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G7の首脳らは広島サミット初日の19日、広島市中区原爆資料館をそろって訪れ芳名録に記帳しました。
外務省は20日、首脳らが記帳した内容を公表しました。

それによりますと、

▽岸田総理大臣は「歴史に残るG7サミットの機会に議長として各国首脳と共に『核兵器のない世界』をめざすためにここに集う」。

▽フランスのマクロン大統領は「感情と共感の念をもって広島で犠牲となった方々を追悼する責務に貢献し、平和のために行動することだけが、私たちに課せられた使命です」。

アメリカのバイデン大統領は「この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を思い出させてくれますように。世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう。信念を貫きましょう!」と記帳しました。

▽カナダのトルドー首相は「多数の犠牲になった命、被爆者の声にならない悲嘆、広島と長崎の人々の計り知れない苦悩に、カナダは厳粛なる弔慰と敬意を表します。貴方の体験は我々の心に永遠に刻まれることでしょう」。

▽ドイツのショルツ首相は「この場所は、想像を絶する苦しみを思い起こさせる。私たちは今日ここでパートナーたちとともに、この上なく強い決意で平和と自由を守っていくとの約束を新たにする。核の戦争は決して再び繰り返されてはならない」。

▽イタリアのメローニ首相は「本日、少し立ち止まり、祈りを捧げましょう。本日、闇が凌駕(りょうが)するものは何もないということを覚えておきましょう。本日、過去を思い起こして、希望に満ちた未来を共に描きましょう」。

▽イギリスのスナク首相は「シェイクスピアは、『悲しみを言葉に出せ』と説いている。しかし、原爆の閃光に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ」と記帳しました。

EUのミシェル大統領は「80年近く前、この地は大いなる悲劇に見舞われました。このことは、われわれG7が実際何を守ろうとしているのか、なぜそれを守りたいのか、改めて思い起こさせます。それは、平和と自由。なぜならば、それらは人類が最も渇望するものだからです」。

▽フォンデアライエン委員長は「広島で起きたことは、今なお人類を苦しめています。これは戦争がもたらす重い代償と、平和を守り堅持するというわれわれの終わりなき義務をはっきりと思い起こさせるものです」と記帳しました。

原爆資料館では、各国の首脳などが訪問した際にメッセージを記す芳名録に記帳することが慣例となっています。

G7広島サミットの外交・安全保障をテーマにしたセッションは、19日午後7時前からおよそ1時間半あまり、宮島の旅館で夕食をともにしながら行われました。

この中で、岸田総理大臣は「世界のどこであっても、力による一方的な現状変更の試みは決して認められず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くG7の強い意志を示すことが不可欠だ」と述べました。

その上で、首脳らは、中国について、さまざまな課題に対しての懸念を共有し、中国に対して国際社会の責任ある一員としての行動を求める一方、気候変動対策などをめぐっては、対話を通じて建設的で安定的な関係を構築することが重要だという認識で一致しました。

また、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて共有するとともに、問題の平和的な解決を促していくことを確認しました。

さらに、北朝鮮をめぐっては、前例のない頻度と方法で弾道ミサイルの発射を繰り返していることを強く非難し、緊密に連携して対応していくことで一致しました。

一方、核軍縮・不拡散をめぐり、岸田総理大臣は、被爆地 広島で議論する意義を伝え、NPT=核拡散防止条約の体制の維持・強化を図ることこそが「核兵器のない世界」を実現する唯一の現実的な道だと強調しました。

また、木原官房副長官によりますと、セッションの中で一部の首脳から、広島市平和公園原爆資料館を訪問したことについて「良い機会をいただいた」などといった発言があったということです。

在英国の中国大使館は20日、主要7カ国(G7)に対し、中国の利益を損ねる言動には「断固とした対抗措置」を講じると表明した。

大使館のウェブサイトに声明を掲載した。

G7広島サミットは同日、経済安全保障をテーマに議論し、「経済的威圧」への対処を進めていくとする首脳声明を発出した。

岸田総理大臣は、広島で、ブラジルのルーラ大統領と会談し気候変動や食料危機、平和など、国際社会が直面する課題に幅広いパートナーが協力して対応することが重要だという認識で一致しました。

会談は20日朝、G7広島サミットの会場のホテルで1時間ほど行われました。

両首脳はウクライナ情勢に加え、中国や北朝鮮をめぐる情勢について意見交換し、自由や民主主義といった基本的価値の重要性を再確認するとともに、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けて協力していくことで一致しました。

