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2日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価の終値は前日に比べて596ドル40セント高い3万3891ドル35セントでした。ダウ平均株価の値上がりは3営業日ぶりです。

アメリカの中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会のパウエル議長の議会公聴会での発言を受けてFRBの金融引き締めによる景気減速への警戒感がいくぶん和らいだことなどから買い注文が増えました。

IT関連銘柄の多いナスダックの株価指数も1.6%の大幅な上昇となりました。

市場関係者は「パウエル議長が利上げの進め方について、今月の金融政策を決める会合で通常の利上げの幅となる0.25%を提案すると言及したことを受けて警戒感がいくぶん和らいだ。ただロシアへの経済制裁の影響や原油価格の上昇への懸念は根強く、当面は不安定な値動きが続きそうだ」と話しています。

サウジアラビアが主導するOPEC石油輸出国機構とロシアなどの主な産油国は2日にオンラインで会合を開き、来月の原油の生産量を協議しました。

その結果、毎月、日量で40万バレルずつ生産を増やすというこれまでの計画を来月も続けることを決めました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて原油先物価格は高騰していて消費国からは大幅な増産を求める声が出ていますが、追加の増産は今回も見送りました。

会合後に出された声明では「原油価格の変動幅が大きくなっているのは地政学的な要因によるもので、原油の需給のバランスが崩れたためではない」などとしています。

アメリカやヨーロッパ各国などがロシアの一部の金融機関を国際的な決済ネットワークから締め出す厳しい経済制裁を決めたことで、市場ではロシアからの原油の供給が滞る懸念が強まっています。

1日にはIEA=国際エネルギー機関の加盟国が協調して6000万バレルの石油備蓄を放出することで合意しましたが原油価格の上昇に歯止めはかかっておらず、価格の高止まりが当面続く可能性が出ています。

中東・湾岸の産油国は、ウクライナへの侵攻でロシアが国際的な孤立を深める中でもロシアと協調減産の枠組みで協力を続ける姿勢を示し、配慮を見せています。

湾岸の産油国などが加盟するOPECはロシアなどとの間で「OPECプラス」と呼ばれる枠組みを設けていて、生産量を調整することで原油価格を支えるなど世界の原油市場で影響力を保っています。

ロシアへの非難が集まる中でも湾岸の産油国では直接的な非難を避ける動きが目立っていて、このうちUAEアラブ首長国連邦は先月25日、ロシアにウクライナからの即時撤退などを求める国連安全保障理事会の決議案の採決に中国やインドとともに棄権しました。

この判断についてガルガシュ外交顧問は「どちらかの側につくことはさらなる暴力しか生まない」とコメントし、中立の立場だと強調しています。

1日には事実上の指導者であるアブダビ首長国ムハンマド皇太子がロシアのプーチン大統領と電話会談し、OPECプラスにもとづく協力関係を確認したと国営通信は伝えています。

またOPECプラスをロシアとともに主導するサウジアラビアも、サルマン国王が1日に開いた閣議で、OPECプラスのもと原油市場の安定や均衡に取り組むことを確認したと国営通信が伝えています。

湾岸の産油国としては、ロシアとの間で引き続き協力関係を維持することで国際的な原油市場での影響力を維持するねらいがあるものとみられます。

ニューヨーク原油市場ではロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて原油価格の値上がりが続いていて、2日の取り引きでは国際的な指標となるWTI先物価格が一時1バレル=112ドル台半ばをつけました。

これは2011年5月以来、10年10か月ぶりの高値水準です。

背景には、ロシアを含む主な産油国が来月の生産量について従来どおりの小幅な増産を決め、追加の増産を見送ったことで、原油の供給不足への懸念が強まったことがあります。

またロシアに対する厳しい経済制裁や欧米の大手石油会社が相次いでロシア事業からの撤退を表明していることも影響しています。

市場関係者は「経済制裁によってロシアからの原油の供給が滞ることが現実味を増している」と話していて、インフレが世界経済の重荷となる中、エネルギー価格の高騰が物価上昇に拍車をかけることに懸念が高まっています。

シカゴ商品取引所では、ロシアによるウクライナ侵攻を背景に世界有数の小麦の輸出国であるウクライナとロシアからの小麦の供給が滞ることへの警戒感が出て小麦価格の上昇傾向が続いています。

こうした中、2日の取り引きでは国際的な指標となる小麦の先物価格の終値が1ブッシェル当たり10ドル台半ばと、およそ14年ぶりの高値水準まで上昇しました。

市場関係者は「軍事侵攻が長期化すれば小麦の供給への影響も大きくなるという見方が出ていて、上昇傾向がどこまで続くか見通せなくなっている」と話しています。

先物価格の上昇が続けば、小麦の多くを輸入に頼る日本にとって食品の価格に影響する可能性があります。

FAO=国連食糧農業機関によりますと、おととしの小麦の輸出量はロシアが世界1位、ウクライナが世界5位となっています。

2回目の交渉へ
ウクライナ政府はロシアとの2回目の交渉を3日に行うと発表した。交渉が行われるポーランドベラルーシの国境へウクライナ代表団は出発したと、ゼレンスキー大統領の報道官が明らかにした。国連総会の緊急特別会合ではロシアに非難が集中し、ロシアの国際的な孤立が浮き彫りとなった。米政府はロシアからの輸入に制限を課すことを検討している。ロシア国防省は初めて侵攻による死傷者数を発表、同国軍に498人の死者が出たことを明らかにした。ロシア軍の進軍は続き、ウクライナ南部の港湾都市ヘルソンを掌握したと主張している。

