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市場が予想する米連邦準備理事会(FRB)の現在の利上げサイクルにおける政策金利の最終到達点(ターミナルレート)が、切り上がりつつある。2日に終わった連邦公開市場委員会(FOMC)後に行われたパウエルFRB議長の会見内容がタカ派的と受け止められたためだ。

FOMC前までフェデラルファンド(FF)先物が想定していたのは、政策金利が来年5月ごろに5.02%でピークを付けるという展開だった。そして将来の利上げ幅縮小の可能性が示唆されたFOMC声明公表直後には、予想ターミナルレートはいったん4.96%に下がる場面があった。

ただパウエル氏が会見で「利上げ停止を考えるのは極めて時期尚早」と発言すると市場の地合いは一変し、3日時点で政策金利は来年6月に5.14%まで上昇すると見込まれている。

TDセキュリティーズはターミナルレートの予想水準を4.75─5.00%から5.25─5.50%に引き上げ、次回12月FOMCの利上げ幅は50ベーシスポイント(bp)になるとの見通しを示した。

同社ストラテジストチームは「FOMC声明と議長会見は今後の利上げペース減速に道を開いたが、同時にFRBの利上げ経路はまだ先が長く、9月に想定していたより政策金利の最終到達点が高くなりそうなこともはっきりした」と記した。

ノムラのエコノミストチームも、予想ターミナルレートを25bp上方修正して5.50─5.75%としている。12月の利上げ幅はやはり50bpになるという。

BNPパリバのストラテジストチームは、物価上昇率が年内いっぱい高止まりするのが確実な状況を踏まえ、12月も75bpの利上げがあると予想。「われわれはターミナルレートが上振れするという予想に確信を深めており、政策金利は来年第1・四半期までに5.25%に達し、来年末までこの水準が維持されるだろう」とみている。

バークレイズのストラテジストチームは、利上げサイクルはこれまでの想定よりやや長期化すると見込んだが、5.00─5.25%としている予想ターミナルレートは変更していない。

バンク・オブ・アメリカのストラテジストチームの見立ては、12月に50bpの利上げが実施され、来年初めに政策金利が4.75─5.00%でピークとなる。しかし労働市場が再び相当な勢いとなり、それを抑えるために同社が現在考えている以上の引き締めが必要になれば、見通しを変更する可能性があるという。

米上院共和党の重鎮、パット・トゥーミー議員は3日、連邦準備理事会(FRB)に書簡を送り、米国債市場の流動性に混乱が生じても国債買い入れを行わないよう要請した。

FRBが買い入れに踏み切りバランスシートを膨らませれば、「インフレ退治というFRBの主要目標が骨抜きになる」と強調。「国の債務拡大がもたらす真のコストや影響を覆い隠すといった量的緩和の失敗を繰り返すことになるだろう」とした。

上院銀行委員会の委員であるトゥーミー氏は、米国債の取引環境が悪化していることを認めたが、規制改革によって状況の改善を図る方が好ましいとの見方を示した。

FRBの広報担当者は、書簡を受け取ったことを認め、トゥーミー議員に直接回答すると述べた。

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