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アフガニスタンでは、現地で20年近くにわたって軍事作戦を続けてきたアメリカ軍が今月末までの撤退を進める中、反政府武装勢力 タリバンは、国内のほぼすべての州都を支配下に置くとともに、首都カブールに進攻し、ガニ大統領が出国して政権は事実上、崩壊しました。

タリバンのナンバー・ツーのバラダル師は、ビデオ声明を出し、政府に対する勝利を宣言するとともに、「国民に奉仕し、人々の生活を良くするよう努める」と述べ、政権樹立への意欲を示しました。

一方、カブールでは、タリバンの戦闘員が住宅を訪問し、住民の職業を聞いているという情報もあり、タリバンが、アフガニスタン政府や外国政府への協力者を摘発しようとしているのではないかという見方も出ています。

こうした中、タリバンのシャヒーン報道官は、日本時間のきょう正午すぎ、ツイッターに声明を出し「住宅に許可なく侵入してはならないと改めて指示した。人々の生命や財産、名誉は侵害されることはなく、タリバンの戦闘員によって守られる」と強調しました。
タリバンをめぐっては、かつてのように、イスラム教を厳しく解釈した政権運営を進め、女性や少数派の人権が侵害されるのではないかという国際社会の懸念も根強く、アメリカも15日、日本など60か国あまりと共同声明を発表し、政権の樹立にあたって、アフガニスタンの人たちの生活や権利を守るよう求めています。

タリバンとしては、国民の生命や財産を守る姿勢を強調することで、政権の円滑な樹立に向けて国際社会の懸念を払拭したい思惑があると見られます。

中国外務省の華春瑩報道官は16日の記者会見でタリバンと各党派や民族が団結して、広範で包括的な政治の枠組みを確立し、アフガニスタンの永続的な平和の実現と基礎を築くことを期待する」と述べ、政権の円滑な樹立に期待を示しました。

そのうえで、アフガニスタンとの友好関係を継続的に発展させ、和平と再建のために建設的な役割を果たしていきたい」と述べ、アフガニスタンの復興に向けて協力する考えを表明しました。

中国は、新疆ウイグル自治区に隣接するアフガニスタンの情勢を注視してきました。

習近平国家主席は、先月16日、ガニ大統領と電話で会談し、アフガニスタンの平和的な復興を支援していく考えを伝えていました。

その一方で、王毅外相は、先月28日、タリバンのナンバーツー、バラダル師らを中国に迎えて会談し、アフガニスタンの和平や復興に向けたタリバンの役割を評価したうえで、「テロ組織との関係をはっきりと断つとともに、地域の安定と発展の妨げを取り除くことを望む」と述べ、協力を求めていました。

中国は、アフガニスタンの政権が事実上、崩壊したあと、イスラム過激派などと、隣接する新疆ウイグル自治区の独立を主張する勢力が連携して活動を活発化させることを警戒していて、国内に影響が及ばないか、神経をとがらせているものとみられます。

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アフガニスタンでは、20年前のアメリカ同時多発テロ事件を受けて軍事作戦を続けてきたアメリカ軍が今月末までの撤退を進める中、反政府武装勢力タリバンが攻勢を強め、15日、首都カブールに進攻し、ガニ大統領の出国によって、政権は事実上、崩壊しました。

一夜明けたカブールの中心部では、姿を消した治安部隊に代わり、武器を手にしたタリバンの戦闘員がパトロールや検問を行う姿が見られ、統制を強めています。

市内で飲食の屋台を営む男性は「人々が外出しないので、治安は悪化していないが、みんな戦々恐々としている。人々には90年代のタリバンの悪い記憶が刻まれている。国を離れたいが、金がないのでここにとどまるしかない」と話していました。

一方、カブールの国際空港には国外へ逃れようと16日も大勢の市民が押し寄せ、混乱のなかで複数の死者が伝えられるなど、緊迫した状況となっています。

タリバン「生命や財産、名誉は侵害されることはない」として市民に平静を呼びかけていますが、かつてのような厳格なイスラム法に基づく抑圧的な統治への不安と警戒が広がっています。

アフガニスタンの首都カブールにある国際空港では国外への脱出を試みているとみられる大勢の市民らが駐機場にまで押し寄せる事態になっていて、ロイター通信などは、混乱の中で複数の死者が出ていると伝えています。

16日、首都カブールの国際空港で撮影された映像では、大勢の市民らが駐機場に押し寄せ、機内に乗り込もうとボーディングブリッジによじ登る姿が確認できます。

さらに別の映像では、離陸しようと滑走路を移動するアメリカの軍用機の周りを多くの人が走り、中には機体にしがみつく人もいる様子が確認できます。

また、ロイター通信などは、アメリカ軍が市民を制止するために威嚇射撃を行ったと伝えています。

空港では、詳しい状況は分かっていないものの、混乱の中で複数の死者が出ていると伝えられています。

アメリカ国防総省のカービー報道官は16日午前、記者団の取材に対し、アフガニスタンの首都カブールの国際空港で武装した人物が相次いで現地のアメリカ軍の部隊に発砲しこれに応戦した結果、武装した人物2人が死亡したと明らかにしました。

