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 ロシアの安全保障を巡る要求に北大西洋条約機構NATO)は冷笑と偽りで応え、我々の国境に迫っている。ウクライナ東部の紛争を平和的に解決するため、我々は可能な限りのことをしてきたが、全て無駄だった。即座にこの悪夢を止めなければならなかった。

 欧米は、冷戦に勝利した絶対的な優位性からくる陶酔に陥り、自らに有利な決定だけを推し進めてきた。その最大の例が、何の根拠もなく始められた2003年のイラク戦争だ。口実とされた大量破壊兵器は存在しなかった。

 NATOは(これまで)1インチも東に拡大しないと約束し、我々をだました。こうした行為は国際関係の原則のみならず、道徳にも反している。

 ロシアは世界で最強の核保有国の一つであり、我が国への攻撃が侵略者に悲惨な結果をもたらすことは疑いがない。

 我々の計画に、ウクライナの領土の占領は含まれていない。ウクライナの軍人に、即座に武器を置いて家に帰るよう呼びかける。流血の可能性に対する全ての責任は、ウクライナを支配する政権の良心にかかっている。

 正義と真実は我々の側にある。祖国に対する国民の愛が与えてくれる、無敵の力を信じている。

ロシアのプーチン大統領は24日、安全保障を巡る状況を変える政府の試みが全て無に帰したことを受け、ウクライナに対する特別軍事作戦を命じる以外選択肢はなかったという認識を示した。

プーチン大統領とはビジネスリーダーらとのテレビ会議で、ロシア政府は行動を余儀なくされたとし、制裁が発動されることも理解しているとし、「何らかの形で制裁への備えはできている」と語った。

ロシア大統領府は24日、プーチン大統領がフランスのマクロン大統領と電話会談し、ウクライナにおけるロシアの行動の理由を「徹底的」に説明したと明らかにした。

電話会談はマクロン大統領の提案によって行われ、両首脳は今後も連絡を取り合う方向で合意した。

仏大統領府によると、マクロン大統領はウクライナにおける軍事作戦を即時停止するようプーチン大統領に求め、「大規模な制裁に直面することになる」と警告した。

マクロン大統領はプーチン大統領との電話会談前、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話会談を行った。

ロシアによる軍事侵攻は24日、ウクライナの各地で始まり、ロシア国防省はこれまでに11の空港を含むウクライナ軍の83の地上施設を攻撃したと発表しました。

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は、あくまでも軍事施設を対象にした攻撃であり、民間人に対する脅威はないと主張しました。

一方、ウクライナ参謀本部によりますと、首都キエフの郊外にある軍事施設が巡航ミサイルの攻撃を受けたほか、ウクライナ軍の東部の拠点となっているクラマトルスクや、南部にある軍事施設など各地で攻撃が続いたということです。

ゼレンスキー大統領は国民に向けて演説し、一連の攻撃でこれまでにウクライナ人137人が死亡し、316人がけがをしていると明らかにしました。

また、ウクライナ大統領府の幹部は地元メディアに対して、国内にあるチェルノブイリ原子力発電所が激しい戦闘の末、ロシア軍の部隊に占拠されたとしています。

敷地内にある放射性廃棄物の貯蔵施設の状態は不明だということです。

さらに、ウクライナ東部の親ロシア派の幹部は、ウクライナ政府が統治する地域まで侵攻し、2つの州の全域を掌握したいとする考えを示しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻を強く非難したうえで、ロシアとの国交の断絶を表明しました。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は24日、国内の経済界との会合で「いま起きていることはすべて必死の手段だ。ほかに選択肢はなかった」と述べ、軍事侵攻を正当化しました。

ロシア軍は、欧米側の警告を無視してウクライナ各地で軍事侵攻に踏み切り、国際社会からの非難が強まっています。

ロイター通信は、ロシア軍が攻撃を行ったとされる、ウクライナ東部、ハリコフ州での複数の被害現場の様子を伝えています。

このうち、州都のハリコフにある建物の室内を映した映像では、部屋の屋根や壁が大きく崩れ、破片が床に散乱して足の踏み場もない状態になっています。

また、州内の別の都市のチュグエフにあるマンションは、壁一面の窓ガラスのほとんどが割れてなくなり、ベランダの部分がめちゃくちゃに壊れ、がれきが地面に散乱しています。

近くには、毛布にくるまって不安そうに電話をかける女性や、壊れたマンションの前で立ちすくむ人たちの姿もありました。

一方、親ロシア派が事実上支配している東部のドネツク州でも被害が出ていて、避難を余儀なくされる住民からは不安やとまどいの声が聞かれました。

住民の女性たちは「自分の家を離れなければならない。いったい何が起きているのか」とか「1人なのにどこに逃げればいいの」などと半ば叫ぶように話していました。

ウクライナ第2の都市、ハリコフでロイター通信が24日に撮影した映像では、多くの市民が薄暗い地下鉄の駅の構内で硬い床の上で隙間なく座ったり、身を寄せ合ったりしている様子が確認できます。

小さな子どもを連れて避難して来た人や床の上で横になって休む人の姿もみられます。

駅に避難してきた男性は「軍は私たちに地下鉄の駅に集まるよう呼びかけている。ロシア軍が怖い」と話していました。

海外メディアによりますと、首都のキエフでも地下鉄の駅が防空ごうとして使われ、大勢の人が集まった場所もあるということです。

ウクライナと国境を接するポーランドには車や列車などでウクライナの人々が逃れ始めています。

このうちポーランド南東部の町メディカにある国境では、24日、仕事などでの通常の往来に加え、ウクライナ側から歩いて国境を渡る人たちが目立ち、ベビーカーを押す母親や、スーツケースを引く家族の姿が見られました。

また、国境に近い都市、プシェミシルの駅では、予定より4時間ほど遅れてウクライナの首都キエフからの列車が到着しました。

ホームにはポーランド国境警備隊や警察が出動し、ものものしい雰囲気の中、乗客は足早に駅をあとにしていました。

ポーランド政府は、ウクライナから多くの避難民を受け入れる用意があるとしていて、国境近くのスポーツ施設には、避難所が設けられ、地元の消防隊員たちが、マットレスを運び込んで準備を進めていました。

ウクライナ大統領府の補佐官は24日の会見で、ロシア軍の侵攻開始以来、ウクライナ軍の兵士40人以上が死亡し、数十人が負傷したと発表しました。

現地メディアによりますと、補佐官は、被害は主に空爆やミサイル攻撃によるものだとしたうえで「一定の消耗はある」としながらも、人員、弾薬、戦闘能力のいずれにも深刻な影響は出ていないという見方を示しました。

