【速報 JUST IN 】インドネシア サッカー場で暴動 127人死亡 ロイター通信伝える #nhk_news https://t.co/XIGjwZFMg9
— NHKニュース (@nhk_news) 2022年10月2日
インドネシアの東ジャワ州マランにあるスタジアムで1日夜、地元のチームが出場するプロサッカーリーグの試合が行われました。
警察などによりますと試合のあと、負けたチームの観客がグラウンドに入り込み、警察が催涙ガスを発射したということです。
この結果、呼吸困難やパニックになった人が踏みつけられるなどして州当局の幹部は地元メディアに対して観客と警察官、少なくとも174人が死亡し、およそ180人がけがをして病院で手当てを受けていると話しています。
試合に敗れた、地元に本拠を置くサッカーチーム「アレマFC」は本拠地では20年以上敗れたことがありませんでしたが、相手チームに負けたことで一部のファンが怒って暴徒化した模様です。
警察は観客をスタンドに戻そうとしたものの、混乱がおさまらず、催涙ガスを発射したところ逃げようとした観客が出口に殺到して多くの人が踏みつけられたと説明しています。
試合には両チームに所属する日本人選手がそれぞれ1人ずつ、あわせて2人出場していて、このうち勝ったチームで決勝点をあげたのも日本人選手でした。
ロイター通信は、「近年スタジアムで起きた惨事の中では世界的に最悪のものの1つとみられる」と伝えています。
当時スタジアムにいた22歳の男性は搬送先の病院でロイター通信のインタビューに答えています。男性は催涙ガスが発射されたために倒れたと話し、腕を骨折したり、呼吸器に障害が出たりしているということです。
その上で「催涙ガスはスタジアムの中だけでなく、外でも発射されました。当局側が私たちを人間扱いしなかったせいで多くの友人が命を失いました。本当に失望しています」と憤りをあらわにしました。そして「こうしたことが二度と起きないでほしいです。正義を求めます」と訴えていました。
また、負傷者が搬送された病院の医療従事者は「運ばれてきた人たちのほとんどが外傷や息切れ、酸素不足を訴えています。多くの人が現場で煙による影響を受けたものとみられ、症状は複合的な原因によるものだろう」と話していました。
両チームが所属するリーグの記録によりますと、地元、東ジャワ州のマランに本拠を置くアレマFCとペルセバヤ・スラバヤの試合は現地時間の1日夜午後8時に始まりました。
試合には両チームに所属する日本人選手がそれぞれ1人ずつ、合わせて2人出場していて、このうち勝ったペルセバヤ・スラバヤで決勝点をあげたのも日本人選手でした。
かつてインドネシアの1部リーグのチームでプレーしていた日本人の元プロサッカー選手はNHKの取材に対し、自分の現役時代も、アウェーの試合で勝利を収めた際に身の危険を感じたケースがあったことを明らかにしました。
元プロサッカー選手の松永祥兵さん(33)はおととしまで9年間にわたってインドネシアの1部リーグのチームでプレーした経験があり、2日、NHKのインタビューに応じました。
このなかで、松永さんは「スタジアムに関係なく、大勢の観客がグラウンドに入ってくることはあった。選手は観客が入ってきたらロッカールームに逃げていた。試合の際には警察が何百人もスタジアムに入っているので、あまり怖いということはないが軍用車がスタジアムに入ることもあった」と話し、観客がグラウンドに侵入し、軍や警察が対応する事態は日常的なことだったと振り返りました。
また、「アウェーの試合に勝ってバスで帰る際、30台から40台のバイクで追いかけてきた相手チームのサポーターに石を投げられてバスの後部座席のガラスが割れ危険な状態になったこともある」と話し、アウェーの試合で勝利を収めた際には身の危険を感じたケースがあったことを明らかにしました。
そのうえで、松永さんは「サポーターが多く、ホーム戦で絶対に負けられないと熱くなっていたと思いますが、こうした事態になってしまい本当に残念です。こういう事態をなくしていかないと、いい選手や監督がインドネシアのチームに入ってこなくなるため、警備態勢と試合を見る側のマナーのどちらも改善しないといけないと思います」と話していました。
インドネシアのサッカー1部リーグには今シーズン、18のクラブチームが参加しています。1日夜行われていた試合では、いずれも東ジャワ州に本拠を置くチームが対戦しました。
▼「アレマFC」は試合が行われたマランに本拠を置きます。▼対戦相手の「ペルセバヤ・スラバヤ」はマランからおよそ100キロ北にあるスラバヤに本拠があります。
リーグのホームページによりますと両チームには日本人選手がそれぞれ1人ずつ、あわせて2人が所属し、1日夜の試合に2人とも出場していました。ホームページによりますと1部リーグには、この2人を含めあわせて8人の日本人選手が所属しているということです。
インドネシアでは来年5月から6月にかけてサッカーの20歳以下のワールドカップが開幕される予定です。大会は当初、去年の5月から6月にかけて開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止となり、FIFA=国際サッカー連盟は来年の開催をめざすとしていました。
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