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アメリカ政治の行方を左右する中間選挙は、連邦議会の上下両院の議員などを選ぶ選挙で、今月8日に投開票日を迎えます。

選挙前最後の日曜日となった6日、民主党のバイデン大統領は東部ニューヨーク州で演説を行い「今後数十年にわたって、この国の姿がどうなるかが今にかかっている」と述べ、支持を訴えました。

一方、共和党のトランプ氏は南部フロリダ州で演説を行い「これまでで最悪だった大統領を5人選んで、全員まとめてもバイデンがこの国に与えたほどの損害はなかった」と述べ、インフレや不法移民を管理できていないなどとしてバイデン政権を批判しました。

政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」のまとめによりますと、下院は共和党過半数を確保する勢いで、上院は非改選議席と合わせて多数派の確保をめぐって激しい競り合いとなっています。

現時点では与党・民主党が上下両院ともに主導権を握っていますが、選挙の結果、共和党が多数派になれば民主党は法案を通しにくくなり、バイデン大統領にとって政策を進めていくことが難しくなることも予想されます。

アメリカの中間選挙は、日本時間の8日夜から投票が始まります。

選挙戦最後の土曜日となった5日、民主党共和党の勢力がきっ抗し選挙のたびに結果が変わる「スイング・ステート」の1つ中西部オハイオ州では、上院議員選挙の候補者が各地を回り、有権者に直接、支持を呼びかけました。

このうち民主党のティム・ライアン氏は州都コロンバスで演説し、ことし6月に保守派が多数派を占める連邦最高裁判所が人工妊娠中絶は憲法で認められた権利だとした判断を覆したことについて、「行き過ぎた行為だ。この国の女性の自由と解放を完全に奪った」と批判し、女性の権利の保護に取り組んでいくと訴えました。

支持者の女性の1人は「ライアン氏には女性の権利や労働者のための闘いを続けてほしい」と話していました。

一方、共和党のJ・D・バンス氏は南西部のバタヴィアで演説し、「卵をはじめ、あらゆる物の値段が高騰している。ひどい政策の結果だ」などと述べ、バイデン政権の失策が記録的なインフレを招いたと批判しました。

支持者の男性の1人は「ガソリンなどエネルギーの価格は高止まりしています。バンス氏には価格の抑制に取り組んでほしい」と話していました。

政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、両候補の支持率は先月中旬は1ポイント前後の差で競り合っていましたが、その後、バンス氏が徐々にリードを広げています。

激戦が続く南部・ジョージア州では上院議員選挙の候補者がそれぞれ最終盤の訴えを続けています。

このうち民主党の現職、ラファエル・ワーノック氏は3日、アトランタ郊外で集会を開き、争点の1つになっている人工妊娠中絶の権利の擁護を訴えました。

そして、「相手方の候補は経歴を偽り、女性に中絶を強いたという話がある。自分の人生について真実を語る事ができない人にわれわれの人生を預けられるわけがない」と述べ、共和党ハーシェル・ウォーカー候補を批判しました。

集会に参加した支持者の女性は「私はすべての女性に中絶を選択する権利があるべきだと思っています。彼こそがジョージア州にふさわしい上院議員です」と話していました。

一方、共和党の新人ウォーカー候補は元アメリカンフットボール選手で、6日、アトランタ郊外で集会を開きました。

ウォーカー氏は演説で「ワーノック氏が支持したバイデン大統領のせいでこの2年で物価は高騰し犯罪率は上がった」などと述べ民主党の政策を批判しました。

集会を訪れた支持者の女性は「インフレは民主党の政策が招いたことで、ウォーカー氏なら改善してくれると信じています。またどの命も大切にされるべきだと思うので中絶の権利には賛成できません」と話していました。

政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、各種世論調査の両候補の支持率の平均は、今月2日まででウォーカー氏が47.2%、ワーノック氏が46.8%とわずか0.4ポイント差できっ抗しています。