また、ロイター通信は、地元当局の話として、黒海沿岸の港湾都市オデッサ周辺では、ミサイル攻撃によって市民など少なくとも18人が死亡したと伝えています。

さらに、ウクライナ警察の発表として24日にロシア側から203回にわたって攻撃を受け、領土のほぼ全域で戦闘が繰り広げられていると伝えています。

ウクライナのクレバ外相は「ロシアの侵攻は東部にとどまらず、多方面から全面的な攻撃を受けている。ウクライナは防衛を続ける」とSNSに投稿し、国内全土に戦闘が広がっているとしました。

また、ウクライナ参謀本部SNSで24日、ウクライナ軍が東部のルガンスク州でロシア軍の兵士およそ50人を殺害したとしました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻についてアメリカ国防総省の高官は24日「大規模な軍事侵攻の初期段階にある」と指摘し、首都キエフに侵攻し、ウクライナ政府を崩壊させることを意図しているという見方を示しました。

具体的には、ロシア軍は人口が集中する地域を奪取するため、ウクライナ北部と国境を接するベラルーシから首都キエフに向かうルートなど、主に3つのルートで前進しているとしています。

また、ロシア軍の最初の攻撃では短距離弾道ミサイルをはじめ、中距離弾道ミサイル巡航ミサイルなど推定で100発以上が発射されたほか、爆撃機などおよそ75機が使われたとしました。

これらの攻撃は弾薬庫や飛行場など軍事施設を主な標的としていて、民間人を含む死傷者の数は分からないとしています。

国防総省の高官は「ロシアは首都キエフに向かっていて、われわれの分析では彼らはウクライナ政府を崩壊させ、自分たちの統治方法を確立するつもりだと考えられる」と指摘しました。

この高官は、ウクライナに軍事支援などを続ける方法を探るとしましたが、ウクライナ国内にアメリカ軍の部隊を派遣することはないと重ねて強調しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、国民に向けて演説を行いました。

この中でゼレンスキー大統領は「私たちがいま耳にしているのは、ロケットの爆発音や戦闘の音、軍用機のごう音だけではない。新たな鉄のカーテンが下りてロシアを文明世界から切り離す音だ。このカーテンを私たちの国に下ろすのではなくロシア側にとどめなければならない」と述べ、東西冷戦時の「鉄のカーテン」という表現を用いてロシアを非難しました。

一方、多くのロシア市民も今回の侵攻に衝撃を受け、中にはSNSで反対を表明している人もいるとして、こうした人々にプーチン大統領に直接、訴えかけてほしいと呼びかけました。

そしてウクライナ国民に対しては「祖国防衛に協力し、軍や国境を守る部隊に参加してほしい。敵にさらなる侵攻を許すかどうかは私たちの対応にかかっている。献血などを行ってボランティアや医療関係者も助けてほしい」と述べ、国民に結束と協力を呼びかけました。

さらに世界の政治指導者に向け「自由世界を率いるあなたたちがいま私たちに手を差し伸べなければ、あすはあなたたちが戦禍に見舞われるだろう」と述べ、ウクライナへの支援を呼びかけました。

ロシアのプーチン大統領ウクライナへの軍事侵攻を開始したあとの24日、モスクワを訪問中のパキスタンのカーン首相と会談しました。
パキスタン首相府によりますと、この会談は、アフガニスタン人道支援などを話し合うためもともと予定されていたものだということです。
このなかで、カーン首相はウクライナの情勢について、遺憾の意を表し、外交によって軍事衝突を回避するよう望むとプーチン大統領に直接伝えたということですが、会談でのプーチン大統領の発言はこれまでのところ、伝えられていません。

また、インド政府によりますと、24日夜、モディ首相とロシアのプーチン大統領が電話で会談しました。この中でモディ首相は、ロシアとNATO北大西洋条約機構の間の相違は真摯(しんし)な対話によってのみ解決できると指摘したうえで、暴力の即時停止と、外交の場に戻るためにすべての当事者が一致して取り組むことを求めたということです。一方、インド外務省のシュリングラ次官は24日夜の会見で、ロシアに対する制裁について「アメリカやEU、オーストラリア、日本、イギリスなどが追加的な制裁を科すとしているが、事態は刻々と変化しており、これらの措置が自国の利益にどのような影響を与えるのか慎重に見極める必要がある」と述べ、直ちに制裁などの措置をとる考えはないことを明らかにしました。インドはロシアと長年友好関係にあり、特に軍事面の結び付きが強いことで知られています。

イラン大統領府は、24日、ライシ大統領が、ロシアのプーチン大統領と電話で会談したと発表しました。この中でライシ大統領は「NATO北大西洋条約機構の東方への拡大は、さまざまな地域の安全や安定に対する深刻な脅威だ」と述べて、ウクライナへの軍事侵攻に踏み切ったロシアの立場に理解を示しました。そのうえで「この事態があらゆる国民や地域にとって恩恵がある形で終わることを望む」と述べたということです。これに対し、プーチン大統領は「現状起きていることは、ロシアの安全保障を脅かす西側の行為に対する正当な対応だ」と応じたとしています。イランは敵対するアメリカに対し、制裁の解除などを求めて間接的な協議を続けていますが、このところ、同じようにアメリカとの対立を深めるロシアとの関係を強化する姿勢を鮮明にしています。

フランスのマクロン大統領は24日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談しました。

フランス大統領府によりますと、マクロン大統領は、今回の軍事作戦によってロシアは大規模な制裁にさらされているとして、プーチン大統領に対しウクライナでの作戦を直ちにやめるよう求めたということです。

ただ、これに対しプーチン氏がどう答えたかなど、詳しいやり取りの内容は明らかにされていません。

ロシアのウクライナに対する軍事侵攻に反対するデモはロシア国内でも行われ、首都モスクワでは24日、多くの市民が集まって「戦争はいらない」などと声を上げながら、デモ行進しました。

フランスのAFP通信によりますと、このデモにはおよそ2000人が参加したということで、参加した女性は「対立はどちらの側からも暴力的な行為なしに平和的に解決されなければなりません」と話していました。

参加した人たちは静かに行進を続けていましたが、一部の人は警察に拘束され、次々に車両に乗せられていました。

ロシアではこの日、モスクワのほか、第2の都市サンクトペテルブルクなど各地で抗議デモが行われましたが、人権監視団体によりますと、警察に拘束された人は国内の51の都市で合わせておよそ1400人に上るということです。

ウクライナ政治が専門で神戸学院大学の岡部芳彦教授は「汚職撲滅やクリミア半島の返還を訴え国民的な人気を得てきたゼレンスキー大統領がロシアに歩み寄る選択肢は考えられず、非常に厳しい局面に立たされている」と指摘しています。

ゼレンスキー大統領は、コメディアンや俳優として活躍した元人気タレントで、高校教師が大統領に転身し、次々と政治改革を進めていくテレビドラマ「国民のしもべ」で主役を演じ、41歳だった2019年に、実際に大統領選挙で当選しました。

