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日銀の黒田総裁の任期が8日で残り1年となります。
原材料価格の高騰を受けて、物価上昇が今月以降、目標に掲げている2%に達するという見方が強まっていますが、黒田総裁は賃金や需要の押し上げを伴っていないとして大規模な金融緩和を続ける方針を示しています。

一方で、金融引き締めに転じる欧米との政策の方向性の違いから円安が進み、家計や企業の負担も増えていて、残る1年は金融緩和と円安、物価上昇とのはざまで極めて難しいかじ取りを迫られることになります。

2013年3月に就任し、在任日数が歴代最長となっている日銀の黒田総裁は、来年4月8日までが任期となっています。

デフレ脱却に向け、2%の物価上昇を目標として大規模な金融緩和に踏み切り、これまで9年間、形を変えながら金融緩和を続けてきました。

こうした中、エネルギーなど原材料価格の高騰の影響で、消費者物価指数の上昇が今月以降、2%に達するという見方が強まっています。

しかし、黒田総裁は賃金の上昇や需要の増加を伴っていないなどとして、金融緩和を継続する方針を示しています。

一方で、インフレへの懸念が強まるアメリカなどは金融引き締めに転じていて、政策の方向性の違いから円安が加速する形となっています。

金融緩和を続ければ一段と円安や輸入する原材料の価格上昇が進みかねず、それを抑えるため金融引き締めに転じれば景気を冷え込ませかねないという状況に直面していて、残る1年は極めて難しいかじ取りを迫られることになります。

さらに、黒田総裁のあとを引き継ぐ後任人事についても、政府が検討を本格化するものとみられます。

黒田総裁は2%の物価目標を2年程度で実現するとして国債などの買い入れを大幅に増やし、市場に大量の資金を供給する政策を打ち出しました。

「黒田バズーカ」とも呼ばれた大規模な金融緩和で円安と株高が進み、マイナスで推移していた消費者物価指数の上昇率もプラスに転じました。

しかし、その後も大規模な金融緩和を続けたものの、物価上昇率は目標の2%には届かず、2016年1月、日銀史上初めてとなる「マイナス金利政策」の導入に踏み切ります。

金融機関から預かっている当座預金の一部にマイナスの金利を適用するもので、世の中に出回るお金の量を増やすねらいがありましたが、金融機関の収益や資産運用などが圧迫されるなどの「副作用」を指摘する声が次第に強まっていきました。

こうした中、日銀は2016年9月、大規模な金融緩和を継続しつつ、短期金利をマイナスにしたうえで長期金利をゼロ%程度に抑えるという金融政策を導入し、今もこの枠組みを続けています。

おととしには新型コロナウイルスの影響を受けた経済を下支えするため、国債や複数の株式をまとめてつくるETF=上場投資信託などの買い入れの上限を一段と引き上げるなど、金融緩和を続けましたが、これまで2%の物価目標を達成できていません。

黒田総裁が率いる日銀は、金融緩和と円安などのはざまでジレンマに陥っている状況です。

原油や金属、穀物など原材料価格が高騰している影響でガソリンや食料品などさまざまな製品やサービスが値上がりしていて、消費者物価指数の上昇率は今月以降、日銀が目標としてきた2%に達するという見方が強まっています。

しかし、黒田総裁は、賃金の上昇や需要の増加を伴っていないなどとして「金融引き締めは景気を後退させる懸念があり、適切ではない」と述べ、景気の好循環を作り出すまで粘り強く金融緩和を継続する方針を示しています。

日銀が金融緩和を堅持する方針を示す一方、アメリカは歴史的なインフレを抑制するため中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会が利上げを急ぐ姿勢を強めています。

こうした日米の金融政策の方向性の違いによって、外国為替市場では日米の金利差が拡大していくことが強く意識され、円安ドル高の加速につながっています。

特に日銀が先月、長期金利の上昇を抑えるため、一定の期間、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「連続指値オペ」と呼ばれる措置に踏み切ったことは、日銀が金融政策を堅持する表れとして受け止められ、円安が加速しました。

この1か月で10円も円安ドル高が進み、先月28日にはおよそ6年7か月ぶりに1ドル=125円台をつけました。

今後も日米の金融政策の方向性が変わらなければ、円安傾向が続くという見方も出ています。

黒田総裁は「円安は全体としては日本経済にプラス」という立場ですが、原材料価格が高騰する中でさらに円安が進めば輸入物価が押し上げられ、さまざまな製品やサービスの一段の値上がりにつながり、家計や企業収益が圧迫されマイナス面が大きくなる懸念も出ています。