また、気候変動や食料危機、平和など、国際社会が直面する課題に幅広いパートナーが協力して対応することが重要だという認識で一致し、来年、ブラジルがG20=主要20か国の議長国となることから、G20サミットに向けた連携を確認しました。

さらに、ことし、両国がともに国連安保理非常任理事国を務めていることから、安保理改革を主導していくことで一致しました。

このほか、経済分野で貿易や投資を強化していくことも申し合わせました。

G7広島サミット2日目の20日、JR広島駅近くで取材していた記者の目の前に突然、黒塗りの車列が現れ、駅ビルの前に横付けされました。

降りてきたのはなんとイギリスのスナク首相で、同行の人たちと一緒に1軒の店へと入っていきました。

そこはお好み焼き作りが体験できる店で、店のスタッフによりますと、首相も同行した外国人記者らとさっそく鉄板を囲んでお好み焼き作りに挑戦したということです。

滞在したのは20分ほどと短時間でしたが、終始、和やかな雰囲気で首相のへらさばきはとても上手だったそうです。

駐日イギリス大使館ツイッターにも、笑顔のスナク首相が両手にへらを持ってお好み焼きを作る様子が写真付きで投稿されています。
焼き方を手ほどきしたという店の女性スタッフは「お好み焼きが世界に広まるきっかけになればうれしいです」と話していました。

午前9時半すぎ、店をあとにしたスナク首相は再び車に乗り込み、サミットのメイン会場がある市内のホテルに向けて出発していきました。

G7広島サミットに合わせてインド独立の父とされるマハトマ・ガンジーの胸像が広島市中区の河岸緑地に設置され、20日午前に除幕式が行われました。

除幕式は広島市中区大手町の東部河岸緑地で行われ、広島市の松井市長とインドのモディ首相をはじめ関係者およそ120人が出席しました。

式ではモディ首相が像の横にあるボタンを押すとマハトマ・ガンジーの胸像がお披露目されました。

胸像は、台座と合わせておよそ2.2メートルの高さがあり、インド側から寄贈の申し出があったということで、広島市ガンジーの非暴力の哲学が広島市の目指す平和文化の振興の考え方と一致するとして受け入れたということです。

ただ、インドは核保有国で、NPT=核拡散防止条約にも参加していないことから寄贈を受けるにあたって広島市はインド側に「核兵器のない世界の実現に向けて、被爆の実相に触れ、被爆者の声に耳を傾けた上で、核兵器のもたらすリスクが高まっている現状に歯止めをかけるためにも被爆地から決意を込めたメッセージを発信してもらいたい」と伝えたということです。

松井市長は除幕式のあと「長期的な視点でみんなが平和になるためにしっかり議論してもらえることを期待している」と話していました。

G7広島サミットは20日午後、経済安全保障をテーマにしたセッションが行われ、岸田総理大臣らG7の首脳は議論の成果をまとめた声明を発表しました。

声明によりますと、新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻は世界中の国々のサプライチェーン=供給網のぜい弱性をむき出しにしたとしています。

そのうえで、特に重要鉱物や半導体、蓄電池などのサプライチェーンについて世界中のパートナーシップを通じて強じんなサプライチェーンを強化していくとしています。

また、貿易などを通じて影響力を強める中国を念頭に、禁輸などの措置で他国の政策や意思決定に影響を与えようとする、いわゆる「経済的威圧」への対応を強化するため、G7で「調整プラットフォーム」を立ち上げ、連携を強めるとしています。

さらにG7各国以外のパートナーとの協力をさらに促進していくことも強調しています。

G7各国は、経済安全保障の強化がWTO世界貿易機関を中心とする自由で開かれた貿易体制の維持につながるとしていて、議長国の日本としても今後の対応の強化につなげていきたい考えです。

G7サミットは2日目の20日、各国の首脳による、クリーンエネルギーへの移行を促進するための経済行動計画が発表されました。

それによりますと、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える努力をするとしたパリ協定の目標を再確認し、達成に向けては官民の投資が必要であり、エネルギー移行のコストを下げ、投資ギャップを埋めるためにさらなる協力が必要であることを認識するなどとしています。

そのうえで目標の達成には各国のエネルギー事情や産業の構造などに応じた多様な道筋があるとした上で、これらの道筋が遅くとも2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする共通目標につながるべきであることを強調し、政策の違いは対話や協調を通じて解決することを目指すとしています。