クリーンなイメージで汚職撲滅やクリミア半島の返還を訴え、国民的な人気を集め、安定した政権運営を進めてきたということです。

岡部教授はゼレンスキー大統領が置かれている状況について「政府は今のところ機能していると思うが情報が錯そうし、指揮系統が維持されているかはわかりにくい。部分的な侵攻であれば何とか持ちこたえられたかもしれないがここまで大規模になるとロシアに太刀打ちする手段はない。欧州路線を明確にしてきただけにロシアに歩み寄る選択肢は考えられず、引き続き国際社会に支援を訴えていく形になるが非常に厳しい局面に立たされている」と指摘しています。

ロシアは24日、ウクライナに対する軍事侵攻に乗り出し、ロシア国防省は多数の軍事施設を攻撃したと発表しました。

これについてアメリカ政府高官は24日、国連安保理の緊急会合が25日に開かれ、アメリカなどが提案する決議案について、採決が行われる見通しになったと明らかにしました。

決議案は、ロシアの軍事侵攻を最も強い言葉で非難したうえで、ウクライナの主権と領土の一体性を改めて確認し、ロシアに対して軍の即時撤退を求める内容だということです。

ただ、採決では常任理事国のロシアが拒否権を行使し、決議案が否決されるのは避けられないと見られます。

これについてアメリカ政府高官は、決議案には多くの安保理理事国に加え、理事国以外の複数の国からも支持が得られる見通しだとしたうえで「採決はロシアが釈明を迫られる場になる」と述べ、ロシアによる侵攻に対し国際社会が一致した対応を示す意義を強調しました。

G7の緊急首脳会議は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、日本時間の24日夜から25日未明にかけてオンラインで行われました。

終了後に発表された共同声明でG7の首脳は「ロシアによる大規模な軍事侵攻にがく然とし、非難する」としてねつ造され、根拠のない主張に基づく攻撃は全く正当化できないとしています。

そのうえで「G7として協調して厳しい経済・金融制裁を科していく」と警告するとともに、国際社会に対してもロシアによる攻撃を最も強いことばで非難し、ウクライナとの連帯を示すよう呼びかけました。

また、声明では「この危機はルールに基づいた国際秩序への深刻な脅威で、その影響はヨーロッパをはるかに超える」として、力による現状変更を認めないとする立場を強調しました。

さらに、ロシアに対して流血を引き起こす事態をやめて直ちに緊張を緩和させ、ウクライナから軍を引き上げるよう求めています。

G7各国はこれまで、ロシアの一部の金融機関への制裁などを発表していましたが、ロシアによる軍事侵攻を受け、足並みをそろえてさらに大規模な制裁を打ち出す構えです。

バイデン大統領は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて24日、ホワイトハウスで演説し「プーチン大統領は侵略者だ」などと、強く非難したうえで大規模な制裁を科すと発表しました。

具体的には、ロシアの政府系銀行で国内最大の「ズベルバンク」など5つの大手金融機関について、ドル建ての取り引き制限や、アメリカ国内の資産の凍結を行うと明らかにし、その結果、資産ベースで、ロシア国内の銀行の80%が制裁の対象になるとしています。

これらの大手金融機関は、ロシアの石油や天然ガスなどを扱う多くの企業に融資を行っているため、ロシア経済に幅広く打撃を与えるねらいです。

さらに、ロシアによる最先端技術へのアクセスを断つとして、アメリカからのハイテク製品の輸出規制を実施するとしています。

一方、軍事面の圧力としてバイデン政権は、NATO北大西洋条約機構の加盟国の防衛態勢を強化するため、7000人規模のアメリカ軍の部隊をドイツに追加で派遣することを決めました。

部隊は数日中に出発し、必要に応じて、そのほかの地域に展開するということです。

バイデン大統領は演説で、アメリカ軍の部隊をNATOの加盟国ではないウクライナに派遣することはないと改めて明言しましたが、大規模な制裁や周辺地域への部隊の配置によって、ロシアに対し断固たる姿勢で臨むと強調した形です。

アメリカのバイデン政権が24日発表した大規模な経済制裁の内容です。

まず、ロシアの政府系銀行で国内最大の「ズベルバンク」と、2位の「VTBバンク」を含む5つの大手金融機関について、ドル建ての取り引きを制限したりアメリカ国内の資産を凍結したりします。

制裁の対象はロシアの銀行の資産の80%になるとしています。

これらの大手金融機関は、ロシアの石油や天然ガス、それに鉱物資源を生産する多くの企業に融資などを行っているため、ロシア経済に幅広く打撃を与えるねらいです。

そして、ロシアによる最先端技術へのアクセスを断つとして、ハイテク製品の輸出規制を実施します。

防衛や航空産業に使われる処理能力の高い半導体やレーザー、センサーなどを、アメリカ企業などがロシアに輸出できないようにする措置で、ロシアのハイテク分野の輸入が50%以上減少すると見込んでいます。

このほか、ロシア最大のガス会社「ガスプロム」を含む国有企業など13社がアメリカの市場で新たな株式や社債の発行をできなくする規制の導入や、プーチン大統領の側近の家族らの資産の凍結を実施するとしています。

バイデン大統領は記者会見で「ロシア経済への資金と技術を制限し、ロシアの産業力を低下させる」と述べ、ヨーロッパや日本などと協力してロシアに対抗していく姿勢を強調しました。

ただ、大規模な制裁は、原油天然ガス穀物などの供給への懸念を高め、価格の上昇に拍車をかけたり、輸出規制によって世界のサプライチェーンに混乱を招いたりするおそれもあります。

このため、世界経済の大きな課題になっているインフレ圧力を高めることにつながらないか、注視する必要があります。

一方、ロシアに対する最も厳しい措置の一つとされる銀行間の国際的な決済ネットワークであるSWIFT=「国際銀行間通信協会」からロシアの銀行を排除する措置は、今回の制裁に含まれていません。

これについてバイデン大統領は「常に選択肢の一つだが、いまヨーロッパ各国はそれを望んでいない」と述べました。

また、記者から、制裁が抑止力になっていないのではないかと問われたバイデン大統領は「制裁が彼を止められるとは言っていない。制裁が効果を発揮するには時間がかかるが、ロシアを弱体化させることにつながる」と述べ、ロシアの侵攻を直ちに食い止めることを目指したものではないとしました。

また、バイデン大統領は現時点でプーチン大統領と会談する予定はないとしたうえで、25日にはNATO北大西洋条約機構の首脳会議を開いて連帯を確認するとともに、今後の対応について協議するとしています。

ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻を受けて、EUヨーロッパ連合は緊急の首脳会議を開き、ロシアに対し、金融やエネルギーなどの分野で追加制裁を科すことで合意しました。