8日に行われるアメリ中間選挙期日前投票の会場になっているニューヨーク市内の学校で爆弾騒ぎがあり、一時、投票が中断されました。

ニューヨーク市選挙管理委員会によりますと、6日朝、期日前投票の会場になっている市内の学校に爆弾を仕掛けたという脅迫があったと警察から連絡を受けたということです。

連絡を受けて投票所の中にいた職員や投票者は一時、避難しました。

警察が学校の内部を確認し、安全が確認されたため、投票は昼すぎに再開されました。

警察は「脅迫は学校に対してのもので投票所に対するものではない」としていますが、ロイター通信などが先月26日に発表した世論調査では、43%の人が「投票所での暴力や威圧を心配している」と答えるなど投票の安全への懸念が高まっています。

アメリカの中間選挙は、4年ごとの大統領選挙の中間の年に行われる連邦議会州知事などの選挙で、ことしは上院の100議席のうち35議席と、下院の435議席すべてが改選されます。

各種世論調査によりますと、下院は野党・共和党過半数を確保する勢いである一方、上院は、多数派の確保をめぐって激しい競り合いとなっています。

仮に、議会のうち1院でも共和党が多数派を奪還すれば、政権と議会のあいだにいわゆる「ねじれ」が生じ、バイデン政権は今後2年間、難しい政権運営を迫られることになります。

国際社会からは中間選挙の結果が、アメリカの外交や安全保障政策に及ぼす影響について関心が集まっています。

とりわけ共和党下院トップのマッカーシー院内総務が先月メディアの取材に、ウクライナへの支援について「白紙の小切手を切るつもりはない」と発言したことをめぐっては、共和党は対ウクライナ支援の縮小を求めるのではないかと波紋を呼んでいます。

これについて、保守系シンクタンクヘリテージ財団のジェームズ・カラファノ副所長はNHKのインタビューに対し「最終的には、アメリカのウクライナへの支援を劇的に削減することにはならない。議論が起きるとすれば、それは支援をより効果的なものにするためのものであり、実際には共和党の多くの議員が、むしろ軍事支援のスピードが遅く、内容も不十分だと主張しているほどだ」と述べ、対ウクライナ支援は縮小されないとの見方を示しました。

保守系シンクタンクヘリテージ財団のジェームズ・カラファノ副所長は、NHKのインタビューに対し、中間選挙が対中国政策に与える影響について「中国をめぐっては、アメリカ国内には超党派の合意があり、特に経済分野で対中国政策は一層強硬なものになるだろう」と述べて、中国に対しては選挙の結果にかかわらず、アメリカは今後より強硬になるとの見方を示しました。

また、エネルギー政策をめぐっては「バイデン政権のエネルギー政策は完全に間違っている。アメリカの経済をむしばむことなく、急速にクリーンエネルギーに転換することなど不可能であり、共和党はすべての力を注いでそれに対抗するだろう」と述べ、共和党が議会の主導権を握れば、バイデン政権の地球温暖化対策を改めるよう圧力を強めるとの見通しを示しました。

一方、カラファノ氏は中間選挙共和党が議会で多数派を奪還した場合でも、アメリカの外交や安全保障の方向性が大きく変わることはないと指摘しました。

その理由については、上下両院で共和党が圧倒的多数の議席を獲得しないかぎり、現職の大統領の政策を覆すことは難しいことに加え、有権者の関心がインフレや移民政策、犯罪の増加などに集まっていることをあげました。

中間選挙の結果がウクライナ支援に及ぼす影響について、ワシントンに駐在するウクライナのマルカロワ大使は、2日、NHKの取材に対し「支援はこれまでどおり続くと確信している」と述べ、支援は超党派で続けられるとの認識を示しました。

その理由として「ウクライナは今、民主主義や自由、独立などを求めて戦っているが、アメリカはこうした価値観や原則に基づいて築かれている」と述べ、アメリカとウクライナは同じ価値観を共有しているからだと強調しました。

共和党が議会多数派になった場合、アメリカの対ウクライナ支援に影響が及ぶかどうかについて、オバマ政権時に国防長官やCIA長官を務めたレオン・パネッタ氏は、NHKのインタビューで「アメリカは政治的に両極化しているが、対ウクライナ支援においては、民主党共和党は結束している」と述べました。

そのうえで「私の記憶では、共和党は国家の安全保障のためであれば非常に強い態度を保持し、強い軍を構築するために資金を提供した。共和党内の一部に反対論者がいたとしても、ウクライナへの幅広い支援は継続されるだろう」として、アメリカの対ウクライナ支援に、大きな影響は及ばないという見方を示しました。

