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バイデン米大統領は14日、連邦準備理事会(FRB)の銀行監督担当副議長にサラ・ブルーム・ラスキンFRB理事を指名した。また、エコノミストのリサ・クック氏とフィリップ・ジェファーソン氏をFRB理事に指名した。ホワイトハウスが正式発表した。

バイデン大統領は声明で「今、FRBには健全かつ独立したリーダーシップが必要だ。だからこそ、幅広い知識や経験、専門性をもたらすであろうラスキン氏、クック氏、ジェファーソン氏を指名できることを誇りに思う」と述べた。

クック、ジェファーソン両氏は黒人で、ラスキン、クック両氏は女性。上院で人事が承認されれば、FRBの108年の歴史上、人種と性別で最も多様性に富んだ首脳人事になる見通し。

ただ、上院銀行委員会の共和党トップからは早速、この人事案に反対する声が上がっており、指名プロセスは難航することも予想される。

ヘンリー・カウフマン氏は、1970年代の狂乱物価と現在の警戒すべき物価上昇について米ウォール街で権威を持って比較検証することができる数少ない1人だ。そのベテランが、パウエル連邦準備制度理事会FRB)議長率いる今の金融当局がインフレとの闘いで準備ができているとは全く信じられないと話す。

  カウフマン氏はかつて「ドクター・ドゥーム(悲観博士)」の異名で知られるソロモン・ブラザーズの著名チーフエコノミストだった。同氏は破壊的な物価高騰の到来を正確に予言し、当時のボルカーFRB議長が1979年10月のある週末に「サタデー・ナイト・スペシャル」と後に呼ばれる抜本的かつ想定外の引き締め策を打ち出した際には賛意を示した。

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  そんなカウフマン氏にとって、パウエル議長は故ボルカー氏とは程遠い存在に映る。

  「今の連邦準備制度とその首脳陣に断固たる態度で行動するスタミナがあるとは思えない。彼らは小出しの対応となるだろう」と、カウフマン氏(94)は電話インタビューで語った。

  その上で、「市場の態度をもっとインフレ的でないものにするには、ショックを与えなければならない。少しずつの利上げで済むというわけにはいかない」とコメントした。

  パウエル議長は11日の上院銀行委員会での指名承認公聴会で、当局の政策を正常に回帰させていく「道のりは遠い」と述べ、インフレ抑制でもっと積極的な措置が必要になることはないとの見解をした。

  パウエル議長は緩和策の縮小・解除の計画について、雇用情勢にマイナスの影響を及ぼすことはないだろうと述べており、失業率の急激な悪化を招くことになったボルカー議長時代の引き締めとは対照的だ。

  カウフマン氏はパウエル議長に助言するとすれば、まず短期金利を直ちに0.5ポイント引き上げるとともに、追加利上げの用意についても明確なシグナルを発し、「極めて厳しい」態度で臨むよう呼び掛けるだろうと指摘。物価のスパイラル的上昇を阻止するためあらゆる措置を講じるとのコミットメントを明文化する必要もあると述べた。

  「米金融当局が高インフレに取り組むのが長引けば、民間セクターではインフレ心理が一段と定着し、システムにさらなるショックを与えなければならないだろう」とカウフマン氏は語った。

  カウフマン氏の見解では、パウエル議長は2021年を通じて主に2つのミスを犯した。一つめはインフレの一因を新型コロナウイルス禍の「計測不可能」な直接的および間接的な影響に帰したことで、もう一つはそれを一過性と呼んだことだという。

  「一過性という表現を用いるのは危険だ。一過性と言った瞬間、多少のインフレは容認するつもりであることを意味する」とし、それは経済と金融の安定を維持して「適度かつインフレなき成長」を達成するという金融当局の役割を損ねることになるとカウフマン氏は論じた。

原題:

Kaufman, 1970s Wall Street Dr. Doom, Blasts Powell on Inflation(抜粋)

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 当時ソロモンは、マンハッタン島の最南端にあるビルに入っていたのですが、その41階が、ウォールストリートで、いや世界で有名なソロモンの債券部のトレーディングフロアでした。42階はなく、2階分吹き抜けになっている大きな空間は、荒々しさと知恵が併存し、常に何か大きなことが起きている、世界のマーケットの縮図であり、世界の金融機関のトップに君臨する、エキサイティングな空間でした。その喧噪のど真ん中に、仕切るものも何もなくグッドフレンドの机がデンと置いてあり、彼はいつも葉巻をくゆらしながら足を組んで横向きに座り、ニヤニヤしながら電話をしていました。その存在感は強烈でした。グッドフレンドの前に、彼に背中を見せる形でトム・ストラウス社長の席があり、その左右と前方に、大きなトレーディングフロアが拡がっていました。私はこの空間で約1年間研修を受けました。

 ジョン・グッドフレンド、ヘンリー・カウフマン、ポール・モーザー、そしてジョン・メリウェザー。そういった、ウォールストリートの伝説上のような人たちと同じ時と空間を共有し、学んだり、一緒に仕事出来たことを、私はとっても有り難く思っています。私の青春を賭けた場所であり、私の社会人人生の礎を作った場所でした。

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