EUは24日、ロシアへの対応などを協議するためベルギーのブリュッセルで緊急の首脳会議を開きました。

首脳会議では、軍事侵攻を強く非難し、ロシアに対して直ちに軍事行動をやめるよう求めることで一致しました。

そして、金融やエネルギー、それに半導体をはじめ先端技術を使った製品の輸出などに関して、追加の制裁をロシアに科すことで合意し、今後速やかに手続きを進めるとしています。

会議のあとの記者会見でEUのフォンデアライエン委員長は「プーチン大統領は力でヨーロッパの地図を書きかえようとしているが、かならず失敗するだろう」と述べ、EUとしても強力な制裁を科すことでこれ以上の軍事侵攻を阻止したい考えを強調しました。

EUは、先月の時点で天然ガスの輸入の4割をロシアに依存しており、ロシアが制裁の対抗措置としてEUへのガスの輸出を制限する可能性もあるとみています。

このため今回の首脳会議では、エネルギーの分野も含め不測の事態への備えを進めるよう、EUの執行機関であるヨーロッパ委員会や各加盟国などに求めました。

イギリスのジョンソン首相は、24日、ロシアに対する新たな制裁措置を発表しました。

それによりますと、すべてのロシアの銀行の資産の凍結を行う計画で、このうち、ロシアの政府系銀行で国内2位の「VTBバンク」の資産は即時凍結するとしています。

アメリカと協調した制裁で、ジョンソン首相はロシアの貿易のおよそ半分はアメリカドルやイギリスポンド建てで行われているため、これらの通貨による決済が難しくなると説明しています。

また、貿易の規制も強化し、通信機器や航空関連の部品など安全保障上、重要とされる製品について、軍事目的に転用できないようロシアへの輸出を禁止します。

このほか、プーチン政権と近い100を超える企業や実業家に対し、資産の凍結やイギリスへの渡航禁止の制裁を科すことや、ロシアのアエロフロート航空のイギリスへの発着を禁じることなども含まれています。

今回の発表には、銀行間の国際的な決済ネットワークであるSWIFT=「国際銀行間通信協会」からロシアの銀行を排除する経済制裁は含まれておらず、ジョンソン首相は、除外してはいないと説明したうえで「こうした手段を成功させるにはG7各国の結束が重要だ」と述べました。

ドイツのショルツ首相は、ロシアがウクライナに軍事侵攻したことを受け、24日、国民に向けてテレビ演説を行いました。

この中でショルツ首相は、ウクライナの人々との連帯を強調したうえで「プーチン大統領はあらゆる警告や外交的解決に向けた努力に取り合わなかった。彼ひとりがこの戦争を決断し、全面的に責任を負う。これはプーチンの戦争だ」と述べ、プーチン大統領を厳しく非難しました。

そして「ウクライナへの攻撃を受け、われわれはさらに徹底した制裁を科す。ロシア経済にとって痛烈な打撃となるだろう」と警告しました。

さらに「われわれは決然と、結束して行動する。そこに自由な民主主義国家としての強さがある。プーチン大統領は勝利しないだろう」と述べ、各国と緊密に連携しながらロシアに対じしていく姿勢を強調しました。

台湾の首相にあたる蘇貞昌 行政院長は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について報道陣の取材に答え「われわれはこのような侵略行為を厳しく非難するとともに、民主国家と歩調を合わせて制裁を加える」と述べました。

また、台湾外交部も「国際社会のロシアに対する経済制裁に参加する」と表明しました。

制裁の具体的な内容について王美花 経済部長は「各国と調整する」としていますが、台湾のメディアは、さきに半導体の輸出規制などを行う可能性があると伝えています。

米議会では、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁措置として、国際銀行間通信協会(SWIFT)の国際決済ネットワークへの同国銀行のアクセス遮断を求める声が民主・共和両党の有力議員から上がっている。

  実施されればロシア経済にダメージを与える最も厳しい手段となる一方、甚大な影響を免れない欧州諸国の多くも反対しており、24日に追加制裁を発表したバイデン大統領も「それは常に選択肢の一つだが、現時点では欧州諸国が望む着地点ではない」と述べ、理解を求めた。

バイデン大統領、対ロシア追加制裁発表-主要銀行5行や個人対象 (1)

  大統領は記者団に対し、今回打ち出したロシア最大の銀行ズベルバンクをはじめとする大手5行に対する制裁の方が、SWIFTのネットワークからの同国銀行遮断よりも大きなインパクトを与える可能性があると説明した。

  事情に詳しい関係者が匿名を条件に話したところでは、ロシア勢をSWIFTから締め出した場合、同国が独自のバージョンを構築する結果につながるとの懸念から、そうした措置には反対するとのコンセンサスがある。SWIFTは200余りの国・地域の1万1000社を上回る金融機関などが参加し、送金情報をやり取りしている。

  大統領演説の数時間後、上院外交委員会のメネンデス委員長(民主)は声明で、ロシアの銀行をSWIFTのネットワークから遮断することを含め、「プーチン大統領に最大限のコストを負担させる」ようバイデン氏に呼び掛けた。与党からはケーシー上院議員とシフ下院議員もバイデン大統領の演説に先立ち、こうした措置に支持を表明していた。

  共和党では、SWIFTには直接言及しなかったものの、マコネル上院院内総務が利用可能なあらゆる制裁をロシアに科すよう求め、上院銀行委員会の同党筆頭理事のトゥーミー議員や、グラム上院議員も同様の見解を示した。

  このほか、ウクライナのクレバ外相もロシア勢のSWIFT遮断をあらためて要請。ジョンソン英首相も同日の主要7カ国(G7)首脳の緊急会議でこの措置を求めたと、ブレイン報道官が明らかにした。

原題:

Biden Deflects Democrats’ Pleas to Boot Russia From Swift (1)(抜粋)

eigokiji.cocolog-nifty.com

 ウクライナ危機はウクライナには無関係だ。それはドイツの問題、特に、ドイツをロシアと結びつけるノルドストリーム2と呼ばれるパイプラインだ。ワシントンは、このパイプラインを、ヨーロッパにおける優位に対する脅威と見なし、至る所でプロジェクトを破壊しようとしている。

ドイツとロシア間のより暖かい関係は、これまで75年間アメリカが監督してきた「一極」世界秩序の終わりを意味する。ドイツ・ロシア同盟は、現在刻々と奈落の底に近づきつつある超大国の下落を早めるおそれがある。これがワシントンがノルド・ストリームを妨害し、自らの軌道内にドイツを引き留めるべく、できる限りあらゆることすると固く決意している理由だ。それは生き残りの問題なのだ。

 そこでウクライナが登場する。ノルド・ストリームを粉砕し、ドイツとロシアの間にくさびを打ち込む上で、ウクライナはワシントン「お好みの兵器」なのだ。この戦略はアメリ外交政策ハンドブックの一ページに「分割と支配」という見出しで書かれている。ロシアはヨーロッパに対する安全保障上の脅威だという認識をワシントンは作る必要がある。それが狙いだ。

決して話題にされないのは、ソ連崩壊以来、ロシアはどこの国も侵略しておらず、一方、アメリカは同じ期間に、50以上の国で政権を侵略したり打倒したりしており、アメリカは世界中の国々に800以上の軍事基地を維持していることだ。

 当面ドイツは有利な立場にある。問題をどのように解決するか決めるのはショルツ次第だ。彼はドイツ人の利益を支持する最良の政策を実行するだろうか、それとも彼はバイデンの容赦ない圧力に屈服するだろうか?彼は活気のあるユーラシア回廊で新たな同盟を強化する新たな進路を決めるだろうか、それとも彼はワシントンの狂気の地政学的野心支持を表明するのだろうか?多くの新興権力中心が等しく世界統治を分かち合い、指導体制が断固多国主義、全員の為の平和的発展と安全保障に忠実な新世界秩序におけるドイツの中枢的役割を彼は受け入れるのだろうか、それとも彼は明らかに賞味期限を過ぎて生き残ったぼろぼろの戦後体制を支えようとするのだろうか?

