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ヨドバシカメラの2021年3月期の全社売上高は7,318億円。そのうちEC売上高は前年比60.3%増の2,221億円。EC売上高の構成比は30.3%に当たる(出典:月刊ネット販売)。

「新しいジャンルを扱い始めると、また別のジャンルの要望がだんだん増えてくる不思議な現象を実感しました。ヨドバシ・ドット・コムでもさまざまな商品が検索されていて、もう思い切って、お客様がたくさん検索してくれているものは、全部取り扱うようにしようと決めたのです」(藤沢社長)

売上は圧倒的に家電だが、利用点数では日用品のほうが高くなった。現在では、味噌、醤油はもちろん、飲料水や酒など、重たい商品の配送希望がとても多いそうだ。

在庫は回転が速いほどコストが下げられる。物の保管にもお金が掛かるからだ。運送する際の人件費も、移動に必要な燃料も、時間が短いほどコストは下がる。コストカットを重視するほど速く届ける取り組みが必要になり、速く届けられるからこそコストが抑えられて、送料無料が実現できるというわけだ。

「物流を他の会社さんにお願いすると、時間もお金も余計に掛かります。自社の物流センターで用意した商品が先方の営業所に行って、営業所から先方の仕分けセンターに行って、仕分けセンターからまた配送所に行って、そこからようやくお客様のところへ運ばれます。自社の物流センターから出荷できるのだから、それをそのままお客様のところへ届けたほうが速いのではないかと考えました。単純ですが、これがエクストリーム便をやろうとした最初の発想なのです」

現在、早いときは注文から30分で出荷まで漕ぎ着けることもあるという。今後、対象エリアを拡大し、もっと速く届けるために、物流センター、倉庫、配送センターなどの整備を急ピッチで進めている。新型コロナの影響で予定に遅れは出ているものの、一歩ずつ進めているので楽しみに待っていて欲しいとのことだ。

ヨドバシカメラでは、エクストリーム便の配達員のほぼすべてに社員か契約社員を起用している。

「お客様に商品をお届けするに当たり、速く届けるだけでなく、できるだけお客様のご都合に合わせて柔軟に配達したいと思っていました。いろいろな点で店頭の接客にできるだけ近付けたいと思ったのです。たとえば、玄関先で『ヨドバシカメラです』『お買い上げありがとうございます』『商品をお届けに上がりました』とやったら、お客様に喜んでもらえるのではないか。そういう単純な話から始まったのです」

「お客様が商品を受け取るとき、箱が潰れていたり汚れていたりしたら、がっかりして買い物の満足度が下がってしまいます。配送だからこそ、商品の受け渡しの段階に気を配る必要があるのです。当社では配達スタッフに、店員と同じ社員教育を施しています。店頭に立つのと同じ気持ちで、『自分が届けているのは荷物ではなく、お客様がお金を出して買ってくださった商品なのだ』という心構えで届けるよう言い聞かせています」

顧客が商品を受け取った時の顧客満足度を軽視しない姿勢は、数多くのトライアンドエラーによって改善し続けている。これまでの試行錯誤には、どのような例があったのだろうか。

「配達員の服装をスーツとネクタイにしたことがあります。玄関のドアをなかなか開けてもらえませんでした。ヨドバシカメラの配達員ではないと疑われたのです。そこで、店頭の制服姿での配達も試しました。これも開けてもらえませんでした」と藤沢社長。

世の中には配達員の振りをしてマンションの入り口から入る、迷惑な営業行為を行なう者もいるため、配達員は配達員らしい服装のほうが良いのだ。「試してみたから分かったことで、試さなかったら分からなかったことです」と、藤沢社長は笑う。

藤沢社長は「小物1品だけだとなんだか申し訳ないとおっしゃるお客様もいますが、遠慮なく利用してください」と言う。

面白いのは、「拡張検索」を備えている点。現在は、あるキーワードで検索する際、その中から別のキーワードを除いた検索結果を表示する「NOT検索」が利用できる。事前に検索設定ページから「利用する」にチェックを入れる必要があるが、ページはわかりやすい場所にあるので問題ない。

NOT検索は、除外したいキーワードの頭に「 -」(半角スペースと半角のハイフン)を付ける。「ワイン -フランス産 -ノンアルコール」とすれば、「ワイン」の文字列が含まれ、「フランス産」「ノンアルコール」の文字列は含まれない商品が表示される。

標準利用できるキーワード検索は「AND検索」と「OR検索」。AND検索は複数のキーワードをスペースでつなげて検索することで、それらのキーワードをすべて含む商品を検索できる。たとえば「ワイン 白」で検索すれば、商品名やメーカー名のどこかにこの2つが含まれる商品が表示される。

OR検索は複数のキーワードのいずれかを含む候補を表示するもので、2つ以上のキーワードを「|」(半角パイプライン)で挟んで検索する。「|」の前後にスペースは不要だ。「ワイン|ビール|日本酒」で検索すれば、この3つのいずれかが含まれる商品が表示される。

キーワード検索のほか、カテゴリ、メーカー名、価格帯、販売開始日などから絞り込める。また、見付けられないときは「お探しいたします」からリクエストも可能だ。