黒田総裁は金融緩和を継続する方針を示していますが、そうなるとさらに円安が進み、景気悪化につながりかねないリスクがあります。

一方で物価上昇を抑えようと金融引き締めに転じれば、賃金上昇や需要増加が実現しないまま、金利上昇など通じて景気を後退させるリスクがあります。

つまり、どちらを選択しても景気悪化につながるおそれがあり、政策のかじ取りが極めて難しくなっています。

おととしまで日銀で理事を務めた、ちばぎん総合研究所の前田栄治社長は、今後1年間の金融政策の方向性について、2%の物価上昇を持続的なものにするために黒田総裁は今の政策を維持することが重要だと考えているのではないかと述べたうえで「アメリカと違って、やはりコロナ禍からの経済回復は鈍い。金融政策が明確に修正される可能性は低いのではないか」と述べました。

そのうえで「就任当初はシンプルで分かりやすいメッセージの出し方だったが、途中から分かりにくくなったという見方もある。情勢が複雑になり、やむをえない部分もあるが、例えば足元の円安についての説明ではプラス効果のメッセージが強く出ていて、もう少し丁寧に説明した方がいいのではないか」と指摘しています。

金融政策に詳しい日本総合研究所の河村小百合主席研究員は、今後1年間の金融政策の方向性について「今までの政策運営をそのまま維持するという硬直的なやり方ではなく、局面の大きな変化に応じて柔軟な金融政策の運営が望まれている」と述べました。

具体的には、短期金利をマイナスにし長期金利を0%程度で調節するとしている金融政策の枠組みについて、見直しを検討する姿勢を示すことも選択肢になりえると指摘しました。

そのうえで、大規模な金融緩和を正常化させるいわゆる出口政策について「出口政策に何も触れずに任期の最後まで迎えるのは、もたない状況だ。今後の見通しをしっかり国民に説明し、財政当局とも協調して進めていくことが必要なのではないか」と指摘しました。

日本銀行理事の早川英男氏(東京財団政策研究所主席研究員)は、日銀は早ければ今夏にも長期金利の変動容認幅の再拡大などイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の弾力化に動くとの見解を示した。物価上昇や円安進行に対する国民の不満が高まると予想した。

  早川氏は7日のインタビューで、7月の金融政策決定会合では、ゼロ%を中心に上下0.25%程度としている長期金利の変動許容幅の拡大や、長めの金利目標の10年から5年などへの短期化もあり得ると指摘した。「金融政策の大枠は変えられない」とし、政策修正はYCCの弾力化にとどまるとみている。

  日銀が4月末の金融政策決定会合で議論する経済・物価情勢の展望(展望リポート)に関しては、経済成長率を下方修正し、消費者物価見通しを上方修正すると分析した。夏場にかけて物価上昇圧力が強まる中、7月の会合と同リポートの公表に向けて日銀が経済にプラスとしている円安の評価を変更する可能性が大きいと述べた。

  消費者物価は「年央から夏にかけて2%を超える」とみる。ただコスト高が主因となることから賃上げの動きは鈍く、「物価上昇の持続性は低い」という。

  ウクライナ情勢を受けて資源や食料品の価格に一段と上昇圧力が強まる中で、日銀による長期金利抑制策が円安を促し、物価上昇に拍車を掛ける構図になっている。4月以降は携帯電話通信料の値下げの影響がはく落し、消費者物価の前年比上昇率は日銀が目標とする2%前後に高まる見通しだ。政府は物価高に対応する新たな経済対策を4月末までにまとめる。

  黒田東彦総裁は円安は全体として日本経済にプラスとの主張を繰り返し、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる指し値オペも使って長期金利の上昇を抑制しているが、早川氏は「いつまでも続けられるものではない」と指摘する。円安の恩恵を受けるグローバルに活動する企業が賃金をそれほど上げず、投資をしないようでは「適切な分配が行われず、日本国民の大多数は歓迎しない」とみる。

  すでに現在の円安は「ファンダメンタルズから明らかにかい離している」とも分析。インフレへの対応が遅れている米国が利上げを進める一方で、日銀が懸命に長期金利の上昇抑制に努めれば、「なぜそこまでして円安にしたいのかと国民に思われるだけだ」と語った。

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#アベノミクス#リフレ#金融政策
#円安政

財務省が発表した国際収支統計によりますと、ことし2月の日本の経常収支は、1兆6483億円の黒字となりました。

経常収支が黒字となるのは3か月ぶりです。

内訳をみると、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」は、原油LNG液化天然ガスの価格が上昇したことなどによって輸入額が増えたことから、1768億円の赤字となりました。

一方で、海外の証券投資などで得た利子や配当のやり取りを示す「第一次所得収支」の黒字はアメリカ国債の利払いが2月に行われたことなどから、2兆2745億円となり、経常収支の黒字は確保された形となりました。

ただ、黒字額は去年の同じ月より1兆2177億円、率にして42.5%減りました。

ロシアのウクライナへの軍事侵攻をめぐり、原油の国際的な先物価格は高止まりしていて原油価格の上昇などが続けば、経常収支の黒字額が縮小する傾向が続く可能性も指摘されています。

#経済統計