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国債は、売られると金利が上がるという関係にありますが、13日の債券市場では、日本国債が売られ、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りは0.545%まで上昇しました。

長期金利が0.545%をつけるのは2015年6月以来、およそ7年7か月ぶりです。

日銀は先月20日、大規模な金融緩和策を修正して長期金利の変動幅の上限を0.5%程度に引き上げましたが、長期金利がこの上限を超えるのは日銀が政策を修正してから初めてです。

長期金利が上昇したのは、日銀がさらに金融政策を修正し一段の金利の上昇を容認するのではないかという見方が出て国債を売る動きが広がったためで、これに伴って金利の上昇圧力が高まっています。

これを受けて日銀は、金利の上昇を抑え込むため、幅広い年限の国債を臨時で大量に買い入れると発表しました。

さらに日銀は、10年ものの国債を0.5%で無制限に買い入れる「指値オペ」を引き続き実施するとしていて、市場との攻防が激しさを増しています。

市場関係者は「来週開かれる金融政策を決める会合で日銀がどのような対応をとるのかに市場の注目が集まっている」と話しています。

日本国債への売り注文が膨らみ、長期金利が日銀の上限を超えたことを受けて、国債の取り引きを手がける証券会社のディーリングルームでは担当者が顧客からの電話対応に追われていました。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「長期金利が0.5%を大きく超えたところに国債の売り圧力の強さが現れている。日銀対市場という形になり、日銀は国債の買い入れ額を増やして対抗しているが、今のところは市場の勢いに対して日銀が劣勢という感じだ」と話しています。

13日の債券市場では、日銀が来週開く金融政策を決める会合で、先月に続いて金融緩和策を修正するのではないかという見方が強まり、日本の長期金利は日銀が上限とする0.5%を上回って0.53%まで上昇しました。

これを受けて外国為替市場では、日米の金利差が縮小するという見方から、ドルを売って円を買う動きが強まり、円相場は一時128円台後半をつけました。

市場関係者は「アメリカの先月の消費者物価指数の上昇率が6か月連続で前の月を下回り、インフレが収束に向かうという見方もあって、ドル売って円を買う動きが強まっている」と話しています。

日銀は13日、午前と午後に実施した臨時の国債の買い入れを含めて、市場から幅広い年限の長期国債を大量に購入し、買い入れ額の合計は13日一日で5兆83億円となりました。

日銀は12日も金利の上昇を抑えるため、総額で4兆6144億円に上る大量の長期国債を買い入れましたが、市場関係者によりますと、日銀による一日の国債の買い入れ額としては、12日に引き続き過去最大を更新したということです。

連日、長期金利に上昇圧力が高まる中、日銀は週明けの16日にも臨時で国債を買い入れる方針を発表しました。

日銀が臨時に行う国債の買い入れを事前に予告するのは異例で、今後も市場の動向などを踏まえながら、機動的に追加的な長期国債の買い入れを実施するとしています。

日銀は市場の攻防が激しさを増す中で、臨時に実施する国債の買い入れをあらかじめ予告することで、市場の動きをけん制するねらいがあるものとみられます。

国際通貨基金IMF)のゲオルギエワ専務理事は12日、日銀が12月に長期金利目標の上限引き上げを決めたことについて、金融政策スタンスの適切な見直しを行っているとの認識を示した上で、日本のインフレ圧力は弱いため、緩和政策を維持する必要があると指摘した。

日本のインフレ率は日銀の2%の目標に非常に近い水準にあり、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)による緩和政策の修正はインフレ高進が引き金になったわけではないと述べた。

「日銀が金融緩和政策を推進したのは正しい判断だった。賃上げによるインフレ圧力に劇的な変化は起きていない。つまり、インフレのけん引役にはなっていない」とした。

日銀が「状況に即したオープンな姿勢を取ることは正しい行動だが、インフレあるいはインフレ要因が急上昇しているという状況ではない」と強調した。

#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政