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ロシアによる軍事攻撃を受け、自国を防衛する意向がある市民は申し出るよう呼び掛け、希望者全員に武器を提供する方針を示した。

ロシア市民に対しても、戦争に抗議の声を上げるよう呼び掛けた。

この日、プーチン・ロシア大統領は、ウクライナでの特別軍事活動を承認。ロシア軍は首都キエフや東部でミサイルなどによる攻撃を実施した。

ゼレンスキー大統領は、ロシアとの外交関係を断絶したと表明。

国民に真実の情報を広げるよう求め、企業には市民に物資やサービスを提供するよう要請した。

戦争を 、一番、待ち望でいたのは米国CIAとバイデンであった。ウクライナ国内では、すでに早い段階で、米国CIAとその要員が、多数、潜入し 、軍事行動を含めて 、活発に動いていた。小学校爆破や地雷攻撃による住民虐殺など・・・・・。ウクライナは内戦状態にあった。ロシア系住民(東部2州)への攻撃を繰り返し、ロシアのプーチン大統領を、米国CIAが仕掛ける「侵略戦争」という罠に引き摺りこもうと暗躍してきた。

ウクライナの「元コメディアン氏」は、NATOやCIA、バイデンらをバックに、身分不相応の猿芝居「火遊び」をしていたのだ。

バイデン米大統領は「ロシアのウクライナ侵攻はおおむね米政府の予想通りだった」と言っている。バイデンは最初「2月16日に露軍がウクライナに侵攻する」と言って米国や同盟諸国の大使館員をウクライナから避難させた。2月16日に露軍はウクライナに侵攻しなかったが、バイデンはなおも「間もなく露軍がウクライナに侵攻する。侵攻が起きたらその日のうちに首都キエフが陥落する」と言い続けた。2月24日に実際の露軍のウクライナ侵攻が起こり、その日のうちにキエフなどの軍事施設が露軍に占領または破壊された。バイデンの予想は確かに当たった。しかし、この話はトンデモである。 (Russia attacks Ukraine as defiant Putin warns US, NATO

バイデンは、露軍がウクライナを侵攻して半日で打ち負かすと知りながらウクライナを助けず、ゼレンスキーの懇願を振り切ってすべての大使館機能を国外(一部だけ辺境のリボフ)に避難させた。米軍は、世界のどこかの国の防衛力を72時間以内に強化し、他国の侵攻に対するある程度の防衛力をつけさせる技能を持っている。この技能が、米国を世界の警察官にしている。米政府が露軍のウクライナ侵攻を予測していたなら、空軍力が弱いウクライナを短期間で補強することもできたし、何らかの有効な対応策を米国がロシアにわかる形でそれとなくやることで、プーチンウクライナ侵攻を思いとどまらせることもできた。 (Putin Launches "Special Military Operation" In Ukraine, Kiev Calls It "Full-Scale Invasion")

しかし実際に米政府がやったことは、露軍が侵攻してくると大騒ぎしつつ米欧の大使館機能や軍の要員を全員ウクライナから避難させることだった。これは、ウクライナの防衛力を補強するどころか逆に弱体化してしまった。このバイデンの「未必の故意」的な超愚策なウクライナ弱体化策の展開を見て、もしかするとそれまでウクライナ侵攻する気などなかったプーチンが、これなら電撃的に侵攻できそうだと思ってしまった可能性が十分にある。米国がロシアの侵攻予定を察知したら、それを公表するのでなく機密扱いしつつ、対応策をとって侵攻を思いとどまらせるのが覇権国の採るべき道だった。バイデンは全く逆のことをした。バイデンの超愚策がプーチンウクライナ侵攻に導いたことになる。バイデンの予想が当たったのでなく、バイデンの予測による大騒ぎの未必の故意的な超愚策がロシアのウクライナ侵攻を誘発したのでないかと私は勘ぐっている。 (Beware the Sanctions Trap Over Russia) (ロシアがウクライナ東部2州を併合しそう)

ウクライナに侵攻したロシア軍は24日、北部のチェルノブイリ原子力発電所を占拠した。同原発は1986年に起きた事故の影響で今も放射能に汚染されているが、ロシアが早期に掌握した理由を考えると次の狙いがうかがえる。

チェルノブイリベラルーシからウクライナの首都キエフへの最短ルートにあり、ロシア軍が北部から侵攻を進める上でチェルノブイリ原発掌握は論理的な戦略と言える。

米陸軍元参謀総長のジャック・キーン氏は、チェルノブイリに「軍事的な意味はない」としながらも、ベラルーシからキエフへの最短ルートに位置し、ウクライナ政府を追放するロシアの戦略の標的になっていると指摘する。

キエフの北方100キロ余りにあるチェルノブイリ原発の4号炉は86年4月、安全実験の失敗で爆発し、欧州だけでなく米東部にまで放射能が拡散した。

カーネギー国際平和財団のジェームズ・アクトン氏は、チェルノブイリ内で事故が起きれば大きな問題になるが、立ち入りが禁止されていることから市民には大きな影響は与えないだろうと指摘。

また、ウクライナ国内にある原発4基は安全に稼働しているが、施設には核燃料があり、「周辺での戦闘のリスクは著しく高い」と懸念した。

25日に日本外国特派員協会で会見したセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使は、チェルノブイリ原発の従業員がロシア軍に拘束されたと明らかにした。

ウクライナのシュミハリ首相は24日、北部にあるチェルノブイリ原子力発電所が戦闘の末、ロシア軍に占拠されたと明らかにしました。

AP通信の映像では、所属不明の軍用車両とみられる複数の車両が原子力発電所の敷地内に入り込んでいる様子が確認できます。

チェルノブイリ原子力発電所では旧ソビエト時代の1986年、運転中の原子炉で爆発が起こり、史上最悪の事故と言われています。

シュミハリ首相は、戦闘による犠牲者はいなかったとしていますが、敷地内にある放射性廃棄物の貯蔵施設の状態は分かっていません。

ロシアのプーチン大統領は今月21日の国民向けの演説で、ウクライナソビエト崩壊後に放棄した核兵器を改めて保有するという趣旨の発言をしているとしたうえで「ウクライナ大量破壊兵器を手に入れれば、ヨーロッパやロシアの状況は一変する」と主張していました。

