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内閣府が17日に発表したことし1月から3月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてプラス0.4%となりました。これが1年間続いた場合の年率に換算するとプラス1.6%で、3期ぶりのプラスです。

主な項目別では

GDPの半分以上を占める「個人消費」は、前の3か月と比べて0.6%のプラスとなりました。新型コロナの影響が和らいで旅行や外食などサービス消費が回復したほか、自動車の販売が増えたことが要因です。

▽企業の設備投資も自動車向けなどの投資が堅調でプラス0.9%。

▽民間の住宅投資もプラス0.2%と2期連続のプラスとなりました。

▽一方、「輸出」は、マイナス4.2%となりました。統計上「輸出」に計上される外国人旅行者によるインバウンド需要が大きく伸びたものの、海外経済の減速の影響で中国や欧米向けの輸出が落ち込んだためです。

「名目」GDPは+7.1% 物価の上昇など反映

今回のGDPは、物価の変動を加味した「名目」では、年率に換算してプラス7.1%となりました。

資源や食料など輸入価格の上昇に伴って国内でもさまざまな商品への価格転嫁が進み、物価が上昇したことを反映して実質を大きく上回る伸びとなりました。

2022年度のGDPは前年度比+1.2%で2年連続プラス成長

また、昨年度(2022年度)1年間のGDPは、前の年度と比べた実質の伸び率がプラス1.2%と、2年連続のプラスとなりました。

海外主要国のGDP

すでに発表されているアメリカとユーロ圏のことし1月から3月までのGDP国内総生産の伸び率はプラスとなったものの、欧米で金融引き締めが続くなか、景気減速も懸念されています。

アメリカ】

アメリカのことし1月から3月までのGDPは、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率に換算してプラス1.1%でした。去年10月から12月までの伸び率に比べると1.5ポイント縮小していて、景気減速を示す形となりました。

コロナ禍からの経済の正常化によって、観光や飲食といったサービス業など個人消費が堅調だったものの、企業の設備投資がふるいませんでした。さらに、住宅投資がマイナスに落ち込むなど利上げによる影響が広がっています。

相次ぐ銀行破綻の影響で銀行が融資に慎重になる可能性もあり、アメリカ経済がことし後半から景気後退に陥るという見方も強まっています。

【ユーロ圏】

ドイツやフランスなどユーロ圏20か国のことし1月から3月までのGDPの実質の伸び率は、年率換算でプラス0.3%となりました。マイナス0.2%だった前の期からいくぶん改善したものの、低成長のままです。

国別では経済規模がユーロ圏最大のドイツが0%と横ばい、フランスが0.2%と低い水準にとどまっていて、記録的なインフレとヨーロッパ中央銀行による大幅な利上げが続き、個人消費などの重荷となっています。

【中国】

一方、同じ期間の中国のGDPは、内閣府による試算で前の3か月と比べた伸び率が年率でプラス9.1%となっています。

厳しい行動制限によって経済停滞の要因となっていた「ゼロコロナ」政策がことし1月に終了したことで、観光や飲食などのサービス業を中心に個人消費が大幅に伸びて景気回復が鮮明になっています。

政府の経済対策を受けたインフラ投資も景気を下支えしていますが、景気の回復がどこまで持続するか注目されています。

経済再生相「景気の緩やかな持ち直しが続いていることを示す」

後藤経済再生担当大臣は、「名目GDPの水準は570兆円となり、コロナ禍以前の最高水準を上回り、過去最高となった。供給制約の緩和を通じた自動車生産の回復や、ウィズコロナのもとでの個人消費が伸び、全体として景気の緩やかな持ち直しが続いていることを示す結果だ」と述べました。

世界経済の下振れには注意が必要だとしたうえで、景気の先行きについて、「新型コロナの5類感染症への移行などを受けたマインドの改善、30年ぶりの高水準となっている春闘の賃上げ率、企業の高い投資意欲などを背景に、緩やかな持ち直しが続くことが期待される。消費、設備投資が堅調な動きをみせていくことを期待したい」と述べました。

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