クリーンエネルギーへの移行に向けては、サプライチェーンを強化していくために新興国や途上国との新たな連携も確立していくとしています。

さらに、スタートアップや中小企業の重要性についても強調していて、G7各国では気候変動問題の解決に向けた貿易や投資を促進させていく方針です。

G7広島サミットは、首脳らによる討議の成果をまとめた首脳宣言を発表しました。

まず前文で、G7は世界の課題に対応し、未来に向けた道筋をつけるため、これまで以上に結束すると強調し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を強化すると明記しています。

そして、
ウクライナ情勢をめぐって、首脳宣言とは別に声明を発表したことに触れ、ウクライナへの支援を継続、強化するとともに、世界の弱い立場の人たちへの影響を軽減するよう取り組むとしています。
▽また、中国について、東シナ海南シナ海の状況に深刻な懸念を表明し、力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対するとしています。

そして、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認し、問題の平和的な解決を促すとしています。

さらに、ロシアがウクライナ侵攻をやめるよう圧力をかけることを中国に求めています。

一方で、重要な貿易相手であり、経済的な結び付きを切り離す「デカップリング」ではなく、経済関係を維持しながら中国との間で抱えるリスクを減らしていくとしています。

その上でグローバルな課題では協力し、建設的で安定的な関係を構築するとしています。

北朝鮮については、弾道ミサイルの発射を繰り返していることを強く非難し、完全で検証可能かつ不可逆的な、核などの放棄に関与するとしています。

▽イランについては、核兵器を決して開発してはならず、シリアへの支援をやめなければならないとしています。

▽武力衝突が続くアフリカのスーダンについては、戦闘を強く非難し、敵対行為を速やかに終わらせるよう求めています。

▽さらに、インド太平洋地域をめぐっては「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、ASEAN東南アジア諸国連合や太平洋島しょ国と連携を図るとしています。

▽核軍縮・不拡散をめぐっては、現実的で実践的なアプローチを通じて「核兵器のない世界」の実現に向けて取り組むと強調しています。

その上で、NPT=核拡散防止条約は、国際的な核不拡散や原子力の平和利用を追求する礎石であり、堅持するとしています。

▽世界経済をめぐっては、金融面の動向を注意深く監視し、金融の安定とシステムの強じん性を維持するため、適切な対応をとるとしています。

そして、国連が定める持続可能な開発目標=SDGsで主導的な役割を果たすとともに、透明で公正な開発金融を促すとしています。

▽気候変動・エネルギー分野では遅くとも2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するため、クリーンエネルギーに移行するペースを上げ、経済の変革に向けて行動するとしています。

そして「グローバル・サウス」とも呼ばれる新興国や途上国がそれぞれの事情を考慮した多様で実践的な方法で、気候変動に強い循環型の経済に移行することを支援すると明記しています。

▽経済安全保障では、中国を念頭に、禁輸などで他国の政策や意思決定に影響を与えようとする、いわゆる「経済的威圧」に連携して対抗するための枠組みを立ち上げるとしています。

さらに、クリーンエネルギーへの移行をさらに促進するために重要な鉱物資源とそれを使用した製品の安定的な供給に向けて持続可能で強じんなサプライチェーンを構築するとしています。

また▽食料危機への懸念が高まるなか「グローバル・サウス」とも呼ばれる途上国や新興国への支援を具体的に進めるとしています。

一方、▽デジタル分野では、生成AIに関する議論を行うため「広島AIプロセス」を立ちあげるようG7各国の関係閣僚に指示し、年内に作業部会で議論することを盛り込んでいます。

▽環境分野では、プラスチックごみによるさらなる汚染を2040年までにゼロにするという新たな目標を掲げているほか、クリーンエネルギーへの移行を促進するため、持続可能なサプライチェーンの構築を追求するとしています。

▽保健分野では、新型コロナ後のグローバルヘルスのため、官民合わせて480億ドル以上の資金拠出に取り組むとともに、感染症危機に対応する医薬品が公平に手に入れられるよう貢献していくとしています。

ジェンダーをめぐっては、性的マイノリティーの人々の完全かつ有意義な社会参加を確保するとしています。

「世界経済」 金融の安定へ各国が連携

発表された首脳宣言で、「世界経済」については、アメリカで相次いだ銀行破綻を踏まえ、金融の安定や金融システムの強じん性の維持に向けて、G7各国で適切に行動することで一致したとしています。

