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#経済統計

ドル・円相場が一時1ドル=129円台と20年ぶりの円安水準に振れたことで日本の企業業績にどのような影響を及ぼすのか、投資家にとって銘柄選別の重要な判断材料の一つに浮上している。専門家の声を基に勝ち組・負け組企業を探ると、従来から円安恩恵、逆風業種とみられてきた以外にも顕著な影響が出そうな企業の姿が見えてくる。

  野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは、円安は「海外需要や売上比率の高いセクターにポジティブ」と分析した上で、「円安で業績が後押しされる面があり、企業がそれに甘えてしまい、体質改善しないと次がしんどくなる」とみている。

  同証によると、円安の継続によって業績面でプラスの影響を受けやすい業種は電子材料非鉄金属だ。半導体ウエハーの信越化学工業やSUMCO、半導体用フォトレジストの東京応化工業に加え、スマートフォン向け高精度基板や偏光板の市場シェア拡大が期待できる日東電工の業績が好調に推移する可能性を予想した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一アナリストは、自動車業界について「為替が最大の業績スイングファクター」だと指摘。対米ドルなどの円安進行が完成車や海外生産用の部品の輸出採算の改善につながり、海外子会社の利益を連結決算に取り込む際に円建て換算金額が拡大し得るという。

  三菱モルガンではトヨタ自動車、SUBARU(スバル)、マツダなどの日系主要完成車メーカー8 社の今期(2023年3月期)の合計営業利益は、楽観シナリオで前年同期比36%増の6兆6650億円と「円安頼みの増益」を予想している。

  しかし、原料コスト増につながる資源価格の急騰も相まって、製造業に足元の円安を歓迎するムードはない。JFEホールディングス傘下JFEスチールの岩野利哉営業総括部長は21日の会見で、円安により輸出部分で手取りが増えるのでプラス要因になる一方、ほとんどの原料は輸入に頼っており、プラスとマイナスの両面があるとの見解を示した。

昔のような恩恵ない

  「政府を含めて悪い円安という言葉がでてきているので、必ずしも昔のような鉄鋼業を支える円安ではない。ただ、総合的な影響はこれからよく見極めたい」と述べた。

  住友商事グローバルリサーチの本間隆行チーフエコノミストは、円安のメリットを確保するために「輸出を増やさないといけないが、誰が買うのかというのが一番大きな問題」のほか、企業側にすぐに輸出を増やせるような機動力もないと述べた。

  さらに、自動車業界でも部品不足や労働力が限定されており、「供給面でも制約があり、日本国内で自動車の生産台数をすぐに増やすことはできないだろう」とみている。

  また、製造業各社が過去の円高傾向を受けて、為替の影響を回避するため製造拠点を海外に移転させてきた経緯もある。米モーニングスター伊藤和典アナリストは、過去約10年間で各社が積極的に海外移転を進めた結果、円安メリットは受けられたとしても「以前ほどのインパクトはない」との考えを示した。

ソフトバンクGは86%がドル連動資産

  時価総額が約8兆9000億円と、今や世界の人工知能(AI)テクノロジー企業への投資会社となったソフトバンクグループも円安の恩恵を顕著に受けそうだ。投資調査会社レデックス・リサーチのアナリスト、カーク・ブードリー氏は同社の資産価値の86%がドル連動資産だと指摘。

  円安は「ソフトバンクGにメリットがある」と分析した。同氏がアナリスト分析情報サイト「スマートカルマ」に21日に配信したリポートによると、ドル円が前年同期比で12%変動すると、資産価値は約9%上昇すると試算した。

  また、昨年11月に1兆円の自社株買い計画を発表したソフトバンクGにとっては、ドル建てコストの減少が「二つ目の恩恵」だとブードリー氏は指摘。一方、円安は同社のネット有利子負債を増加させる要因にもなるとみている。

  このほか、三菱モルガンの村上宏俊アナリストはゲーム関連で、海外売上高比率の高い任天堂が為替変動による影響を大きく受けると分析。今期は対ドル1円の円安で11億円の営業増益要因になる。映画では、海外売上高比率の高い東映アニメーション東映は円安が増益要因になるとした半面、東宝は大半が国内収益のため、影響はほぼないという。

オフィス賃料に負の圧力も

  一方、野村証ではエネルギー価格の上昇と円安の進行は輸入原燃料を多く使う紙・パルプやセメント、ガラスセクターにとって大幅なコスト上昇につながると警戒している。

  日本政府がロシアからの石炭輸入を段階的に減らし、最終的に輸入しない方針を示したことで、セメント各社の23年3月期の利益は大きく落ち込むと予想。ロシア炭への依存度が高い太平洋セメント住友大阪セメントは、他地域の石炭に切り替えれば、一段のコスト上昇につながる可能性があるという。

  不動産業界は、円安や物価高を背景にした企業業績の低迷からオフィスなどの賃貸料が今後下落する見通しで、特に不動産賃貸業に大きな影響が出るとみられている。不動産助言会社のアイビー総研の関大介社長は、販売価格に転嫁できない商店が入る商業施設や、収益が圧迫されている企業が入居するオフィスビルは賃料値下げの圧力を受けるため、住友不動産などが大きな影響を受けやすいと話した。

  また、新型コロナウイルス禍で空室率が上昇する中、森ビルの「虎ノ門・麻布台プロジェクト」や三井不動産の「東京ミッドタウン八重洲」など大規模再開発事業の完成に伴って23年はオフィスビルの供給も増加することから、業績が低迷する可能性は「かなり高い」とみている。

日銀は長期金利の上昇を抑えるため、10年もの国債を利回り0.25%で無制限に買い入れる「連続指値オペ」と呼ばれる臨時の措置を今月21日から26日まで実施しました。

4日間で合わせて2兆767億円の国債を買い入れましたが、26日の債券市場では長期金利が依然として日銀が示す変動幅の上限付近で推移しました。

このため日銀は28日まで連続指値オペを追加して実施すると発表しました。

国債は市場で買われると金利が下がるという関係にあり、日銀としては追加の連続指値オペで大量の国債買い入れを続けることで長期金利の上昇を抑え込むねらいがあります。

日銀は27日と28日に金融政策を決める会合を開く予定ですが、今の大規模な金融緩和策に沿って長期金利の上昇を抑えていく姿勢を改めて示した形です。

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#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政