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インターネットやSNS上でひぼう中傷などの投稿をした相手を特定するための手続きについて、最高裁判所は、プロバイダーが開示できる情報に電話番号が含まれるようになった2020年よりも前にされた投稿であっても、訴えを起こせば電話番号も開示の対象になるとする初めての判断を示しました。

SNSでひぼう中傷などを受けて相手が分からない場合、損害賠償を請求するにはまずSNSの運営会社やインターネットのプロバイダーに対する訴えを起こし、投稿した人の氏名や住所、メールアドレスなど契約情報の開示を受ける必要があります。

電話番号は、2020年に総務省の省令が改正される前までは開示の対象ではありませんでしたが、千葉県の男性と東京都内の不動産会社は、それぞれが起こした裁判で改正前にされた投稿についても電話番号も開示するよう求め、2審の判断は分かれていました。

30日の判決で、最高裁判所第2小法廷の尾島明裁判長は「情報通信を取り巻く技術の進歩や社会環境の変化により、発信者の特定に関する情報の内容や範囲が変わり得るため、省令の改正によって機動的な対応を可能としている」と指摘しました。

そのうえで、省令を改正する際に経過措置が設けられなかった趣旨を踏まえ、「改正前に投稿されたものであっても、電話番号の開示を求めることは可能だ」とする判断を示し、電話番号を含む情報の開示を認めた判決が確定しました。

#法律(最高裁プロバイダ責任制限法