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不動産政策 価格の上昇を食い止められず

ムン・ジェイン文在寅)政権の政策で最も批判を受けているのが、不動産政策です。ソウルのマンションの平均価格はムン政権の間に2倍近く上昇しました。

その要因の1つが、首都圏への人口の集中です。首都ソウル、国際空港のあるインチョン(仁川)、それにソウルを囲むように位置するキョンギ(京畿)道をあわせた首都圏の人口は、全人口の半数を超えています。大企業や有名大学も集中していることから、若い世代の流入はとどまるところを知りません。

これに対してムン政権は、不動産業者などの投機によって価格の急騰が起きたとして、融資の規制や増税などを行ってきました。これまで20回以上にわたって不動産対策が発表されてきましたが、価格の上昇を食い止めることはできていません。
また、対策のアピールが裏目に出たこともありました。

大統領府の幹部は2019年12月、「複数の住宅を保有する公職者はできるだけ早い時期に1軒だけの保有とすべきだ」と発言しました。ところがその半年後、一部の閣僚や政府高官が首都圏にマンションなどの不動産を複数保有し続けていたことが明らかになりました。

発言をした幹部自身も複数の住宅を保有していました。首都圏でのマンション購入は夢のまた夢という庶民からは、厳しい批判の声が上がりました。

所得格差の拡大への対処 都市と地方の格差も

所得格差の拡大も顕著になっています。

韓国の統計庁によりますと、去年8月現在で正社員と非正規労働者の賃金の格差は156万7000ウォン、日本円でおよそ15万円と、ムン政権が発足した2017年に比べて20%増え、最大となりました。

ムン大統領は、就任時の国民向けメッセージで、公正な社会や経済を目指すと宣言しましたが、格差はむしろ広がっているのです。

それは都市と地方の間でも深刻です。韓国のある新聞は、首都圏と地方の格差を、韓国と北朝鮮の分断に次ぐ「第2の分断」と表現しました。韓国国土研究院の調査によりますと、首都圏の総所得は地方の1.3倍となっていて、この20年間、ほとんど変化がないということです。

首都圏への人口流出によって山間部などは人口減少や少子高齢化が進んでいます。行政安全省は去年10月、こうした現象が特に深刻な全国の89の市や郡などを対象に財政支援を強化すると発表しました。

この中には、2018年に冬のオリンピックが開催されたピョンチャン(平昌)も含まれています。

若者の失業率

ムン大統領の誕生の要因に若者たちからの厚い支持があったと言われています。ところが各種世論調査を見ると、その若者たちの「ムン政権離れ」が進んでいます。

背景にあるのは、深刻な若者の失業率です。ムン政権発足以降10%近い状態が続いていました。去年は7.8%にまで改善しましたが、研究機関の韓国経済研究院は、若者たちが実感する失業率として算出される「体感失業率」は25%で、4人に1人は仕事がほとんどない状態ではないかとみています。

失業率の増加の要因の1つに、急激な最低賃金の引き上げがあります。ムン政権は、所得の増加による経済成長を目標に掲げてきました。最低賃金は、2017年以降、およそ42%と大幅に引き上げられました。しかし、中小企業では人件費の増加に対応できず雇用を維持するのが困難となり、その結果、失業率の増加につながったと言われています。

就職難に直面する若者たちの間では、安定した職業を望む傾向が強まっています。

特に公務員の人気が高く、韓国統計庁によりますと、去年5月の時点で、就職を準備している若者およそ86万人のうち、公務員を目指している人は32.4%に上りました。

初任給が166万ウォン、日本円でおよそ16万円の、最も等級が低い公務員の場合でも、去年の試験の倍率は27倍余りに達しました。

新型コロナ対応 経済活動との両立が大きな課題に

新型コロナウイルスの感染拡大に対し、韓国政府はPCR検査などを徹底することで封じ込めを図り、一定の効果があったとして内外で評価されました。

ワクチンについては、当初、欧米に比べて確保が遅れていると批判されましたが、接種は順調に進み、去年10月、接種率が70%を超えました。

これを受けて韓国政府は、日常生活の回復を目指すとして、去年11月から感染防止のための規制の段階的な緩和に乗り出しました。

飲食店の営業時間の制限がなくなったほか、カラオケ店や入浴施設などはいわゆる「ワクチンパスポート」で接種の完了を証明できる人などを対象に営業時間の制限が解除されました。