投票集計システムを手掛けるメーカー各社は、2020年の米大統領選で票が盗まれたとするトランプ氏の虚偽の主張で右派勢力から製品の信頼性が疑わしいと攻撃を浴びており、事業そのものを守るために全国各地で苦闘している。

業界大手のドミニオン・ボーティング・システムズとエレクション・システムズ・アンド・ソフトウエア(ES&S)は、州政府など地方自治体との契約が脅威にさらされており、これを跳ね返そうと政治面や広報面で「地上戦」を繰り広げている。ドミニオンは法廷闘争にも乗り出し、トランプ氏の支持者や米FOXニュースなどのメディアを相手取って8件の訴訟を起こしている。

多くの郡や州が投票システムについて長期契約で縛られていることもあり、メーカーはこれまでのところ大きな損失を被っていない。しかし、投票不正を巡る虚偽の主張は右派の主流に受け入れられつつあり、メーカー各社は、20年の選挙結果を受け入れない「選挙結果否定論」の動きを真剣に受け止めている。ロイターの世論調査によると、共和党員の約3分の2が20年の大統領選でトランプ氏から票が盗まれたと考えている。

確実な技術の集計機の利用促進を訴える非営利団体ベリファイド・ボーティングの政策・戦略ディレクター、マーク・リンデマン氏は、「製品が疑惑と不信の津波に襲われた企業は存続が危うくなる」と話す。

ドミニオンは、20年の大統領選でトランプ氏からバイデン氏に票が流れたとする右派の主張で大きく取り上げられているため、最も激しい反対に遭っている。ロイターが政府の記録や地元関係者に取材したところ、ドミニオンは8つの州の少なくとも12カ所の選挙区で投票システムの交換を求める当局者や活動家による運動に直面している。

中でも20年にトランプ氏が圧勝したルイジアナ州では、ドミニオンが州全体で結んでいる投票システム契約がリスクにさらされている。同州の当局は親トランプ派や投票機反対活動家からの圧力を受けて、約1億ドル相当の新規契約の締結を無期限で先送りしている。

8日の中間選挙ではネバダアリゾナペンシルベニアサウスダコタミネソタの各州で、投票機を巡る抗議に直面している5つの郡が、ドミニオン製またはES&S製の装置による集計結果を人手によりチェックする予定。このうちネバダ州ナイ郡は、著名な選挙結果否定論者のキャンペーンを受けて選挙管理委員会が全員一致でドミニオン製タッチスクリーン投票機の廃棄を勧告した。

投票機メーカーに対する攻撃は中間選挙の結果次第で全国規模でさらに盛り上がる可能性がある。電子投票システムの使用中止を支持する選挙結果否定論者はアリゾナ、ミシガン、ネバダペンシルベニアなどの激戦州で知事や投票管理責任者である州務長官の選挙を巡って反投票機の働き掛けを展開している。

ドミニオンは20年の大統領選以降の業績についてコメントを避けた。ES&Sも業績の詳細を明らかにしなかったが、反投票機の運動で顧客を失うことはなかったとした。

右派活動家の緩やかなネットワークは米国の選挙制度全般を批判しており、その中心を成すのが投票機への攻撃だ。全米で選挙管理当局者には何百件もの脅迫や、投票機に関わる陰謀を暴いたとするメッセージが届いている。先にロイターは不正の証拠を求める親トランプ派や活動家が20年の大統領選以降少なくとも18件のセキュリティ侵害を行い、投票装置に不正にアクセスするか、アクセスしようとしたと疑いがあると報じた。

選挙管理当局者や投票システムベンダーなどへの20回余りのインタビューによると、大量の誤情報と闘うにはコストがかかり、投票機メーカーは訴訟と広報への投資を拡大せざるを得ない。

ドミニオンは正式な声明や訴訟を通じて投票機陰謀論に強く反論してきた。ただ、契約を巡る地元の政治的な争いにあまり関与せず、投票機反対論者に直接対処している地元当局に情報や専門知識を提供することを優先している。

ES&Sの幹部は、ケンタッキー、ワイオミング、アイダホなどの州に月に何度も足を運んで機械のデモに出席し、同社の機械が実際にはインターネットに接続されていないこと、同社には外国人オーナーがいないことなどを説明している。

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