より大幅の可能性も
パウエルFRB議長は3月に政策金利を0.25ポイント引き上げ、一連の利上げ局面に入ることを支持すると述べた。インフレが高過ぎる状態が続けば、より大幅な利上げの可能性を閉ざさないとも表明。ただロシアのウクライナ侵攻によって、見通しは不確実だと指摘した。「この環境で適切な金融政策を策定するには、経済は想定外の形で変化するものだと認識する必要がある」とし、「これから出てくるデータや見通しの変化に応じて、機敏に対応する必要があるだろう」と話した。

60%急騰
欧州の天然ガス価格が2日の取引で急上昇し、最高値を更新した。ウクライナ侵攻によってロシアのガス供給に不安が生じたことが背景にある。欧州の指標となっているオランダのガス先物価格は、アムステルダム時間2日午前10時時点では59%高の同193.57ユーロで、今週に入り2倍を超える上昇となっている。ロシアの欧州向けガスは今のところ滞りなく供給が続いているが、ロシア政府が制裁に対して報復し、供給が停止する事態に各国政府は備えている。

デフォルトかどうか
ロシアは2日が支払日のルーブル建て国債について、クーポンを支払う意向だと事情に詳しい関係者が述べた。中央銀行が外国人投資家への送金を禁止したため、外国人が資金を受け取れるかどうかは不確かだという。支払いは予想されていたものの、中銀が今週、外国人によるルーブル建て証券の売却禁止などの措置を取ったことから、ロシア債がデフォルト(債務不履行)したと言えるかどうか投資家は頭を悩ませている。外国人投資家は2月初めの時点で約3兆ルーブル(約2兆9900億円)相当のルーブル建て債を保有している。

市場崩壊
ロシアでは株式市場の閉鎖が続き、外国人投資家への現金支払いが全面的に禁止された。ロンドンやニューヨークのファンドは取引を停止。ロシア関連の金融資産はほぼ凍結された様子だ。ロシア経済の生命線、商品の輸出にも混乱が生じ、ロシア産原油を拒否する買い手も現れた。ロンドン証券取引所で取引されるロシア企業の預託証券は価値がほぼ消滅している。同取引所に上場するロシア主要11企業の預託証券に連動するダウジョーンズ・ロシアGDR指数は、2日の取引で一時81%急落し、過去2週間の下落率は98%に達した。ブルームバーグの試算によると、これらの企業を含むロシア企業23社の時価総額は過去2週間で5720億ドル(約66兆1200億円)減少した。

米債券ファンド運営会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同創業者で、かつて債券王として知られるビル・グロース氏は最近出版した回顧録で、政府債務が膨れ上がる中でインフレは長期化する可能性が高く、米連邦準備制度の2%という物価目標は「幻影」との見解を示した。

  グロース氏は債券を「現代の資本主義のウイルス」と呼び、連邦準備制度が債券購入を継続しない限り、米国の10年国債利回りは今後数十年で2倍以上に達する恐れがあると主張した。

  同氏は「将来のインフレが低いか穏やかなら株式、そして債券投資さえうまくいく」としながらも、「3%を上回り、さらに高い」インフレ率は市場の脅威だと指摘し、「調子に乗り過ぎてはいけない」と警告した。

原題:Gross Says Lingering Inflation Should Make Investors Think Twice(抜粋)

スイスの銀行クレディ・スイス・グループ短期金利戦略グローバル責任者、ゾルタン・ポジャール氏は、ロシア軍によるウクライナ侵攻が、ドルにとって転換点の始まりになりかねないとの見解を明らかにした。

  ポジャール氏はブルームバーグポッドキャストで、国際通貨にとって戦争が重大な分岐点になる傾向があり、欧米諸国の制裁に伴いロシアは外貨準備へのアクセスを失ったが、緊迫する状況下でそれが当てにできないというメッセージが全ての国々に発せられたとの認識を示した。

  最も必要な時期に奪い去られる危険を考えると、国際準備の運用担当者にとって安全のためドルを保有する合理性がますます薄れるだろう。

  過去数カ月に限っても、この教訓を学んだのはロシアが初めてではない。タリバンによるアフガニスタンの実権掌握で、バイデン米政権はアフガン中央銀行の在米資産を利用できなくした。これも準備資産が凍結される可能性を示唆するシグナルだ。

  ポジャール氏によれば、こうした認識が各国・地域中銀にドル以外の通貨への外貨準備の分散を促し、欧米の政府から影響を受けにくい資産に自国通貨を固定させようとする動きが出てくるかもしれない。最近の緊張は、国際銀行口座・準備経由の各国・地域の相互接続がこれまでよりはるかに弱い新たな金融秩序の到来を告げるものとなり得ると同氏は主張した。

原題:Zoltan Pozsar Says Russia Bank Ban Threatens the Dollar’s Status(抜粋)

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