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ヨーロッパでは6日、「オランダTTF」と呼ばれる天然ガスの指標価格が、一時1メガワットアワー当たり155ユーロまで値上がりし、過去最高値をつけました。

今月に入っておよそ70%という大幅な値上がりで、その後は、ロシアが供給を増やすとの観測から一転して急落するなど、価格が乱高下しました。

天然ガスの値上がりの背景には、▽経済活動の再開に伴う需要の高まりに加え、▽風力発電の発電量が伸びていないこと、それに、▽主要な調達先であるロシアからの供給が滞るという懸念が続いてきたことなどがあります。

価格の高騰は、電気料金やガス料金の値上がりを通じて市民生活に大きな影響を及ぼしていて、イタリアでは、政府が電気料金の一部を補助する方針を明らかにしています。

一方、イギリスでは仕入れ価格の高騰が中小のエネルギー供給業者の経営を圧迫し、破綻や撤退が相次いでいます。

エネルギー価格は、原油や石炭でも値上がりが目立っていて、世界的にコロナ禍からの景気回復の重荷になることが懸念されています。

ロシアのノワク副首相は6日、ロシアからドイツに天然ガスを運ぶ「ノルドストリーム2」の早期承認が高騰する欧州の天然ガス価格の沈静化につながるとの見方を示した。

欧州の天然ガス価格は、需給逼迫などの要因で過去最高値を記録。指標価格となる「オランダTTF」11月限は6日、1メガワット時当たり150ユーロ超と過去最高値を記録した。年初からは約8倍の値上がりとなっている。その後、114ユーロまで下げた。

ノワク氏はエネルギー関連の会議で、敷設工事を完了したノルドストリーム2を操業させるための欧州側の早期承認が、価格引き下げにつながると指摘した。

ノルドストリーム2はドイツ当局の承認を待っているが、数カ月先になる可能性がある。米国は欧州のロシアへのエネルギー依存度が高まるとして稼働に反対してきた。

ノワク氏は、ガスプロムが運営する電子販売プラットフォームを活用して供給を増やすことも価格引き下げにつながるとの見方も示した。

会議を主催したロシアのプーチン大統領は、提案されているガスの供給拡大に同意したものの、ただ、ロシア国内の需要をまず満たしてからになると説明した。

プーチン氏、価格高騰で反論>

プーチン氏は、欧州の天然ガス価格高騰について、欧州がロシアからのガス供給で長期契約を縮小し、スポット市場での調達を優先したことが失策だったと指摘した。

ロシアはこれまで欧州にとり信頼できるエネルギー供給国だと再度強調し、今年のロシアのガス輸出量はウクライナ経由での供給拡大などで過去最高に達するかもしれないとし、ロシアは市場安定に向け取り組む用意があると述べた。

また、ペスコフ大統領報道官は6日、「ロシアはガス市場での動向に全く関与していない」と主張し、天然ガス価格高騰の要因は、景気回復やエネルギー需給逼迫などとの見方を示した。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当)は5日、ロシアが主要天然ガス供給国としての立場を利用して欧州の天然ガス価格を引き上げていると一部加盟国が主張していることを受け、調査を行っていると明らかにした。

6日のニューヨーク株式市場は、取り引き開始直後からインフレの長期化がアメリカ経済に及ぼす影響への警戒感が広がり、売り注文が増えました。

このため、ダウ平均株価は一時、前日に比べて400ドルを超える値下がりとなりました。

その後、現地時間の午後になって、アメリカ議会で国債の発行を拡大するための対応がまとまるのではないかという見方が広がり、政府が債務不履行に陥ることへの警戒感が和らいだことを受けて、買い戻しの動きが強まりました。

終値は前日に比べて102ドル32セント高い3万4416ドル99セントと値上がりに転じました。

ダウ平均株価の値上がりは2営業日連続です。

市場関係者は「午後になって買い戻される展開となったものの、インフレの長期化への懸念は根強く、8日に発表が予定されている雇用統計の内容を見極めたいという投資家も多かった」と話しています。

打開なるか
マコネル米共和党上院院内総務は民主党に対し、短期の債務上限引き上げで合意する案を明らかにした。民主党側は提案受け入れを示唆している。マコネル氏の提案で合意すれば、債務上限問題を巡る民主・共和両党の対立はいったん落ち着くが、根本的な解決に至るわけではない。12月になるまで財務省がやり繰りするのに十分な額だけ上限を引き上げることになる。

支援の手
ロシアのプーチン大統領は、同国には世界のエネルギー市場の安定化を支援する用意があり、今年の欧州への天然ガス輸出量は過去最高を記録する可能性があると語った。一方で欧州連合(EU)は、エネルギー価格の高騰が域内の景気を損ねる恐れがあるとして警戒感を示し、エネルギー危機の対処に苦戦しているEU加盟国に対して新たな指針を打ち出すと表明した。

新プログラム
欧州中央銀行(ECB)は、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を来年終了する際に市場が混乱する事態を回避するため、新たな債券購入プログラムを検討している。事情に詳しい複数の当局者が明らかにした。匿名を条件に述べた同当局者によれば、新たなプログラムはPEPPに取って代わるとともに、従来の資産購入プログラム(APP)を補完する措置になる。

次はどこか
中国不動産業界では、ここ数週間に中国恒大集団の危機が一段と深まって以降で初のドル建て債デフォルトが起きた。緊張感の高まる中国不動産業界で次にトラブルを起こすのはどこか。社債保有者らは各発行体の元利払いの日程を精査している。投資家がまず注視しているのは、鑫苑置業のドル建て債2億2900万ドル(約255億円)相当の償還日である10月15日だ。格付け会社フィッチ・レーティングスは先月、鑫苑置業の格付けを1段階引き下げて「CCC」とした。

真のリスクは
米経済のインフレ懸念が高まる中、本当に危険なのは物価上昇と景気停滞の組み合わせかもしれないと、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツのグレッグ・ジェンセン共同最高投資責任者(CIO)が述べた。ジェンセン氏はバーチャル会議「ブルームバーグ・インベスト」で、「問題はスタグフレーションだ。これこそ真のリスクで、多くの資産ポートフォリオが著しく影響を受ける」と述べた。

巨額の負債を抱えて経営難に陥っている中国の恒大グループは、香港証券取引所での株式の取り引きが今月4日から停止され、6日も再開されませんでした。

地元メディアは、厳しい資金繰りを改善させるため傘下の不動産管理会社を売却する見込みだと伝えていて、会社側も「大型案件の発表を控えていることが取り引き停止の理由だ」としていますが、これまでのところ発表はありません。

このため、相次ぐ社債の利払いができるかなど、資金繰りへの懸念はぬぐえない状況です。

こうした中、同じく香港市場に上場する別の不動産会社「花様年グループ」が今月4日に期限を迎えた2億ドル余り、日本円で220億円余りの債務の支払いができなかったと発表し、大手格付け会社は、5日、債務の一部不履行にあたると認定しました。

中国では、不動産市場の過熱を抑えたい政府による規制強化を背景に恒大グループ以外でも不動産会社の経営状況が悪化し、動揺が続いていて、世界の金融市場で影響が警戒されています。

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