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韓国のムン・ジェイン大統領は、残る任期が4か月余りとなる中、3日、最後となる年頭のテレビ演説を行いました。

韓国では先月、新型コロナウイルスの1日当たりの感染者が初めて7000人台となるなど感染が再拡大していて、演説でムン大統領は「危機を完全に克服し、正常化する最初の年にする。感染防止を強固にすることで、日常の回復に向かうことができる」と述べ、対応に全力を尽くす姿勢を強調しました。

また、韓国でこれまでに1300人を超える感染者が確認された変異ウイルスのオミクロン株について「世界中で感染者が増えている。国内で主流となるのも時間の問題だ」と述べ、強い危機感を示しました。

さらに、ムン大統領が力を入れてきた北朝鮮との関係については「今は南北の意志と協力が何よりも重要な時だ。再び話し合い、協力すれば、国際社会も応えてくれるだろう。最後まで平和の道を模索し、次の政権も対話の努力を続けることを望む」と訴えました。

一方、日本との関係について、言及はありませんでした。

韓国では、ことし3月9日に大統領選挙が行われる予定で、選挙戦は、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン氏(李在明)と、最大野党「国民の力」のユン・ソギョル氏(尹錫悦)の事実上、2人の争いになる見通しです。

両候補は、年明けから精力的に支持を訴えていましたが、ユン氏の陣営は、3日、遊説などの選挙活動を一時中断すると発表しました。

選挙活動の中心となる陣営内の対策委員会を刷新するためだと説明していて、夕方には、委員会の主要な幹部が一斉に辞意を表明したことも明らかになりました。

ユン氏をめぐっては、党のイ・ジュンソク代表(李俊錫)が、ユン氏の側近と対立し、対策委員会を離脱するなど、足並みの乱れが露呈しているほか、ユン氏の妻が過去に経歴を詐称していたとして謝罪に追い込まれるなどしていて、各種の世論調査で支持率が下落傾向にあります。

3日発表された世論調査機関「リアルメーター」の調査でも、先月には45%にもなっていたユン氏の支持率は39%に下落し、イ氏に逆転されていて、ユン氏としては、選挙に向けた態勢を立て直し、巻き返しを図りたい考えです。

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