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韓国のパク・チン外相は、27日、ソウルに駐在する外国の報道機関向けに記者会見を開きました。

この中で、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、日本企業の韓国国内の資産を売却する「現金化」が行われれば、日韓関係は再び回復できないほど悪化する見通しが出ていると指摘し「韓国政府としては『現金化』される前に望ましい解決策を見いだすために努力している」と強調しました。

そのうえで「日本側でもこのような努力に対して、相応する誠意ある措置があってこそ、問題が解決されると思う」と述べた一方、日本側に求める具体的な内容には触れませんでした。

一方、パク外相は、北朝鮮が7回目の核実験に向けた準備を終えたもようだという見方を示したうえで「北の挑発が行われれば、国際社会はそれに相応する強力な制裁を出すだろう。みずからの安全保障を阻害し、さらに孤立化する結果を招くおそれがあるため、よく考えなければならない事案だ」とけん制しました。

韓国は北朝鮮による核攻撃を抑止するため、必要に応じて先制攻撃の態勢を整える戦略に力を入れている。ただ一部の専門家は、軍拡競争を加速させ、有事における判断ミスを生み出すリスクがあると指摘する。

5月に就任した韓国の尹錫悦大統領は、北朝鮮による核攻撃に対抗するため、目標の特定から破壊へと至るまでのいわゆる「キルチェーン」システムを改めて重視する姿勢を明確にしている。

「キルチェーン」は10年前、北朝鮮が核開発を加速させた時期に策定された。そこでは、北朝鮮のミサイル発射の兆候が探知された場合に、ミサイルや同国指導部に対して先制攻撃を加えることが求められている。

一部の専門家や元当局者は、このシステムは理にはかなっているが、リスクは大きく、北朝鮮の核による脅威に対抗するという点では信頼性に劣る可能性があると指摘する。

米国に拠点を置く国際平和カーネギー基金の上級研究員、アンキット・パンダ氏は、北朝鮮の指導者である金正恩氏に対する攻撃を示唆することは特に不安定化につながると語る。

「韓国が、北朝鮮の最高指導者の排除に心を引かれることは理解できる。だが核保有国の指導者殺害を示唆することは、他に類を見ないほど危険だ」とパンダ氏は言う。

ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)のミサイル専門家ジェフリー・ルイス氏は、韓国の計画を「朝鮮半島における核戦争につながる恐れが最も高い道」であると断じる。

「これは『軍事』作戦としては最も成功する可能性が高い」とルイス氏はツイッターに投稿した。「だが同時に、両国関係の緊迫化に歯止めが掛からなくなり、核戦争が始まる可能性が最も高い選択肢でもある」

こうした懸念について韓国国防省にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

尹大統領は以前、そもそも北朝鮮に攻撃を仕掛けさせないために、「キルチェーン」体制を強化することが肝要だと発言している。

<軍備増強>

尹政権は今月、先制・反撃の戦略を統括する「戦略司令部」を2024年までに創設することを発表した。戦略には、このところ頻度を増している演習にも登場している弾道ミサイルやF-35Aステルス戦闘機、新型潜水艦といった軍備の増強も盛り込まれている。

韓国はさらに、米国とは独立して北朝鮮国内の標的を検知するため、独自の偵察衛星などのテクノロジーを開発することも模索している。

だが専門家の中には、先制攻撃が期待通りの成果を上げるかどうか疑問視する向きもある。

ここ数カ月、北朝鮮極超音速ミサイルや、戦略核兵器が搭載可能だとするミサイルの実験を重ねており、韓国政府が差し迫った攻撃に対応する時間の余裕は削られている。

パンダ氏は「限定的に核を使用し、自分は生き延びることができると金正恩氏が考える根拠は十分にある」と話す。

その一方で、指導部殺害のための攻撃にフォーカスすれば、金正恩氏は有事に際してもっと危うい指揮統制を行うかもしれないとパンダ氏は言う。たとえば、自分が殺害された場合でも核兵器を使用できるように、権限を他者に委譲することなどが考えられるという。

<米軍との連携は>

欧州の国防専門家であるイアン・バウワーズ、ヘンリク・スタルヘイン・ヒーム両氏は、2021年に発表された学術報告書の中で、韓国の戦略の根底には米国に見捨てられた場合のリスクヘッジがあると主張。「どれだけ不確実であろうと、この戦略の抑止効果は、米国が韓国を見放した場合の一時しのぎにはなる」と記した。

こうした懸念が高まったきっかけは、米国のトランプ前大統領が韓国政府に対し、駐韓米軍のための支援予算を数十億ドル上積みするよう求め、在韓米軍の撤退をちらつかせたことだ。

