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ウクライナ東部のドンバス地域をめぐっては、ロシアが支配し、補給の拠点となっているルハンシク州のクレミンナなどで一進一退の攻防が続いています。

こうした中、ロシア国防省は2日、ドンバス地域の中心都市ドネツク近郊のマキイウカで、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマースによるウクライナ軍の攻撃を受け、軍人63人が死亡したと発表しました。

ロケット弾4発が、部隊の一時的な宿舎に命中したということです。

ウクライナメディアやロシアの独立系メディアなどは、攻撃があったのは12月31日夜で、死亡したのは予備役から動員された兵士だったことや、死傷者は数百人にのぼるとして、公表よりもさらに多くの死傷者が出ているといった情報を伝えています。

またロシア国営のタス通信「施設に到着した軍人たちが携帯電話を頻繁に使用したことが原因の可能性もある」とする地元当局の情報を伝え、ウクライナ側に位置情報が把握された可能性があるとしています。

ロシア国防省は、連日、攻撃でウクライナ側に大きな損失を与えたなどと主張していますが、一度に多くの人的被害が出たと公表するのは異例で、侵攻を続けるロシア軍にとって打撃となる可能性があります。

ウクライナ軍の参謀本部は、2日、SNSに投稿し、「ドネツク州のマキイウカで12月31日に最大10の敵の軍事的な設備を破壊し、損傷を与えた」と明らかにしました。

ロシア国防省は、マキイウカでウクライナ軍の攻撃を受け、軍人63人が死亡したと発表していますが、ウクライナ側の発表が、ロシア側の発表と同じ攻撃を指すのかどうかは分かっていません。

ロシア国防省は2日、ウクライナ東部ドネツク州の州都に隣接するマキイウカで、軍の兵舎がアメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマースによるウクライナ軍の攻撃を受け、63人が死亡したと発表しました。

ロシア国営のタス通信などは、攻撃は1日の新年を迎える時間帯に行われたと伝えています。

また、ロシア国防省に近いネットメディアは、兵舎には当時およそ600人がいて、弾薬なども保管されていたことから被害が拡大したと伝えていて、発表を上回る死傷者が出たことを示唆しています。

ロシア国防省が一度に多くの人的被害が出たことを公表するのは異例で、死亡した多くはプーチン政権が動員した予備役の兵士だとも伝えられる中、認めざるを得なくなった形です。

これに対してロシア側からはSNS上で軍の指導部への批判が相次いでいて、議会上院の元議長ミロノフ氏は「無防備な施設に部隊を集め、適切な警備を行わなかった上層部の責任だ」と主張したほか、現地の親ロシア派の幹部は「責任者の処罰を望む」と書き込みました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は2日、プーチン大統領が軍などに対して、今月6日までに状況を調査するよう命じたとする情報があるとしたうえで「プーチン大統領が軍事的な失態への批判に対処できなければ、指導者としての信用を低下させる可能性がある」という見方を示しています。

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