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イエレン米財務長官は22日の上院における証言で、議会承認なしに連邦預金保険公社(FDIC)による保険対象を全預金に拡大することや、現在の保護金額上限を引き上げることを検討したり議論したことはないと述べた。

複数の銀行業界団体は議会に対して、一時的に全預金を保護する措置を講じ、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の経営破綻をきっかけとする危機がこれ以上広がらないようにしてほしいと要望している。

ロイターは21日、議会承認を得ずに現在の1口座当たり25万ドルという保護の上限を引き上げることを政府当局者が議論したと報じた。

イエレン氏はFDICの預金保険制度の修正を検討する「価値はある」と認めたが、どのような修正が必要かについては述べなかった。

全預金を保険適用とするには議会承認が必要かとの質問に対しては、そのような措置は考えておらず、銀行のリスクを個別の事案ごとに判断すると説明。全ての預金を保険適用とすることや全面的な保護に関する措置は何も検討していないと述べた。

さらに、ある銀行破綻がシステミックリスクと見なされた場合は、例外措置としてFDICが全預金を保護するのを認めることはやぶさかではなく、財務省が個別の事案ごとにシステミックリスクかどうかを判断していくと述べた。

アメリカでは、2つの銀行が相次いで破綻したことを受けて、財務省などが金融システムへの不安を払拭(ふっしょく)するため、2つの銀行の預金を全額保護する異例の措置を講じました。

この措置について、21日、アメリカ銀行協会のイベントで講演したイエレン長官は、預金の流出が起き、破綻が連鎖するおそれがある場合には、小規模な銀行でも全額保護の措置を講じる用意があるという考えを示しました。

一方、イエレン長官は、22日、議会上院の委員会で委員から「全米の銀行で25万ドル以上の預金を保護するためには議会の承認が必要か」と問われたのに対し「上限の引き上げは議論も検討もしていない」と述べ、預金の全額保護は、連鎖破綻や金融危機を引き起こすおそれがある場合に限られる措置だという考えを改めて強調しました。

#経営破綻(銀行・シリコンバレーバンク)
#経営破綻(銀行・シグネチャーバンク)

0.25ポイント利上げ
連邦公開市場委員会(FOMC)は主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。銀行危機が悪化するリスクはあるものの、利上げを継続する姿勢を示した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.75-5%となり、これは2007年9月以来の高水準。決定は全会一致だった。同時に発表されたFOMC参加者の経済・金利予測によれば、政策金利は23年末時点で約5.1%と、昨年12月時点での予測中央値と変わらなかった。24年の予測中央値は4.3%(前回4.1%)に上昇した。

全面的な預金保険は検討せず
イエレン米財務長官は、米国の銀行システムを安定化させるために「全面的な」預金保険を提供することを規制当局が検討していることはないと述べた。最近経営破綻した米銀のトップは責任を負うべきだとの見解も示した。上院小委員会の公聴会でイエレン長官は「預金の全面的な保険や保証に関することを、私は検討したり議論したりしていない」と述べた。

20%流出
米銀パックウェスト・バンコープは、投資会社アトラスSPパートナーズから14億ドル(約1860億円)の現金を確保したと明らかにした。同行では年初から預金の20%が流出。資金調達の別の取り組みは諦めたとした。パックウェストは発表文で、預金流出額は計69億ドルで、そのうちの約49億ドルはベンチャー・バンキング部門からだと説明。預金水準は「安定」していると付け加えた。

アポロとカーライル
オルタナティブ投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントとカーライル・グループは、SVBファイナンシャル・グループの破綻で売却されるローン債権の取得を狙っている。事情に詳しい複数の関係者によると、このローンはSVBファイナンシャルの投資部門SVBキャピタル、および投資銀行業務を担っていたSVBセキュリティーズに関連している。売却されるローンは最大100億ドルの価値が付く可能性があると、関係者の一部は指摘。オルタナティブ投資会社は10億ドル相当に区分けされたローン債権に最も関心を示しそうだと、別の関係者は指摘した。