米国は朝鮮半島に約2万8500人の兵力を駐留させ、米韓連合軍の戦時作戦統制権を掌握している。

だが、5月まで韓国国防省で国際政策を担当していたパク・チョルキュン氏は、先制・反撃戦力の開発は、必ずしも米国の関与を巡る懸念を反映しているわけではないと述べている。

パク氏はロイターの取材に対し、創設予定の戦略司令部には新たな作戦体系と指揮命令系統が導入され、「キルチェーン」で用いられる兵器と関連システムの間に「シナジー」をもたらし、抑止・対応能力を高める見通しだと説明した。

朝鮮半島情勢に詳しい米国の元高官は、北朝鮮に対して独自の力を誇示したいと考える韓国側の関係者にとって不都合な事実は、いかなる先制攻撃を行う場合でも米国との事前協議が必要になるという点だと指摘する。

「先制攻撃は、自衛のための行動には当たらない。定義上、米韓同盟による決定が必要なカテゴリーに該当する」と元高官は話す。さらに、挑発されていない状況で北朝鮮を攻撃することは、1950-53年の朝鮮戦争が公式な講和条約なしに終結して以来有効となっている休戦協定に対する「重大な違反」に相当するという。

国防総省の報道官を務めるマーティン・マイナーズ中佐は、今後の軍事資産の展開や韓国との軍事計画についてはコメントを控えたが、米韓連合軍の体制については両国間の協議に基づき決定されると述べた。

「米国は今も外交的アプローチにコミットしているが、米国とその同盟国の安全保障を確保するために、引き続きあらゆる必要な措置を取るだろう」とマイナーズ報道官は言う。

トランプ政権で国防長官を務めたマーク・エスパー氏はロイターに対し、「自衛」が基本原則だが、そこには必要に応じた先制攻撃が含まれると述べた。

北朝鮮がソウルに対して核攻撃を行おうとしているという確かな情報があれば、シナリオとしては明らかに先制攻撃が正当化されるだろう」

北朝鮮金正恩朝鮮労働党総書記は、核戦争抑止力を動員する万全の態勢が整っており、米国とのいかなる軍事衝突にも対応する用意があると表明した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が28日伝えた。

また、韓国の尹錫悦政権を非難し、先制攻撃を試みれば厳しい報復を受け「全滅」することになると警告した。

朝鮮戦争の休戦協定締結から69年を迎えた27日の演説で述べたという。

金総書記は、自国の核戦争抑止力について「正確かつ迅速な使命遂行に最大能力を動員する万全の態勢が整っている」とし、「米国とのいかなる軍事衝突に対しても完全に準備が整っていることを改めて明確にする」と語った。

米との対立によって自衛力強化という「歴史的緊急任務」を果たす必要が生じており、核の脅威がもたらされたと主張した。

米韓両政府の当局者らは、北朝鮮が2017年以来初となる核実験の準備を整えたと分析している。

韓国の統一相は26日、休戦協定締結の記念日に核実験が行われる可能性があると述べたが、軍当局者は差し迫った兆候はないとした。

金総書記は演説で、米国は北朝鮮軍の定例活動を全て「挑発」や「脅威」と呼んで誤解を生み出す一方で、大規模合同軍事演習を実施して北朝鮮の安全保障を深刻に脅かす「二重行動」を見せており、この結果、「両国関係は対立状態の後戻りが難しい局面を迎えた」と主張した。

28日付けの北朝鮮朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、朝鮮戦争アメリカに勝利したとする「戦勝記念日」の行事が27日に開かれ、キム・ジョンウン総書記が演説したと伝えました。

この中で、キム総書記は、アメリカに対して「いかなる軍事的衝突にも対処する徹底した準備ができている。わが国の安全を侵害しようとするならば、より大きな危機を甘受しなければならなくなる」と述べて、対決姿勢を鮮明にしました。

また、韓国のユン・ソンニョル政権に対しては「わが国の戦争抑止力を無力にさせる『先制攻撃』を辞さないと、虚勢を張っている」などと指摘したうえで「われわれの軍事力の一部を、先制的に無力にしたり、破壊したりする危険な試みは、即時に強力な力で懲らしめられ、ユン『政権』とその軍隊は全滅するだろう」と強くけん制しました。

そのうえで「わが国の核戦争抑止力は、みずからの使命に忠実、正確、そして迅速に動員する万全の態勢にある」として、核兵器を即時に使用できる態勢が整っていると主張しました。

キム総書記が、ユン大統領を名指しして、批判するのは初めてとみられ、アメリカとの同盟関係に基づいて北朝鮮への抑止力強化を進めるユン政権を、強くけん制するねらいがあるとみられます。

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