死亡したのがタリバンの戦闘員かどうかは確認できていないとしています。

また国際空港では多くの人が滑走路に押し寄せていることから軍用機や民間機の離着陸を止めているとし、速やかに航空業務を再開できるよう安全確保に取り組んでいると説明しました。

一方、アメリカ兵1人が現地で負傷したとの情報があり、国防総省が確認を急いでいるとしています。

ウズベキスタン国防省は、国境を接するアフガニスタンの空軍機が15日にウズベキスタンの領空を侵犯しようとしたとして、機体を撃墜したとロシアの国営通信に明らかにしました。

機体はウズベキスタン南部に墜落し、乗員2人がけがをしたということです。

また16日には、アフガニスタンと国境を接するタジキスタン南西部の空港にアフガニスタンの兵士、あわせて100人以上を乗せた複数の航空機が着陸し、タジキスタン外務省は「SOSの信号を受信したため、空港への着陸を許可した」と説明しています。

反政府武装勢力タリバンが、首都カブールに進攻するなか、アフガニスタンからの脱出を図る人が相次いでいて、隣国のウズベキスタンタジキスタンに逃れようとした可能性があるとみられます。

イギリスのジョンソン首相は16日、フランスのマクロン大統領とアフガニスタンの現状をめぐって電話で会談し、G7=主要7か国の首脳による会議を近くオンラインで開催したいとの考えを示しました。

また、将来的にタリバン政権を承認するかどうかについては各国が一致して対応する必要性があるとあらためて強調しました。

フランスのマクロン大統領は16日夜、アフガニスタン情勢をめぐってテレビで演説しアフガニスタンを再びテロリストの巣くつにしてはならない。国連安全保障理事会は責任を持って一致団結した対応をすべきだ」と述べ、国際社会の一致した対応を呼びかけました。

また、シリア内戦で多くの難民や移民がヨーロッパに押し寄せたことを念頭にアフガニスタンの不安定化はヨーロッパへの移民の流入を招く危険性がある」と述べ、ドイツなどヨーロッパ各国と連携して、移民が通過する国々との協力体制など対応策を検討する方針を示しました。

アフガニスタンで政権が事実上、崩壊したことについて、隣国イランのライシ大統領は16日、「アメリカの軍事的な敗北だ」としたうえでアフガニスタンの平和や安全を実現する機会にしなければならない」と述べました。

また「イランは隣国としてアフガニスタンの安定のために努力する。あらゆる勢力に対し、合意を形成するよう求める」と述べて、アフガニスタン国内での対立の解消を求めました。

国連アフガニスタン支援団で、アフガニスタン政府とタリバンの和平交渉を支援した上智大学の東大作教授は、タリバンが次々と各州の州都を制圧し、急速に勢力を拡大していった状況について、「想定外に早かった」としたうえで、「農村部は2、3年前からタリバンが支配していた。地元の有力者とは、『次に軍事的に攻撃したら、自分たちの側についてほしい』という交渉ができていたのだろう」と指摘しました。

そして、「国民の間には、海外から毎年何兆円もの支援が入るにもかかわらず、生活がよくならないのは、政府がその支援を着服しているという不信感があった」として、汚職がまん延する政府への不信感も国民の間に根強かったと指摘しました。

また、旧タリバン政権下では女性の教育や就労が制限されたため、今後の政権運営に対しても懸念が出ていることについて、タリバンはこれまで、次に政権を取れば女性の就労などを認めると言い続けてきた。タリバン主導で樹立される新しい政権で、少数派や女性などが政府の要人に入るのかが大きな焦点になる」と述べ、タリバンがほかの勢力も含めた融和的な政権運営を行うよう、日本も含めた国際社会が粘り強く働きかけることが重要だと指摘しました。

タリバンが政権樹立への意欲を示す中、幹部の1人で文化政策を担当するサマンガニ氏はアフガニスタンの国営テレビのインタビューの中で「われわれは女性を犠牲者にするつもりはない。女性はイスラム法に基づいて、政府の組織に参加すべきだ」と述べ、新しい政権への移行にあたり、女性の登用に前向きとも受け止められる姿勢を示しました。

タリバンは、旧政権時代にイスラム教を厳しく解釈した政権運営を進めたことから、アフガニスタンの国民や国際社会からは、タリバンが再び政権の座につけば、女性の人権が侵害されるのではないかと懸念する声も出ています。

このため、今回の発言は、女性の政治的な権利を保護する姿勢を示すことで、こうした不安を払拭したい思惑があるとみられます。

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