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自民党西田昌司政調会長代理は、5月末に公表された今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」原案には、日本銀行黒田東彦総裁の任期が満了する来年4月以後も黒田路線を継承するという意味が込められているとの認識を示した。党内の積極財政派が集まる財政政策検討本部で本部長を務める。

  骨太原案の2%物価安定目標の実現に関連し、「持続的・安定的」との表現が追加されたことに言及。「次の日銀総裁に対しても黒田路線を継続してやれという意味だ」と語った。

  政府は「日銀との政策協定を今後とも継続していかなければならない」とし、デフレから完全に脱却していない状況で金融緩和を縮小すれば日本経済は間違いなく悪化すると述べた。

  岸田文雄政権は3月、次期日銀総裁人事の試金石として注目されていた日銀政策委員会人事で、7月に任期満了となるリフレ派の片岡剛士審議委員の後任に、「国債暴落」の著者である岡三証券グローバル・リサーチ・センターの高田創理事長を充てた。アベノミクスで大胆な金融政策を掲げて積極緩和派を日銀に次々送り込んだ安倍晋三元首相とは一線を画していた。

次期日銀総裁は雨宮氏と中曽氏が有力、正常化へ実務重視-サーベイ

デフレ脱却まで必要な財政を

  西田氏は、骨太原案から基礎的財政収支(PB、プライマリーバランス)の黒字化を目指す25年度の目標時期が削除されたことについて、政治が「積極財政の方向にかじを切っている」と評価。デフレから脱却するまで必要な財政を出動すべきだと主張した。自国通貨建ての国債はデフォルト(債務不履行)しないとする現代貨幣理論(MMT)推進派で、PB目標の撤廃を訴えてきた。  

PB黒字化の目標年度明記せず、マクロ政策の制約懸念-骨太原案

  アベノミクス下では金融を緩和したものの「肝心の民間経済が負債や投資を十分に拡大しなかったため、完全なデフレ脱却に至っていない」と指摘。「PB目標があったため長期的投資計画が一切なかった。政府が中長期計画を立て、10年後の日本はこういう形で良くなります、こういう方向にお金を使いますと示せば民間投資は当然増える」と言う。

  「新しい資本主義」を掲げる岸田文雄首相については、「もともとは脱新自由主義大きな政府、長期計画、分配と成長。私の言っていることと根っこは一緒のはず」と説明した。聞く力を売りにする首相は「今までと方向性が違うことをはっきり言わず、匂わせている。党内の財政健全派や緊縮派、世論をおもんぱかって訳の分からんことになっている」と述べた。

他の発言
資源高を踏まえ、物価目標を生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIに変更すべきだ
PB黒字化目標年度の背景には赤字国債の発行を禁じた財政法がある、財政の自由度を奪う財政法は変えるべきだ
25年度の特例公債法の期限を35年度に延長して国債発行の自由度が増せば、バブル崩壊以前に各省庁が出していたような長期計画が可能になる

日銀の黒田東彦総裁は6日、共同通信社の「きさらぎ会」で講演し、「揺るぎない姿勢で金融緩和を継続していく」と強調した。賃金が上昇しやすい経済環境を作り、インフレ予想の上昇や値上げ許容度の変化を持続的な物価上昇につなげていく考えを示した。大半の品目で価格の伸びがゼロ%で張り付く現状を打破するため、来年度以降の賃上げ率に実績のインフレ率が反映されることが必要だと語った。

<焦点は来年度の賃上げ動向>

黒田総裁は講演で「日本経済は依然として感染症からの回復途上にある上、所得面では資源価格上昇という下押し圧力も受けており、金融引き締めを行う状況には全くない」と話した。

2%の物価目標の実現は「景気の変動などをならしてみて、平均的に2%になることだ」と指摘。現在の強力な金融緩和を継続することで、企業収益や雇用・賃金が増加し、その中で物価の基調も緩やかに上昇する好循環を形成する必要があるとの考えを示した。

黒田総裁は「日本で毎年2%程度の物価上昇が実現する状態は、サービス価格の押 し上げ寄与が常に2%程度あり、その前後の変化率で、財価格が循環的に変動するという姿」と説明。日本では、価格変化率がゼロ%となっている品目が圧倒的に多く、この状況が強固に続いてきたことが大規模な金融緩和を推進する中でも2%目標を達成できなかった最大の理由だと語った。

こうした状況を打破するには賃金の上昇が重要だとし、金融緩和の継続で労働需給の引き締まった状態を長期化し、毎年の労使交渉で決まる賃上げ率に物価上昇率の実績値が反映されていくことが必要だと述べた。

黒田総裁は「企業の価格設定スタンスが積極化している中で、日本の家計の値上げ許容度も高まってきているのは、持続的な物価上昇の実現を目指す観点からは重要な変化だ」と指摘。

コロナ禍の消費抑制で積み上がった「強制貯蓄」が家計の値上げ許容度の改善につながっている可能性があり、「強制貯蓄の存在等により日本の家計が値上げを受け入れている間に、良好なマクロ経済環境をできるだけ維持し、これを来年度以降のベースアップを含めた賃金の本格上昇にいかにつなげていけるかが当面のポイントだ」とした。

<円安で恩恵の企業、設備投資・賃上げなら好循環>

円相場はこのところ再び円安に傾き、1ドル=130円台後半で推移している。黒田総裁は質疑応答で「急激な変動ではなく安定的な円安方向の動きであれば、日本経済全体として見ればプラスに作用する可能性が高い」と述べた。