まず世界経済の現状については、根強く残るインフレや欧米各国による金融引き締めなどを念頭に、複数のショックに対する強じんさを示しているものの、先行きへの不確実性が高まる中、引き続き警戒して、機動的で柔軟な政策対応を取る必要があるとあるとしています。

その上で、インフレ率が依然として高いことから、中央銀行がそれぞれの責務に沿って、物価の安定に強く取り組むことを確認しています。

さらにアメリカで相次いだ銀行破綻を踏まえ、金融部門の動向を注意深く監視し、金融の安定と金融システムの強じん性の維持に向けて適切な行動をとる用意ができているとして、G7各国が連携していくことで一致しました。

「エネルギー分野」 ウクライナ侵攻によるエネルギー危機に対処

首脳宣言ではエネルギー分野について、ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされたエネルギー危機に対処するとともに、脱炭素社会の実現に向けてG7各国で一致して取り組むとしています。

その上で各国の事情に応じた多様な道筋を認めながら、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標の達成に向けて取り組むことを強調しています。

さらに再生可能エネルギーについて、次世代技術の開発や導入を大幅に加速する必要があるとした上で、2030年までに洋上風力発電を150ギガワット増やして今の6倍に、太陽光発電を今の3倍近くの1テラワット以上に増やすとする数値目標を盛り込みました。

また、石炭火力発電所については、排出削減対策が取られていない発電所の段階的廃止に向けて具体的な取り組みを優先するとしたほか、新規の建設をできるだけ早く中止するよう他の国にも呼びかけるとしています。

さらに、排出削減対策がとられていない化石燃料の段階的廃止に向けて世界全体で取り組みを加速していくと強調しています。

このほか福島第一原子力発電所にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画については、IAEA国際原子力機関の安全基準と国際法にしたがって放出が行われ、人体や環境に影響を及ぼさないことを保証するためにIAEAが独立した立場で審査を行うことを支持するとしています。

「経済安全保障」 サプライチェーン守るため協力

首脳宣言ではG7各国において経済安全保障の強化に向けた政策を進め、サプライチェーン=供給網をぜい弱性から守るために、国際的な貿易ルールなどにもとづき、G7だけでなくそれ以外の国々とも協力を進めるとしています。

また、貿易などを通じて影響力を強める中国を念頭に、禁輸などの措置で他国の政策や意思決定に影響を与えようとするいわゆる「経済的威圧」に対抗するため、G7各国で「調整プラットフォーム」を立ち上げ、連携を強めるとしています。

さらに、重要な先端技術が、平和を脅かす軍事目的で利用されないよう、G7各国が共通の責任と決意を確認したとしています。

このほか、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーへの移行に向け、重要鉱物の重要性が増しているとして、サプライチェーンを構築することが必要だとしています。

その上で、先月のG7気候・エネルギー・環境相会合で合意したリチウムやニッケルなどの重要鉱物の安定確保に向けた行動計画を歓迎し、実施を指示したとしています。

「食料安全保障」 食料危機改善の取り組み継続

首脳宣言で食料安全保障について世界の状況に深い懸念を抱いているとした上で、特にロシアによるウクライナへの侵攻が食料危機を大きく悪化させたと指摘しています。

そのうえで、G7各国や国際機関による食料安全保障の改善に向けた取り組みや、食料危機の影響を受けているアフリカや中東などの国や地域に対する支援を継続するとしています。

さらに農業国であるウクライナがロシアからの侵攻で被害を受けているため今後の食料安全保障への影響を深刻に懸念するとしていて、ウクライナ穀物や肥料の輸出支援や農業の復興を支援するとしています。

このほか、強じんで持続可能な食料システムの重要性が増しているとして、国内の農業資源を活用した、持続可能な生産性の向上や幅広いイノベーションの活用に取り組むとしています。

「デジタル分野」 国際的な枠組み設立へ協力

今回の首脳宣言でデジタル分野については、急速な技術革新が社会や経済を強化してきた一方、国際的な規制が追いついていないと指摘しています。

そのうえで、AIやメタバースなど最新技術に関する制度は、民主的な価値観に基づかなければならないと強調しています。

利用や開発が急拡大するChatGPTなどの生成AIについては、「広島AIプロセス」として著作権の保護や偽情報への対応などについて閣僚級で議論することで一致しました。