ロシアとしては貯蔵されている放射性廃棄物ウクライナ側に渡さないようにするねらいがあるとみられますが、ウクライナの大統領府顧問はロイター通信に対して「ヨーロッパにとって深刻な脅威の1つになった」と述べ、ロシアを非難しています。

IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長は24日、ホームページ上で「ウクライナ情勢に深刻な懸念をもって注視している」とする声明を発表し、チェルノブイリ原発を含むウクライナ原子力関連施設を危険にさらすような行動を自制するよう呼びかけました。

そのうえで、ウクライナ原子力規制機関から稼働中の原発に関しては安全性が確認されているという連絡を受けている一方、正体不明の武装勢力チェルノブイリ原発の全施設を掌握したとする通知をウクライナから受けたことを明らかにしました。

IAEAはこれまでのところ、チェルノブイリ原発に関係する死傷者や破壊などの報告は受けていないということです。

グロッシ事務局長は「原子力施設に対するいかなる武力攻撃や脅威も国連憲章国際法IAEA憲章に違反する」として、自制を強く呼びかけました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、同国への攻撃を開始したロシア軍が首都キエフに向けて進軍する中、キエフにとどまる意向を表明した。

米国とウクライナの政府当局者らは、ロシアはキエフ掌握とウクライナ政権の打倒を狙っていると話している。

ロシア軍は24日、北部のチェルノブイリ原子力発電所を掌握。ロシア軍部隊が配置されているベラルーシからキエフへの最短ルート上にチェルノブイリはある。

ゼレンスキー大統領はビデオメッセージで「敵は私を第一の標的に定めた」と述べ、「私の家族は第2の標的だ。国家元首を失脚させることでウクライナを政治的に壊滅させるつもりだ」と主張した。

「私は首都にとどまる。家族もウクライナにいる」と続けた。

ブリンケン米国務長官は米CBSテレビでゼレンスキー氏の安全について懸念しているか問われ、「私の知る限りでは、ゼレンスキー大統領はウクライナで職にとどまっている。私たちは無論、ウクライナ政府当局者など私たちの友人全員の安全について懸念している」と述べた。

ロシアによる軍事侵攻は24日、ウクライナの各地で始まり、ロシア国防省は、これまでに11の空港を含むウクライナ軍の83の地上施設を攻撃したと発表しました。

一方、ウクライナ政府は首都キエフの北に位置し、1986年に史上最悪の原発事故が起きたチェルノブイリ原子力発電所が戦闘の末ロシア軍に占拠されたと発表しました。

ゼレンスキー大統領は日本時間の25日朝、「悲しいことに137人の英雄たち、市民たちを失い、316人がけがをした」と述べて、兵士だけでなく民間人にも犠牲者が出ていることを明らかにしました。

そのうえで、総動員令を出して防衛態勢を強化するとしていて、海外メディアは、首都キエフを含む主要都市に広範囲に軍を配置すると伝えています。

ロシア側はあくまでも軍事施設を対象にした攻撃で、民間人に対する脅威はないと主張していますが、現地では市民の間で攻撃から身を守ろうと地下鉄の駅の構内に避難したり、隣のポーランドに車や列車などで逃れたりする動きが広がっていて、大きな混乱が起きています。

軍事侵攻についてロシアのプーチン大統領は、「いま起きていることはすべて必死の手段だ。ほかに選択肢はなかった」と述べ、正当化しています。

これに対して、アメリカやEUヨーロッパ連合などは、ロシアを激しく非難し、相次いで制裁措置の実施を発表してロシアに圧力をかける姿勢を一段と強めています。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐりアメリカのブリンケン国務長官は24日、ABCテレビのインタビューに応じ「プーチン大統領ウクライナ政府を転覆しようとしていると確信しているか」と質問され「確信している」と答えました。

そして「ロシアの計画の一部は首都キエフを攻撃し、ほかの主要都市も攻撃することだ」と述べました。

さらに、ロシア軍がウクライナだけでなく、NATO北大西洋条約機構の加盟国にも侵攻する可能性については「もちろん可能性はある」と述べました。

アメリカ国防総省の高官は24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の状況について分析した結果を明らかにしました。

それによりますと、ロシア軍は複数の段階に分けて展開する可能性があり、現在は「大規模な軍事侵攻の初期段階にある」と分析しています。

現地時間の24日午前4時半からは、激しいミサイル攻撃が始まり、短距離弾道ミサイルや、中距離弾道ミサイル巡航ミサイルなどが陸上と黒海海上から発射されたほか、爆撃機などおよそ75機が使われたとしています。

発射されたミサイルはこれまでに推定で160発以上に上るということです。

これらの攻撃は、弾薬庫や飛行場など軍事施設や防空施設を主な標的にしていたということですが、詳しい被害の状況や民間人を含む死傷者の数は分からないとしています。

その後、ウクライナの国境周辺に展開するロシア軍の地上部隊が、現地時間の24日、正午ごろから侵攻を開始したとみられるということです。

ロシア軍はこれまでに主に3つの方向から前進していて、
ウクライナ北部と国境を接するベラルーシから首都キエフに向かうルートと、
ウクライナの北東方向から国境を越えて第2の都市、ハリコフに南下するルート、それに
ウクライナ南部のクリミアからヘルソンに北上するルートだとしています。

さらにキエフに向かうルートは、キエフの北東部分と北西部分の二手に分かれているということです。

国防総省の高官は「人口が集中する地域の奪取をねらっていると考えられる」と指摘したうえで、侵攻の初期の段階のため部隊の大部分はまだ投入されていないとの見方を示しました。

国防総省の高官は、ロシア軍の侵攻のねらいについて「ロシアは首都キエフに向かっていて、われわれの分析では彼らはウクライナ政府を崩壊させ、自分たちの統治方法を確立するつもりだと考えられる」と指摘しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は各地で続き、首都キエフ近郊では、キエフへの侵攻を目指すロシア軍の戦車部隊とウクライナ軍による戦闘が続いているとみられます。今後の展開について、防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんの解説です。

兵頭さんは25日午後7時時点のウクライナでのロシアの軍事作戦の状況について「ロシア国防省は、24日に軍事侵攻を開始してからわずか3時間でウクライナの制空権を取ったと言っており、わずか1日でこれだけの軍事展開をするというのは、非常にスピードが速い。3方向から戦車などの地上部隊がウクライナ内部に迫っており、特に、ベラルーシから国境を越える形で南下し、部隊が首都キエフに近づいている。ウクライナ軍は徹底抗戦の構えを見せており、非常に緊迫した状態が続いている」と話しています。