銀行AT1債が上昇
22日の金融市場で、銀行が発行する「その他Tier1債」(AT1債)が上昇。監督当局の保証やゴールドマン・サックス・グループがAT1債に買いの好機を指摘したことが材料視された。ゴールドマンのクレジットアナリスト、ケネス・ホー、チャッキ・ティン両氏は、アジア太平洋地域で特に有力な大手銀が発行する一部のAT1債には魅力的な投資機会があるとの見方を示し、利回りは既に株主資本コストを超えていると指摘した。

クレディ・スイスの経営危機は、ウエルスマネジメント(富裕層向け資産総合管理サービス)分野で世界トップに君臨してきたスイスの地位と信頼に深刻なダメージを与えた――。専門家はこう警鐘を鳴らしている。金融システムの安定性や規制、企業統治の面で疑問符がついてしまったからだ。

クレディ・スイスの場合、当局の仲介でUBSによる救済合併が決まった19日までの数日間でもはや立ちゆかなくなることがはっきりしたわけだが、そのずっと以前から相次ぐ不祥事や損失計上に伴う信認の危機と悪戦苦闘してきた。

今回救い主となったUBSにしても、2008年には向こう見ずに米住宅ローン担保証券事業に進出した結果、政府が手を差し伸べざるを得なくなる事態を招いている。

いずれにしてもクレディ・スイスの挫折とその後の展開について、ローザンヌ国際経営開発研究所(IMD)のアルトゥーロ・ブリス教授(金融論)は、スイスにとって非常に大きな打撃となり、ライバルの金融センターに追い風が吹く可能性があるとの見方を示した。

デロイトが2021年にまとめた調査に基づくと、スイスが管理している海外資産は2兆6000億ドル(約340兆円)と、英国や米国をしのいで世界最大規模。しかし近年はルクセンブルクや、特にシンガポールが競合相手として急速に台頭してきた。

ブリス氏はロイターに「シンガポールのバンカーたちは(スイスのしくじりで)祝杯を挙げることになるだろう」と語った。

安定していて予測可能な国とみなされてきたスイスに対する信頼をひっくり返したのは、クレディ・スイスの「AT1債」を無価値化すると決定した措置などだ、とブリス氏は説明する。

UBSとの合併合意に際して、クレディ・スイスが発行したAT1債の価値はゼロになることが決まった半面、通常ならば債券保有者よりも先に損失を負担するはずのクレディ・スイス株主は32億3000万ドル相当のUBS株を受け取る。

確かにこのAT1債の目論見書に元本は保証されないと明記されていたものの、クレディ・スイスが事実上「消滅」すると想定した向きはほとんどいなかった。

スイス銀行協会は今般の危機においても強気の姿勢を維持し、政府や中央銀行、金融規制当局が尽力したクレディ・スイス救済はスイスの金融システムの強じんさの証しだと主張している。同協会会長でUBS元最高経営責任者(CEO)のマルセル・ローナー氏は21日、「私にはスイスの金融センターとしての明るい未来も見える。なぜなら資本が非常に充実した何百もの銀行と、ウエルスマネジメントと資産運用で大成功してきた銀行が存在するからだ」と述べた。

とはいえ02年に356行だったスイスの銀行数は21年には239行まで減少。従業員総数も11年以降で10万8000人から9万1000人に減っている。

スイスの将来には懐疑的な向きも少なくない。クレディ・スイスの過ちに正面から向き合ったり、事後の対応について責任を背負ったりするのをためらうムードがその理由だ。

ザンクト・ガレン大学のスイス銀行・金融研究所で税制と貿易政策部門の責任者を務めるステファン・レッゲ氏は、株主の意見もしくは債券保有者の扱いに関する従来の取り決めを覆す緊急立法の適用は「大いなる疑問の余地がある」と指摘する。

スイスではこれまで公的な流動性支援を正当化する法律がなかったため、クレディ・スイス向けにいざとなれば最大1000億スイスフラン(約14兆円)の流動性供給ができるようにするため緊急的な法的措置を講じた。