また、AIの精度向上などのために、「DFFT」と呼ばれる信頼性の高いデータの国境を越えた流通が重要だとして、国際的な枠組みを設立し、具体的な制度づくりに向けてG7各国やそれ以外の国々で協力を進めることを確認しました。

「気候変動」 目標変わらずも 緊急性高まっている

今回の首脳宣言で気候変動については、ロシアによるウクライナ侵攻が世界のエネルギー市場などに影響を与えているものの、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標は変わらないとしています。

そのうえで、国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」などの最新の調査結果によって、世界で温室効果ガスを削減する緊急性が高まっていると強調しています。

排出削減を加速させるため、「グローバルサウス」とも呼ばれる途上国や新興国と連携し、各国の事情も考慮しながらさまざなな道筋で循環経済への移行や脱炭素化を支援するとしています。

また自動車部門では、G7として各国の保有台数をベースに2035年までに2000年と比べて、二酸化炭素の排出量を半減させるとし、取り組みの進捗(しんちょく)を毎年、確認することにしました。

このほか、航空部門でも2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標達成に向けて、「SAF」と呼ばれる植物や廃油などを原料とする代替燃料の導入を推進することなども盛り込んでいます。

国際部の松尾寛デスクが詳しく解説します。

ウクライナ側の狙いはどこにある?
様々な狙いが込められています。

広島での開催ということで、ウクライナはロシアによる核の現実的な脅威に直面しているという現状を直接訴えたいと考えているとみられます。

また、反転攻勢を前に、兵器供与を含めた軍事支援の強化を要請し、F16含めた戦闘機の必要性を改めて訴えるとみられます。

ロシアとも関係を維持するインドなど、グローバルサウスと呼ばれる新興、途上国の首脳が集っているのもポイントでこうした国々とも直接対話し、支援を訴える狙いもありそうです。

さらに戦争が続く中、遠路日本まで来れたということそのものを示す狙いもありそうです。

キーウでは、欧米側が供与した防空システムでロシアのミサイルを迎撃することにも成功しているとされるなか、国を離れられる「余裕」「自信」のようなものを示しロシアをけん制する、そういう様々な効果も考慮して来日を希望、決定したと見られます。

戦時下の大統領の移動経路、安全面などどう配慮?

情報管理は徹底されています。

ウクライナ政府の関係者もメディアに対して、可能性は示唆したものの具体的な日程やルートなどは明らかにしませんでした。

きのう各メディアがゼレンスキー大統領の訪日を次々に報じた後になってウクライナ政府の担当者は「対面ではなくオンラインで参加する」とわざわざ発表しています。
そして、今回、ゼレンスキー大統領が搭乗していたのは、フランス機でした。日本を含めてフランスなど関係国の間では、安全を確保してどうG7に参加してもらうのか水面下で調整していたとみられます。

今月ゼレンスキー大統領は、今月中旬、イタリア、ドイツ、フランス、イギリスとG7のヨーロッパ各国を訪問しました。

ここで協力を求めた可能性もあります。

G7各国の受け止めは?

歓迎しています。

広島でNHKのインタビューに答えたEUのフォンデアライエン委員長はゼレンスキー大統領に直接広島に来るよう勧めていたことを明らかにした。

フォンデアライエン委員長は「平和の街である広島こそ公正な平和を実現する方法を話し合うのにふさわしい場所だ」と述べました。また「ロシアにどのように責任を負わせるかという問題などについて話し合うことができる」とも話していました。
アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は「バイデン大統領はゼレンスキー大統領と対面で話し合える機会を楽しみにしている」と述べています。

支援を続けている各国としてもゼレンスキー大統領から直接、戦況含めて今後の見通しを聞く機会にもなると考えているとみられます。

ロシア側の受け止めは?

ゼレンスキー大統領の訪日そのものに対しては特に反応はありません。

ロシアはG7の動きを注視していると思われるが敵国ウクライナの大統領が広島を訪問、G7首脳会議に出席となれば反発を強めるのは必至です。

ロシア側は、欧米からウクライナ側に供与される兵器のレベルが上がり続けていることに相当警戒してきました。事実上欧米との戦争に突入したという認識です。

ゼレンスキー大統領が広島でさらに軍事支援を求め欧米側がどう応じるかロシアは警戒を強めているとみられます。

G7のウクライナ支援の現状と課題は?