そして「まもなくキエフが陥落するということになるのではないか。戦闘がさらに激化した場合はもう少しかかるかもしれないが時間の問題だろう。25日にチェルノブイリ原発を制圧したが、ロシアとしてはウクライナ全土を軍事的に掌握する必要があり、地上部隊を投入し続けるだろう」と指摘しました。

また、ロシア側の意図については、「アメリカメディアの報道ではゼレンスキー大統領や側近を拘束、または殺害する計画を持ってるのではないかと伝えられており、ゼレンスキー政権を打倒し、ロシアの傀儡政権を樹立するねらいがあるのではないか。その政権とロシアの間で中立条約を締結することでウクライナ非武装中立化を図り、それによってウクライナNATO加盟を阻止するという、プーチン大統領の思惑が、ここ一日で見えてきたのではないか」と話しています。

さらに、ロシアに対する最も厳しい経済措置の1つとして注目されている、SWIFT=(スウィフト)「国際銀行間通信協会」からのロシアの銀行の排除について、兵頭さんは「SWIFTからロシアを除外するのは、欧米諸国の最大にして最後の切り札経済制裁だ。今後、プーチン大統領の行動は、軍事的オペレーションから、ゼレンスキー政権の打倒という新たな政治工作にフェーズが移る可能性があり、欧米諸国としては最後の切り札をいま使うことはできないだろう」としたうえで「ヨーロッパ諸国をはじめ、ロシアにエネルギーを依存する国は、ロシアがSWIFTから除外されるとロシアとの貿易を断念することになるので非常に難しい判断になる。ロシアの動きを制するためには欧米諸国の結束、連帯が問われていくことになる」と話しています。

NHKの取材に応じたブリューゲル研究所のゲオルグ・ザックマン氏は、仮に、ロシアが欧米の経済制裁に対抗してガスの供給を止める事態になっても、ヨーロッパはロシア以外の国からLNG液化天然ガスを調達することで当面は必要な量を確保できるという見方を示しました。

しかし、供給の途絶が長期化し、次の冬を迎えた場合、LNGの施設がすでに能力いっぱいに稼働しており、調達先も産出の余力が限られていることなどから、ロシア以外からガスを調達するだけではヨーロッパ全体で需要のおよそ15%程度を穴埋めできなくなるとしています。

このためガスによる発電を石炭や原子力で代替したり、工場の操業時間の短縮や家庭での省エネを求めたりするなどして、ガスの使用そのものを減らす必要が出てくると指摘しました。

そのうえでザックマン氏は「ヨーロッパ各国の間や異なる産業の間で、いかに公平に負担を分かち合い、ガスを分配できるかが大きな政治課題になる」と述べヨーロッパの国々が協調してエネルギー危機に向かい合えるかが問われると強調しました。

海外からの輸入に頼る家畜の餌、飼料用トウモロコシの国際価格は、中国国内の需要の増加や南米での不作を受けおととしごろから高止まりが続いています。

こうした中、世界でも有数の輸出国、ウクライナから供給が滞るのではないか、という警戒感が、国際価格をさらに上昇させる新たな要因となっています。

北海道鹿追町で130頭の牛を飼育する内海洋平さんは「穀物を海外に頼っている以上は外国の非常事態に左右されるのは仕方ないが、飼料価格がずっと値上がりしていた中、追い打ちのような状況だ」と不安を強めています。

内海さんの牧場では、去年1年間で餌の価格が前の年より最大で30%上昇した結果、コストが想定より400万円近く増え、経営にとって大きな負担となっています。

内海さんは、コストを抑えようとみずから栽培したトウモロコシを一部混ぜるなどしているものの、餌の内容を大きく変えるのは牛の健康にも影響を与えるため、これ以上の対応は厳しいといいます。

新型コロナウイルスによる影響で生乳の需要が減少していることから、道内の酪農家は新年度から16年ぶりに生産抑制を余儀なくされ、売り上げを伸ばすことが困難な状況にあります。

内海さんは「『あまり絞らないでね、生乳の値段も安くしますよ、でも材料は高いですよ』では、先の未来が見えなくなっている。牛乳はいつまでも安い、安くあるべきみたいなところは少し考え直してもらえれば」と話しています。

JA全農全国農業協同組合連合会でトウモロコシの買い付けを担当する穀物外為課の鮫嶋一郎さんは「ウクライナの情勢不安によって供給制限への懸念が生じてトウモロコシの市場価格が上昇する一因になっている」と指摘しています。

鮫嶋さんによりますと、おととし以降、穀物取引の国際指標であるアメリカ・シカゴ商品取引所のトウモロコシの先物価格は高騰が続いているということです。

主な原因として、中国の輸入量の急増と、南米での天候不良によるトウモロコシの不作などがあげられるということです。

こうした中でトウモロコシの相場に影響を持つ世界有数の生産国であるウクライナの情勢不安が、新たな価格の上昇要因として加わったと分析しています。

鮫嶋さんは「2014年のクリミア半島の併合時に、ウクライナからの供給制限への懸念が出たことでトウモロコシ相場の上げ要因となった」と述べ、8年前の2014年にロシアが一方的にウクライナ南部のクリミアを併合した際も国際価格の上昇が見られたと指摘しています。

日本はトウモロコシを主にアメリカから輸入しています。

ロシアがウクライナに侵攻した場合の影響について鮫嶋さんは「ウクライナからの輸出が制限される、あるいは完全に止まることになれば、その分の需要がアメリカなどほかの輸出国に加わることになり、穀物相場の上昇要因となる」と述べ、アメリカ産の需要が世界的に高まることで日本にとって輸入価格が上昇する可能性に懸念を示しました。

ウクライナは肥沃(ひよく)な黒土地帯を抱え、国土のおよそ70%を農地が占める「ヨーロッパの穀倉」とも呼ばれる世界有数の穀物輸出国です。

アメリカ農務省によりますと、ウクライナの2020年度から2021年度にかけての穀物輸出量は、
▽トウモロコシが世界4位となる2300万トン余り、
▽小麦が世界6位となる1600万トン余りに上り、穀物の国際相場にも大きな影響を与えています。

日本は飼料用トウモロコシの90%近くを海外からの輸入に頼っており、日本の酪農家にとってトウモロコシの国際価格の変動は飼料コストに直結する問題となっています。

大手電力各社によりますと、ことし4月分の電気料金は10社のうち7社で値上がりしました。

これは、LNGや石炭などの輸入価格が大幅に上昇していることが要因で、10社の電気料金は比較できる過去5年間で最も高い水準となっています。

このうち、3月分と比べて、
▽最も値上がり幅が大きいのは中部電力で、使用量が平均的な家庭の電気料金は127円上がって8076円となっています。

次いで、
東京電力が115円上がって、8359円
東北電力が98円上がって、8431円
などとなっています。

電気料金は利用者の負担が大きくなりすぎないよう、契約によっては燃料価格の上昇分を転嫁できる上限が定められていますが、3月分までに北陸電力関西電力中国電力の3社が、そして4月分からは、四国電力沖縄電力が、この上限に達しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響で、原油先物価格は上昇傾向となっていて、原油価格をベースに決まるLNGの長期契約についても値上がりする見通しです。