企業の業種や規模によって円安の影響は「不均一だ」だが、例えば外国人観光客の受け入れ再開は「感染症の影響で強い下押し圧力を受けてきた地方の中小サービス業にメリットをもたらす」とした。「円安の恩恵により収益の改善した企業が設備投資を増加させたり、賃金を引き上げたりすることで経済全体として所得から支出への前向きの循環が強まっていく」と強調した。

<応札ゼロ続く指し値オペ、アナウンスメント効果も>

黒田総裁は講演で、指し値オペへの応札ゼロが続いていることについて「日銀が指し値オペにより無制限に国債を買い入れるというアナウンスメント効果も、市場参加者の予想形成に大きな影響を与えている」などと述べた。

日銀は4月の金融政策決定会合で10年物国債金利0.25%での指し値オペを原則毎日行うと決定。その後、応札のない状況が続いている。

日銀の黒田東彦総裁は6日、共同通信社の「きさらぎ会」で講演し、「揺るぎない姿勢で金融緩和を継続していく」と強調した。賃金が上昇しやすい経済環境を作り、インフレ予想の上昇や値上げ許容度の変化を持続的な物価上昇につなげていく考えを示した。大半の品目で価格の伸びがゼロ%で張り付く現状を打破するため、来年度以降の賃上げ率に実績のインフレ率が反映されることが必要だと語った。

<焦点は来年度の賃上げ動向>

黒田総裁は講演で「日本経済は依然として感染症からの回復途上にある上、所得面では資源価格上昇という下押し圧力も受けており、金融引き締めを行う状況には全くない」と話した。

2%の物価目標の実現は「景気の変動などをならしてみて、平均的に2%になることだ」と指摘。現在の強力な金融緩和を継続することで、企業収益や雇用・賃金が増加し、その中で物価の基調も緩やかに上昇する好循環を形成する必要があるとの考えを示した。

黒田総裁は「日本で毎年2%程度の物価上昇が実現する状態は、サービス価格の押 し上げ寄与が常に2%程度あり、その前後の変化率で、財価格が循環的に変動するという姿」と説明。日本では、価格変化率がゼロ%となっている品目が圧倒的に多く、この状況が強固に続いてきたことが大規模な金融緩和を推進する中でも2%目標を達成できなかった最大の理由だと語った。

こうした状況を打破するには賃金の上昇が重要だとし、金融緩和の継続で労働需給の引き締まった状態を長期化し、毎年の労使交渉で決まる賃上げ率に物価上昇率の実績値が反映されていくことが必要だと述べた。

黒田総裁は「企業の価格設定スタンスが積極化している中で、日本の家計の値上げ許容度も高まってきているのは、持続的な物価上昇の実現を目指す観点からは重要な変化だ」と指摘。

コロナ禍の消費抑制で積み上がった「強制貯蓄」が家計の値上げ許容度の改善につながっている可能性があり、「強制貯蓄の存在等により日本の家計が値上げを受け入れている間に、良好なマクロ経済環境をできるだけ維持し、これを来年度以降のベースアップを含めた賃金の本格上昇にいかにつなげていけるかが当面のポイントだ」とした。

<円安で恩恵の企業、設備投資・賃上げなら好循環>

円相場はこのところ再び円安に傾き、1ドル=130円台後半で推移している。黒田総裁は質疑応答で「急激な変動ではなく安定的な円安方向の動きであれば、日本経済全体として見ればプラスに作用する可能性が高い」と述べた。

企業の業種や規模によって円安の影響は「不均一だ」だが、例えば外国人観光客の受け入れ再開は「感染症の影響で強い下押し圧力を受けてきた地方の中小サービス業にメリットをもたらす」とした。「円安の恩恵により収益の改善した企業が設備投資を増加させたり、賃金を引き上げたりすることで経済全体として所得から支出への前向きの循環が強まっていく」と強調した。

<応札ゼロ続く指し値オペ、アナウンスメント効果も>

黒田総裁は講演で、指し値オペへの応札ゼロが続いていることについて「日銀が指し値オペにより無制限に国債を買い入れるというアナウンスメント効果も、市場参加者の予想形成に大きな影響を与えている」などと述べた。

日銀は4月の金融政策決定会合で10年物国債金利0.25%での指し値オペを原則毎日行うと決定。その後、応札のない状況が続いている。

日銀の黒田総裁は6日、都内の講演で、日本経済は欧米とは異なり、新型コロナの感染拡大前の水準を回復できていないなどとして「金融引き締めを行う状況には全くない」と述べ、今の大規模な金融緩和を続ける方針を強調しました。

この中で黒田総裁は、日本経済の現状について「感染症による落ち込みからの回復途上で、欧米とは異なり、感染拡大前の水準を回復できていない。また、日本は資源輸入国であり、最近の国際的な資源価格の上昇によって所得面で下押し圧力を受けている」と指摘しました。

そのうえで「金融引き締めを行う状況には全くない。経済活動をサポートすることが最優先課題だ」と述べました。

さらに黒田総裁は「賃金と物価が、相乗的に上昇していく好循環を作り出す必要がある。日銀としては、賃金が上昇しやすい環境を提供し、持続的な物価上昇へとつなげていくよう、揺るぎない姿勢で金融緩和を継続していく」と述べ、今の大規模な金融緩和を続ける姿勢を強調しました。

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