぞれ増加した。

失業率は5.4%と、前月の5.9%から低下し、20年3月以来1年4カ月ぶりの低水準となった。生産活動に従事し得る年齢の人口に占める働く意志を表明している人の割合、いわゆる労働参加率は61.7%。6月は61.6%だった。

ただ、失業率は新型コロナウイルス禍で発生した「雇用されているが休職中」の人の扱いがかく乱要因となっており、こうした要因を除いた場合の失業率は5.7%となった。

<賃金も上昇>

アバディーン・スタンダード・インベストメンツのチーフエコノミスト代理、ジェームズ・マカン氏は「今後2─3カ月で(労働市場の)力強い数値が発表されれば、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)に関する事前発表にゴーサインが出る可能性は高い」との見方を示す。

また、ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクワドロス氏は「米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長にとって今回の統計が(今月下旬の)ジャクソンホール会議の前に確認できる最後の雇用統計だった」とした上で、「パウエル氏は9月のテーパリング発表も視野に下準備を進めていると想像せざるを得ず、年末までにテーパリングが開始される可能性が引き続き高まっている」と分析した。

一方、新型コロナ変異株「デルタ」による感染拡大がリスクだ。人口の約半数がワクチン接種を完了しているため経済活動への大きな影響はないとみられているが、感染が拡大すれば雇用の妨げになる可能性がある。

求人件数が920万件程度と記録的な水準に達する中、雇用者は労働者を確保するために賃上げを続けている。7月の時間当たり平均賃金の伸びは前月比で0.4%。低賃金の業界がけん引し、6月と同水準の伸びだった。前年同月比の伸びは4.0%と6月の3.7%から加速した。

労働者不足は学校が再開する秋には緩和すると見込まれているが、一部のエコノミストは楽観視していない。高い技術を必要としない求人が多い一方、そのような求人に応募する人が少ないためだ。

エムシ・バーニング・グラスの労働市場担当シニアエコノミスト、ロン・へトリック氏は「求人の約3分の2が大学の学位を必要としない仕事であることが現在抱えている最大の問題の一つだ」と指摘。「大学の学位を必要としない求人は約600万件あるが、大学の学位を持たない失業者は340万人しかいない」と述べた。

<労働参加率は小幅上昇>

生産活動に従事し得る年齢の人口に占める働く意志を表明している人の割合、いわゆる労働参加率は61.7%と、6月の61.6%から小幅上昇。人口に占める雇用者の比率も58.4%と、6月の58%から上昇した。

長期失業者の数は前月の400万人から340万人に減少。長期失業者が失業者全体に占める割合は約4割に上る。失業期間は6月の19.8週間から15.2週間に縮小した。

恒久的に仕事を失った人の数も改善。今年の経済成長率は7%前後と、1984年以来の高い伸びが予想されており、さらなる回復が期待される。

アメリ労働省が6日発表した先月の雇用統計によりますと、農業分野以外の就業者は前の月と比べて94万3000人増えました。就業者の増加は7か月連続で、増加幅は市場の予想を上回りました。

業種別では、「接客・レジャー」が38万人の大幅な増加となり、ワクチンの普及などによる飲食や旅行需要の回復を受け、雇用の拡大が加速しました。また、失業率も5.4%と、0.5ポイント改善しました。

アメリカでは、6月以降半分以上の州が、労働者の働く意欲を低下させているとして、国の失業保険の上乗せ措置を相次いで打ち切っていて、これが雇用者の増加の一因になったという分析もあります。

金融市場では、FRB連邦準備制度理事会が雇用が明確に改善したと判断すれば、年内にも金融緩和策を転換させるという見方が出ていて、変異ウイルスのデルタ株の感染が拡大する中でも、雇用環境の順調な回復が続くかが今後の焦点になりそうです。

#経済統計

公的年金の積立金を運用しているGPIFは、ことし4月から6月の運用実績を発表し、期間中の積立金全体の収益は4兆9819億円の黒字で、収益率はプラス2.68%となりました。

市場運用分の収益は資産別では、外国株式が3兆9908億円、外国債券が8873億円、国内債券が2089億円となった一方、国内株式は1051億円のマイナスとなりました。

この結果、2001年度に市場での運用を始めてからの収益率はプラス3.70%で、累積の収益額は過去最大の100兆3182億円と、初めて100兆円を超えました。また、GPIFが運用する積立金の総額も、ことし6月末の時点で、過去最大の191兆6189億円となっています。

GPIFは「新型コロナウイルスのワクチン接種の拡大による経済活動の正常化への期待感に加え、主要国の緩和的な金融政策により外国株式市場が上昇したが、国内では、感染拡大への警戒感が続く中、国内株式市場は小幅に下落した」と分析しています。

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