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英金融市場は17日にトラス英首相の経済対策について判断を下す新たな機会を得るが、混乱が生じた場合にそれを相殺するイングランド銀行(英中央銀行)の支援はない。

  先進国の政治動向がこれほど市場の動揺を伴うことは異例だ。トレーダーはトラス首相の財政計画を激しく拒絶したため、ポンドは記録的安値に急落。首相はクワーテング財務相更迭を余儀なくされ、大幅減税の一部を撤回した。投資家の信頼回復に必要な措置や、首相自身の将来についても疑問が渦巻いている。

トラス英首相、法人税引き上げ凍結を撤回-財務相交代で方針転換 (1)

  トラス首相は14日の会見で窮地に立たされていることを認め、「財政規律について市場を安心させるため今こそ行動が必要だ」と述べた。その後、ベイリー英中銀総裁は既にハント新財務相と話をし、財政の持続可能性が重要である点で一致したことを明らかにした。

ハント英財務相、中銀総裁の支持確保-トラス首相の存在感低下は必至

  こうした当局者発言は市場の沈静化に役立つ可能性はあるが、以前なら考えられなかったトラス政権の行動でも投資家の支持を取り戻すのに十分かどうかは不明だ。さらに、英中銀の緊急債券購入プログラムはもはや終了しており、英国市場は週明けも神経質な動きになりそうだ。

  UBSの金利ストラテジスト、ロハン・カーナ氏は16日、「この3週間の出来事で明らかに信頼が損なわれており、それを回復するには時間がかかるかもしれない」と予想した。

ゴールドマン、英国の成長率見通し引き下げ-税制策の方向転換で

  ポンドは14日に対ドルで約1.4%安で終了した後、アジア時間週明け17日早朝に一時0.5%高の1ポンド=1.1226ドルを付けた。投資家には17日に英国債市場の取引開始時が鍵となりそうだ。

  ハント財務相就任で財政状況の支えは増えたものの、年金基金の資金運用を行う年金負債対応投資(LDI)ファンドが英中銀の支援終了前に現金バッファーを再建する時間をとれたかを巡る不透明感は残る。

  カーナ氏は「政府からのメッセージは明らかに市場を支えるだろうが、LDIファンドの対応がどれだけまだ残っているかを言うのは難しい」と述べた。

ハント英財務相、中銀総裁の支持確保-トラス首相の存在感低下は必至

  英国債はロンドン時間17日午前8時(日本時間同午後4時)に取引が再開される。利回りが再び急上昇すれば、英首相官邸からの追加措置や英中銀の新たな支援策も必要とされる可能性がある。18日と19日の国債入札も注目材料となる。

  英国債相場は14日に売り込まれ、英30年債利回りは4.78%で終了。英中銀の介入で譲れない一線とされる5%に接近した。利回りは数時間で60ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く変動した。

原題:Truss Faces Market Judgment as BOE Exit Leaves UK Exposed(抜粋)

英議員らが今週にトラス首相の更迭を目指していると、英紙デイリー・メールが匿名の関係筋の話として報じた。

与党・保守党議員100人以上が、党首信任手続きを扱う委員会のグラハム・ブレイディ委員長に、トラス氏の不信任案を提出する構えだという。

議員らはブレイディ氏がトラス氏に辞任を勧告するか、党の規則を変更してトラス氏に対する信任投票を即座に実施できるようにすることを求める意向。

ただ、ブレイディ氏はこの動きに抵抗しており、トラス氏とハント新財務相に31日の予算案発表で経済戦略を打ち出す機会を与えるべきとの立場だという。

また、英紙タイムズは、党首交代に向けて一部議員が秘密裏に議論を行ったと報じた。

トラス氏は14日、クワーテング財務相を解任すると同時に、法人税減税策を撤回すると表明。9月6日の就任直後に打ち出した大型減税策を柱とする経済対策で金融市場に混乱が広がった責任を示した形だが、トラス氏自身の足元が揺らいでいる。

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