しかし最も論争を呼ぶのは、株主の承認なしで合併できるようにした法的措置だろう。

レッゲ氏は、クレディ・スイスを巡る今回の問題は人々の目を覚まさせ、企業統治改善につながる法整備が進む可能性があるとみている。

英国では経営に失敗した企業幹部陣は場合によって刑事罰を受けることもあるが、スイスではこうした幹部個人の責任を追及する仕組みはほとんど存在しない。

スイス政府がUBSの損失リスクをカバーする目的で最大90億フランの保証を提供することも、最終的には納税者の負担になる恐れがあるだけに、労組や政治家の間で怒りの声が高まっている。

<長期低落>

スイスの銀行業界は顧客の秘密を徹底的に守るという点で取り扱い資産を拡大してきた面がある。ところが各国政府が自国民の脱税取り締まりに力を入れる中で、この守秘性という強みは次第に薄れてきてしまった。

銀行セクターのスイス経済に対する寄与度も低下。02年に国内総生産(GDP)の9.9%だった同セクターの比率は22年に8.9%に下がり、最近は製薬などが経済にとってより重要な業種になっていることが国際通貨基金IMF)のデータから分かる。

スイス連邦工科大学チューリヒ校スイス経済研究所のヤン・エグバート・シュトゥルム所長は、クレディ・スイスの問題は年間でGDPを約0.05%押し下げるとしつつも、スイスはこの先も銀行業と深く関係していくと見込んでいる。長い伝統やスイスフランの強さという要素のほかに、投資家がその経済金融の安定性ゆえに同国を資金の振り向け先として選び続けるからだという。

一方IMDのブリス氏は、金融センター間の国際競争は激しさを増しており、今回の出来事を機にやがてシンガポールがスイスを抜き去ると予想。「それは時間の問題だと思う」と言い切った。

スイス金融市場監査局(FINMA)は23日、金融大手クレディ・スイスのAT1債(その他ティア1債)を無価値化した決定について、法的に隙のないものだとして正当性を主張した。

クレディ・スイスは19日、UBSによる買収の一環としてスイス当局の指示の下、160億スイスフラン(174億9000万ドル)相当のAT1債を無価値化すると発表。クレディ・スイスの株主は何らかの補償が受けられる一方、社債保有者には多額の損失負担を強いることになり、怒りの声が上がった。

FINMAは、クレディ・スイスが発行したAT1商品は契約上、企業の存続にかかわる事由が発生した場合、特に特別な政府支援が認められた場合には完全に評価減されることになっていると説明。

クレディ・スイスは19日に政府保証を担保とする緊急流動性支援融資を受けたため、同行の発行するAT1商品についてはこれらの契約上の条件が満たされた」とした。

FINMAによると、ティア2債は評価損を計上することはない。

スイス国立銀行は23日、声明を発表し、インフレ基調は根強いとして、政策金利を0.5%引き上げ、1%から1.5%にすることを明らかにしました。

利上げは4回連続、0.5%の大幅利上げは前回、去年12月に続いて2回連続です。

スイスでも、先月の消費者物価指数の伸び率が3.4%と物価安定の目標とする2%を大きく上回る物価高が続いていて、声明では「中期的な物価の安定を図るためにはさらなる利上げもありうる」としています。

また、声明は、クレディ・スイスをめぐる救済措置についても言及し「政府と金融当局による措置が危機に歯止めをかけた」としています。

金融市場では、スイスの金融最大手「UBS」がクレディ・スイスを買収することで合意したあとも不安定な動きが続いていますが、中央銀行も全面的に後押しした救済買収と、各国と協調した市場の安定策は、万全だとする立場からも利上げを決めたとみられます。

世界の中央銀行は、インフレの抑制と金融システムの安定という難しい両立を迫られる中で、今月16日のヨーロッパ中央銀行、22日のアメリカのFRBと予定どおりに金利を引き上げる動きが続いています。

#経営不安(銀行・クレディ・スイス

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