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#日銀#金融政策

内閣府が15日発表したことし7月から9月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質で前の3か月と比べてマイナス0.3%となりました。

これが1年間続いた場合の年率に換算するとマイナス1.2%で、4期ぶりのマイナスとなりました。

このうち、GDPの半分以上を占める「個人消費」は前の3か月に比べてプラス0.3%と伸び悩みました。この時期は行動制限がない夏休みとなったものの、新型コロナの感染が拡大し、旅行や外食などのサービス消費が小幅な伸びにとどまったことに加え、スマートフォンや家電など耐久財の販売が落ち込みました。エネルギー価格や食料品などの物価上昇の影響で消費者の節約志向が強まったとみられます。

さらに輸出が前の3か月と比べてプラス1.9%となる一方、輸入がプラス5.2%に膨らみ海外への支払いが増える形になりました。このため輸出から輸入を差し引いた外需がマイナスになりGDPを押し下げました。中国・上海で行われていた厳しい行動制限で滞っていた石炭や化学製品の原材料の輸入がこの時期に増えたほか、広告やマーケティング事業を手がける海外企業への支払いが一時的に増加したことも輸入が増える要因となりました。

一方、「企業の設備投資」は前の3か月と比べてプラス1.5%でした。コロナ禍からの経済活動の回復が進む中でこれまで先送りされてきた投資が進んだとみられます。

すでに発表されているアメリカや中国、それにユーロ圏のことし7月から9月までのGDP国内総生産の伸び率はいずれもプラスとなっています。

先月27日に発表されたアメリカのことし7月から9月までのGDPは、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率に換算してプラス2.6%でした。

輸出や政府支出の増加に支えられて3期ぶりのプラスとなりましたが、記録的なインフレが続いていることでGDPの多くを占める個人消費は減速しました。

中国の同じ時期のGDPは、内閣府による試算で前の3か月と比べた伸び率が年率でプラス16.5%となりました。

上海での厳しい外出制限の影響によって前の3か月、4月から6月までのGDPが落ち込んだことから、その反動で大きな伸びとなりましたが、個人消費が伸び悩むなど経済の回復には力強さを欠いています。

ドイツやフランスなどユーロ圏19か国のことし7月から9月までのGDPの実質の伸び率は、前の3か月と比べてプラス0.7%となりました。

6期連続のプラスとなりましたがロシアによるウクライナへの侵攻の影響でエネルギー価格が高騰するなど記録的なインフレが個人消費や企業活動を圧迫し成長のペースは鈍化しています。

ことし7月から9月までのGDP国内総生産の伸び率が4期ぶりのマイナスになったことについて、鈴木財務大臣閣議の後の会見で「外需がマイナスに寄与したことで全体ではマイナス成長となったが、内需はウィズコロナのもと個人消費や企業の設備投資で持ち直しの動きが続き、プラス成長となっている。政府としては、足元の物価高や世界経済の下振れリスクがあるなかで、閣議決定した経済対策をできるだけ早く国民に届けられるよう補正予算の早期成立に全力を尽くしていく」と述べました。

#経済統計