軍事支援については当初欧米側が否定的だった戦闘機の供与についてもウクライナ側の要請に応じる形で検討が進んでいて、F16戦闘機について、アメリカは、ヨーロッパの同盟国がウクライナへの供与を決めた場合容認する考えを示しました。

ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官も「バイデン大統領はG7首脳たちにアメリカはウクライナ軍のパイロットに対しF16戦闘機を使った訓練の実施を支援すると伝えた」としています。

ただ、軍事侵攻が長期化するなかで巨額の支援を続けることにアメリカなどで反対する声もあるのも事実でゼレンスキー大統領としてはG7で結束した支援をあらためて求めるとみられます。

G7広島サミットに参加しているEUヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は20日午後、NHKの単独インタビューに応じました。

この中で、フォンデアライエン委員長は「私は、ここ10日間のうちに何度かゼレンスキー大統領に会っていて、日本に来て、平和の都市である広島で各国の首脳たちに会うことを強く勧めていた。こここそが、公正な平和を実現する方法を話し合うのにふさわしい場所だ」と述べ、ゼレンスキー大統領にG7広島サミットへの参加を促していたことを明らかにしました。

そのうえで、来日が実現したことについて、「G7の首脳がゼレンスキー大統領と顔を合わせ、ウクライナ支援の強化について議論できるのは、非常によいニュースだ。財政的、軍事的な支援、そして、ロシアにどのように責任を負わせるかという問題などについて話し合うことができる」と述べ、歓迎しました。

また、ゼレンスキー大統領がG7以外の「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や、途上国の首脳とも会う機会があることについて、「インドやインドネシアのリーダーに会うことも非常に重要だ。彼らの中には戦争が始まって以降、直接会ったことのない人もいるからだ。招待されているすべての国は、国連憲章国際法を守ることを強く支持していて、これこそが、私たちが守るべき共通の価値観であり、私たちを結び付けるもので、このために私たちはウクライナを支援している。前向きな成果が得られることを確信している」と述べて、ウクライナ支援について、参加するすべての国が一致した方向性を打ち出せることに期待を示しました。

さらに、19日に訪れた広島市原爆資料館について、「平和より貴重なものはないという世界への強いメッセージを感じた。広島で起こったことが、今でも人々を苦しめていることがわかる。戦争がもたらす代償が、いかに恐ろしいものか、そして平和を守ることが、いかに重要であるかを示していて、これはウクライナにも共通することだ」と話し、平和への決意を新たにしたことを明らかにしました。


#G7(広島サミット2023)

半導体戦争」の著者クリス・ミラー氏とは

クリス・ミラー氏は、タフツ大学フレッチャースクールの准教授で、気鋭の国際歴史学者として注目されています。

半導体戦争」は、100人を超える科学者や政府関係者などにインタビューをして書いた著作で、2022年にアメリカで刊行されてベストセラーとなりました。半導体の歴史を描きながら、現代に潜むリスクに鋭く切り込んだとして話題を呼んでいます。

タフツ大学フレッチャースクール 国際歴史学者 クリス・ミラー准教授

※以下、ミラー氏の話

なぜ半導体は重要なのか?

私はもともと過去半世紀にわたる軍事技術の進化について本を書こうと計画していました。

そして、実は軍事システムの重要な推進力は、飛行機、衛星、船舶など、さまざまな種類のシステムへのコンピューティングパワー(計算能力)の応用であり、その背後にあるのは半導体だと気づきました。

半導体は、経済のグローバル化にとって重要であると同時に軍事システムの製造において中心的な役割を果たすため、世界の軍事バランスにとっても重要なのです。

ウクライナの反転攻勢にも影響?

ロシアによる軍事侵攻に対抗し、ウクライナは、高火力ロケットで前線のはるか後方にある標的を正確に攻撃するのに成功しています。

標的を精密に狙うためには、センシング(センサーによる情報収集)に使用する半導体が大量に必要です。

ウクライナは先端半導体を新しい軍事能力を生み出すために利用することで、技術を進化させています。西側諸国が半導体と軍事システムをウクライナに供給していることが、ロシア軍からの防衛の成功につながっているのです。

ミラー氏は著書の中で、半導体産業について、これまでは複雑な生産工程を各国の企業が担うグローバル化した産業だと言われてきたが、先端半導体の製造は今や台湾の受託生産世界トップTSMCに集中するなど“台湾化”が進んだと指摘しています。

なぜ“台湾化”は大きなリスク?