ところがその後、感染が拡大し、1日の感染者が一時7000人を超えたことから去年12月再び営業時間の制限をかけていて、感染を抑えることと経済活動の両立が大きな課題となっています。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が27日午前8時ごろ、東部のハムギョン(咸鏡)南道ハムン(咸興)周辺から日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体2発を発射したと明らかにし、アメリカ軍とともに詳しい分析を進めています。

北朝鮮は、ことしに入ってからミサイルの発射を極めて高い頻度で繰り返していて、5日と11日に飛しょう体を1発ずつ発射し、その翌日に「極超音速ミサイル」の発射実験を行ったと発表したほか、今月14日と17日に日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体を2発ずつ発射していました。

さらに、25日には、韓国軍の関係者が、巡航ミサイル2発を発射したとみられると明らかにし、これを含めると、今回の発射はことしに入って6回目となり、軍事力を強化する姿勢を鮮明にしています。

北朝鮮は、19日に開かれた朝鮮労働党の政治局会議で「アメリカ帝国主義との長期的な対決に徹底して準備しなければならない」とする方針を決定し、2018年に表明していたICBM大陸間弾道ミサイルの発射実験や核実験の中止について見直しを検討することを示唆していました。

一方、アメリカは、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって独自の追加制裁を発表するとともに、国連安全保障理事会北朝鮮に決議の順守を求める声明の取りまとめを提案していて、北朝鮮としては、こうしたアメリカ側の動きを強くけん制するねらいもあるとみられます。

岸田総理大臣は午前10時前、総理大臣官邸に入る際、記者団に対し「韓国の報道については承知している。ただ、政府としては引き続き情報収集に努めていく。今、確認できているのはそこまでだ」と述べました。

そのうえで「6度目となる発射だが、弾道ミサイルなどの発射が含まれているので、国連安保理決議違反であり、抗議もしたし、大変遺憾なことだ」と述べました。

また、記者団が「これまでのところ航空機や船舶に被害など何か情報入っているか」と質問したのに対し「少なくとも私のところにはそうした被害の報告は届いていない。それも含めて今、情報収集中であると認識している」と述べました。

政府関係者はNHKの取材に対し「北朝鮮から飛しょう体が発射されたという情報があり関係国と連携しながら情報の収集と分析に当たっているが、日本のEEZ排他的経済水域内への落下は確認されておらず日本の安全保障などに直ちに影響を及ぼす事態とはなっていない」と述べました。

防衛大臣は午前9時すぎ防衛省に入る際、記者団が「弾道ミサイルではないのか」と質問したのに対し「それも含めてこれから報告を受ける」と述べました。

防衛省は午前9時半ごろから幹部会議を開き、情報の収集や分析などを行うことにしています。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が27日午前8時ごろと8時5分ごろ、東部のハムギョン(咸鏡)南道ハムン(咸興)周辺から、北東の日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体2発を相次いで発射したと明らかにしました。

北朝鮮による発射はことしに入って6回目となります。

これについて、北朝鮮情勢に詳しい南山大学の平岩俊司教授は「来月は北京オリンピックがあり、その最中のミサイル発射実験は中国との関係を難しくする危険性がある。3月の韓国大統領選挙に近いタイミングで発射を繰り返せば、与党候補に不利に働くので、1月にできるだけ発射実験を行っているのだと思う」と述べ、中韓両国のイベントを前にして、今月中の発射を急いでいるという見方を示しました。

またキム・ジョンウン金正恩)総書記としては、来月16日の父 キム・ジョンイル金正日)氏の生誕80年や、4月15日の祖父 キム・イルソン(金日成)氏の生誕110年など重要な節目に向けて、みずからの業績だとする国防力の強化を進めたいという思いがあると分析しました。

そのうえで平岩教授は「国際社会に対して自分たちの軍事力をアピールすると同時に、経済的に厳しい状況を強いられている人民を鼓舞するねらいがあるとみられる」と述べ、北朝鮮が今後も発射を繰り返す可能性があると指摘しました。

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