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「パンがなければお菓子を食べたらいい」。

フランス革命の前、王妃マリー・アントワネットが、困窮する国民がパンを求めて抗議する中で語ったとされています。
ベルサイユ宮殿で贅沢三昧の暮らしをしていた王妃の「上から目線」を象徴する逸話です。

そして、今、世界的な食料価格の高騰で多くの人々が生活に苦しむ中、ある国の大統領が語った「パンがなければ芋を食べたらいい」という発言が、波紋を呼んでいます。

早朝に、東アフリカ、ウガンダの首都カンパラにある市場を訪ねた時です。

匂いの主は、キャッサバのフライでした。

キャッサバは、タピオカの原料にもなるイモの一種です。

市場のあちらこちらでで、これをフライドポテトのような大きさに切って、油で揚げて売っています。


1切れが日本円で4円ほどです。これを人々は数切れ食べていました。

「煮込んでもおいしいけど、朝食では油で揚げたものを食べるのが地元流だよ」と教えてもらいました。

さっと塩が振られたものを味見するとフライドポテトよりはあっさりしているように感じましたが、ほくほくの食感です。

ただ、ウガンダでは、キャッサバは農村部では広く食べられているものの、都市部の特に中間層にとっては、朝食の主流は本来はパンです。イギリスの植民地だったウガンダでは、パンと言えば、小ぶりの四角い食パンです。

しかし、ウガンダでは、今、都市部でもキャッサバの需要が高まっています。

そうした中、市場でキャッサバのフライを買っていた男性は「パンは高くなっているので、キャッサバを食べるようにしている、キャッサバならば、朝食の支出を抑えることができる」と話していました。

ところが、パンをキャッサバで代用する人が増えたため、そのキャッサバの値段も上がっています。

市場で揚げたキャッサバを売っている女性は、2022年6月に、キャッサバの仕入れ価格が急に2倍になったといいますが、値上げできずに苦慮しています。

「販売価格を2倍にするわけにもいかないので、苦肉の策としてこれまでよりも半分の大きさに切った上で、油で揚げて売っている。もちろん、お客さんからは、『小さくなった』と怒られます。だけど、どうしようもないです」と話していました。

アプーリ教授
「キャッサバの方が安いわけだから、アントワネット王妃の逸話の発言とは趣旨が違う。大統領自身もキャッサバを食べていると話している。ただ、ウガンダの都市部の中間層の多くはキャッサバとは縁遠いのが実態だ。
結局のところ、『大統領は自分たちの生活の実態が分かっていない』という受け止めになっている」

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