電気料金は今後も高止まりが続くと見込まれ、暮らしや産業への影響が懸念されます。

ロシアのウクライナ侵攻で、世界のパワーバランスが大きく揺らいでいる。同時に世界の経済システムも大きな圧力を受けて、新たな変化が生じ始めた。それは、世界的なインフレの加速と長期化だ。

長らくデフレ的経済に慣れてインフレへの対応力がぜい弱な日本に、大きな試練がやってくることになる。「平時モード」の岸田文雄政権は、第3次石油危機とも言える非常事態に対応する覚悟があるのだろうか。その力量は直ちに試されるだろう。

<意外と小規模なロシアGDP>

ロシア軍のウクライナ侵攻に対し、米国や欧州連合(EU)、日本などの西側諸国は強い非難と経済制裁の発動を公表したが、ロシア軍の侵攻が止まる気配はない。軍事専門家の一部では、首都キエフをロシア軍が占領し、親ロシア政権を樹立するのがプーチン・ロシア大統領の戦略目的ではないかとの見方が出ている。

仮にそのケースが現実化した場合、米欧日からの経済制裁は格段に強化され、実施期間も長期化することが予想される。「経済制裁は有効性が低い」との指摘が軍事専門家の中から出てくることが多いが、今回は意外に効くかもしれない。

ロイターは24日、ロシア産石油の購入を巡り、西側諸国の銀行が信用状(L/C)の発行を断ったと報道した。この動きが広がれば、ロシアは貿易金融に支障をきたし、石油販売代金の回収が難しくなる可能性が高まる。そもそもロシアの国内総生産(GDP)は2020年で1兆4700億ドル程度と、韓国の1兆6300億ドルを下回って世界で11番目。大国のイメージとは異なって「兵糧攻め」には弱い経済構造となっている。

原油と同時に上がる小麦や希少金属

ただ、経済制裁の効果が発揮されるまでには、かなりの時間がかかる。このため西側諸国の制裁は1年を超える可能性がある。その際に問題になるのは、まず、原油価格の高騰だ。

25日の北海ブレント先物は1.99ドル(2%)高の1バレル=101.07ドル。米WTI先物CLc1>は1.89ドル(2%)高の同94.70ドルと上昇中。ブレント先物は24日、2014年以来初めて100ドルを突破していた。欧米投資銀の中には、1バレル=120ドルから150ドルまで上昇するとの予測を公表しているところもある。経済制裁の長期化は、原油価格の高騰が長期化する可能性を強く示唆する現象だ。

また、小麦やトウモロコシなどの生産・輸出の減少にもつながると予想されている。2019年の小麦世界生産を見ると、3位がロシアで7445万トン、7位がウクライナの2837万トン。世界生産の約3割を占めており、輸出ができなくなれば小麦価格の高騰に直結する。2019年の飼料作物のトウモロコシの輸出では、4位のウクライナのシェアが13.3%。8位のロシアが1.3%となっており、牛肉価格の大幅上昇につながる恐れがある。

値上がり懸念は、食料関連だけではない。電気自動車(EV)のバッテリーの原料となるニッケル生産でロシアは世界4位のシェアを持っている。半導体生産に欠かせないパラジウムもロシアが主要生産国であり、これらの鉱物輸出が滞る事態になれば、鉱物価格の値上がりや品不足、EVや半導体の生産停滞につながりかねないインパクトをはらんでいる。

このように世界的な価格押し上げ要因が目白押しであり、インフレは減速する兆しを見せず、加速する方向で推移すると予想する。

実際、米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は24日、ロシアによるウクライナ侵攻は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ方針の背景となる論理的裏付けを変えることはないとの見解を表明。ロシア侵攻後に他のFRB幹部からも金融引き締めスタンスの維持が必要との声が出ている。

<日本にも波及しそうなインフレの政治問題化>

このインフレ加速の流れは、当然、日本にも押し寄せてくる。2月の東京都区部CPIの総合指数は前年同月比1.0%上昇で2年2カ月ぶりの高い伸びとなった。携帯電話料金の引き下げ効果分のマイナス1.1%がなければ、2.1%となっていた。エネルギーだけでなく、食料の値上げ幅もじりじりと拡大しており、すでに公表されている調理食品の値上げなどを勘案すると、4月以降に全国CPIで総合指数が2%に達する可能性が高まっている。

また、原油価格の値上がりが一段と高まって1バレル=100ドルから120ドル方向に上昇すれば、コアCPI(除く生鮮食品)でも4─6月のどこかで2%に達する展開があると筆者は予想する。

この時、ウクライナ問題は多くの国民にとって、ガソリンや食料品など「必需品の値上げ」と映るのではないか。政府は1リットル当たり5円の補助金を25円に引き上げる検討を始めたと複数の国内メディアが報道しているが、夏の参院選を前に「政治問題化」する危険性をかぎつけ、ようやく対応に動き出したとように見える。

しかし、岸田政権のこれまでの対応は「平時」との認識に基づいていたと筆者には見えた。ガソリンや食品の値上げが一時的であれば、平時の対応でもよいだろう。だが、原油価格の上昇は、加速化と長期化が同時にやってくる公算が大きい。

さらに脱炭素化の流れの影響で、原油増産の設備投資に欧米の金融機関は融資が事実上、できなくなっている。資金調達が難しい増産投資が進ちょくしないのは当然と言える。需要超過の状況が短期間に改善する構造にはなっておらず、原油価格の上昇を日本は甘受せざるを得ない。

<必要な経済危機宣言>

この状況は、第1次や第2次石油危機に匹敵する第3次石油危機と言っていいほどの緊急事態である。まして日本は原油だけでなく、その他の鉱物資源も輸入に頼り、原材料の高騰は交易条件の悪化に直結し、国内総生産(GDP)を押し下げる。

経済的に危機的な緊急事態であれば、政府がその認識を宣言し、対応策を打つべきだ。コストプッシュ型の「悪い物価上昇」に打つ手は限られる。原材料高による収益悪化を見越した大手企業は、岸田政権の提唱する3%の賃上げに背を向けようとしているとの見方も、一部でささやかれている。賃上げの挫折と物価高の進展は、国民生活にとっては最悪のシナリオだ。賃上げを強力に呼びかけるとともに、新たな支援策の策定がいずれ必要になるだろう。岸田首相に経済的危機への強力な対応を求めたい。

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