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29日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価の終値は前日に比べて338ドル30セント高い、3万5294ドル19セントでした。

ダウ平均株価の値上がりは4営業日連続です。

ニューヨーク原油市場で国際的な原油先物価格の上昇傾向に歯止めがかかっているため、インフレが加速することへの懸念が和らぎ、買い注文が増えました。

IT関連銘柄の多いナスダックの株価指数も1.8%の大幅な上昇となりました。

また外国為替市場では、上昇傾向を続けてきたアメリカの長期金利がこの日、低下したことを背景にドルを売る動きもみられ、円相場は1ドル=122円台後半を中心とした取り引きになっています。

市場関係者は「ロシアとウクライナによる停戦交渉で双方が一定の譲歩を示した形となったことを手がかりに買い注文を出す投資家もいた。ただ、ウクライナ情勢の先行きは依然、不透明で、停戦交渉や戦況をめぐる情報に投資家が神経をとがらせることになりそうだ」と話しています。

危険信号点滅
米国債の2年物利回りが一時10年物を上回り、この組み合わせでは2019年以来初めて逆イールドが発生した。29日の市場では米2年債利回りが上昇する一方、10年債利回りが低下し、2.39%近辺で逆転。逆イールドが前回発生した19年8月は米国と中国が通商問題で争っていた時期で、それ以前に逆イールドが続いたのは06年から07年にかけてだった。

わずかに進展
ロシアとウクライナの交渉団が29日、トルコのイスタンブールで会談した。停戦合意には至らなかったが、戦争開始後初となるゼレンスキー大統領とプーチン大統領の会談が実現する可能性が示唆された。ウクライナ側の交渉担当者は、ロシアが一方的に併合したクリミアと分離主義者が実効支配するドンバス地方を除く領土について安全保障の確約を求めていると説明。首脳間の直接交渉に道を開く狙いで、ロシア側に明らかな歩み寄りを示した。

株は上昇継続へ
米金融当局のタカ派姿勢や、米国債の逆イールドを巡る懸念にもかかわらず、株式相場は上昇を継続し得ると、JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏はみている。先行きを楽観する理由として、歴史的に株式と信用の両市場とも金融引き締めサイクルの開始時に堅調な動きを見せてきたことや、全ての中央銀行が引き締めに動いているわけではなく、日本銀行中国人民銀行は反対方向に進んでいることなどを挙げた。

利上げ加速排除せず
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、年内におけるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の「慎重かつ整然とした」引き上げを見込んでいるとしつつ、近い将来にデータでインフレ高進が示された場合は5月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.5ポイント利上げの選択肢も排除しない考えを示した。総裁はニューヨークでの講演後、質疑応答で「われわれが直面している経済の不確実性の度合いを踏まえれば、次回会合での0.5ポイントという選択肢を排除しない。ただ現時点で断言はしない」と語った。

突破
3カ月物ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が29日、ほぼ2年ぶりに1%を上回った。金融市場で短期債が全般的に売られたことが背景にある。LIBORは3営業日連続で上げ、約1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.006%と、2020年4月以来の高水準。月初来では約50bp上昇している。一段と積極的な米利上げが見込まれているほか、地政学問題で予防的な資金調達需要が増えている。

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