それは過去20年間、半導体産業が台湾に製造を集中させてきたからです。毎年、世界で生み出されるコンピューティングパワー(計算能力)の3分の1以上は台湾製半導体がもたらしています。

台湾の半導体へのアクセスを失うと、世界経済は数兆ドルもの損失に直面します。

中国が台湾を封鎖したり攻撃したりして、台湾の半導体産業が機能不全に陥れば、世界の製造業は世界恐慌に匹敵する規模の混乱に陥ることになるでしょう。

一方、中国が台湾製半導体に依存することで、台湾への攻撃や封鎖を抑止することができるという『シリコンシールド(=半導体の盾)』という考え方があります。しかし、歴史的に見て、経済的に結びついた国同士が、戦争を起こした例はたくさんあります。たとえば、イギリスとドイツです。第一次世界大戦の直前、両者は互いに主要な貿易相手国でした。

貿易や投資の結びつきは平和を保証するものではないことは歴史が証明しているのです。

台湾海峡の平和が経済的相互依存によって保証されるという主張には、たいした根拠はないと思います。

国内での半導体生産を後押しするバイデン政権のねらいは?

中国が軍事的に台湾を脅かすようになったにもかかわらず、台湾への依存度を高めてしまったのは大きな誤りでした。

アメリカの半導体の国内生産の目的は、先端半導体の製造における台湾への依存度を下げることであり、中国が攻撃してきた場合でも代替の供給源を確保できるよう保険をかけることです。

アメリカは中国のAI(人工知能)が進歩して、諜報機関や軍事システムに配備されることを恐れています。

アメリカや中国など世界の主要な軍隊は、たとえば自分で飛行できる半自律型のドローンを開発しています。こぞって軍事システムへのAIの応用を模索していますが、AIにとって不可欠なのが、高性能の半導体です。

西側諸国、日本、韓国、台湾が最先端の半導体を中国に売らなければ、中国はそれを入手する方法がありません。アメリカは中国の最先端の半導体の入手経路を遮断したいのです。

日本の製造業にも影響しかねない?

アメリカが中国の先端半導体の入手を止めなければ、中国の軍事能力は高まる一方でしょう。

アメリカの輸出規制が軍事面だけでなく、民間にも影響があるのは確かですが、(規制による影響の経路を)区別することはできません。AIの半導体はすべてコントロールするか、全くしないかのどちらかしかないのです。

日本企業にとって中国市場は相当な規模であり、影響を受けると思います。しかし、これは単に市場シェアの問題だけでなく、安全保障の問題なのです。

日本企業が、中国の軍事・情報システム開発能力を制限することになれば、それは実際に日本の安全を守る手助けにつながると言えるでしょう。

日本の半導体産業が競争に敗れた理由は?

日本の半導体産業は、1990年代に起こった大きな変化、特にパソコンの出現と世界のコンピュータインフラにおけるマイクロプロセッサ(演算処理などを担う集積回路)の重要性に気付くことができませんでした。

現在、半導体産業には、製造装置や化学関連、センサーなどに強い日本企業がたくさんあり、収益性の高い高度な技術を持っています。しかし、大量生産の半導体製造という点では、日本企業は1990年代から2000年代にかけての重要な技術の変化に乗り遅れたため、敗北したと思います。

日本は台湾の半導体大手TSMCの工場を熊本県に誘致するとともに、2022年には先端半導体国産化を目指す新会社「Rapidus」が設立され、世界で実用化されていない先端半導体の技術開発を行っています。

日本の半導体産業復興のカギは?

各国は地政学的、軍事的な競争が今まさに激化していることを考慮し、ビジネスのやり方を再構築し始めています。なぜなら、政治的な競争によって経済が二分化され、サプライチェーンが変化するという傾向が長く続くことになるからです。

日本政府は先手を打ってきたと思います。しかし、私たちはまだこの二分化の初期段階にいることを認識すべきだと思いますし、技術産業へのサプライチェーンへの混乱はまだまだ続くでしょう。

重要な教訓は、最も収益性が高く消費者からの需要がある半導体の種類は、常に変化するということです。半導体産業で後れをとらないためのカギは、消費者や産業から需要がある次の技術を常に見つけることです。

日本であれ他の国であれ、すべての企業が技術の動向を把握し、現在だけでなく、5年後、10年後に伸びるであろう需要に対応した製品をつくることが求められています。

#台湾有事(半導体
#経済安全保障(半導体

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