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日銀は、先週開いた金融政策を決める会合で、これまで0.5%程度としてきた長期金利の変動幅の上限について、市場の動向に応じ、事実上、1%まで容認する方針を示しました。

また、アメリカの長期金利は、雇用に関する統計が市場の予想を上回ったことで、金融引き締めが続くのではないかという見方から上昇しています。

これを受けて、市場では金利の上昇圧力が高まっていて、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りは、2日つけた0.625%を上回り、2014年4月以来となる0.65%まで上昇しました。

市場関係者は「日銀の金融政策を背景に、市場が長期金利の上昇の余地を探る中、アメリカの長期金利の上昇が拍車をかけた形だ。当面、金利の適正な水準を探る動きが続きそうだ」と話しています。

日銀は過去何十年にもわたり、金融市場における存在感が最も大きい中央銀行の一つだった。強力な為替介入を行ってきた上に、「量的緩和」の一環で大量の国債を買い入れて、他のほとんどの中銀が最終的に追随する政策を最初に導入したからだ。

こうした先駆者としての日銀の政策が、果たして成果を上げたかどうかは評価が分かれる。ただ7月28日に実施した長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の修正についての市場の反応は落ち着いており、植田和男総裁が適切なタイミングをとらえた可能性がうかがえる。

日銀にとって、超金融緩和政策を巻き戻し、日本国債市場での過大なプレゼンスを縮小する取り組みはずっと難題になっていた。

世界の債券市場が40年来で最も激しく売られた局面のさなかにこうした動きに出るのは、骨が折れるどころか、ほぼ不可能だっただろう。何事もタイミングと優先順位付け、そしてシグナルの発信が大事になる。

長期金利の実質的な許容上限を1%に引き上げた今回の措置を打ち出したのと、日本の物価上昇率がこの8年間で初めて米国を上回ったことが重なったのが、偶然の一致でないことも確かだ。

日銀が初めてYCC修正を行ったのは昨年12月で市場を驚かせたが、それ以降市場や一般国民、政治家などからもっと踏み込んだ対応を催促され続けてきた。一方、その8カ月間で世界的に物価上昇率は下振れ傾向が鮮明となり、主要中銀は利上げ打ち止めに近づいている。

この事実は重要と言える。なぜなら日銀が国債保有の圧縮を開始する際に、国内投資家はより積極的に国債を買う姿勢になり、日銀の作業が円滑に進むからだ。つまり他の条件が等しければ、日本国債に対する外国債の非常に大きな利回りのプレミアムは縮小し、為替ヘッジ後であれば恐らく完全に解消するだろう。

HSBCのアナリストチームは「今回のYCC修正の意味合いは議論の余地があるが、道筋は明快だ」と指摘し、YCCは来年早々に撤廃される流れになるとの見方を示した。

バークレイズのアナリストチームは、日銀が今年10月にYCCを撤廃し、これは日本の物価情勢の改善によって「十分に正当化される」とみている。

<市場の信頼獲得か>

日銀が国債保有圧縮の開始をいつ決めても、国債には大きな待機需要が期待できる。

国際通貨基金IMF)によると、日本は世界最大の債権国で差し引きの投資額は3兆2000億ドルに達する。日本の投資家が持つ海外資産は4兆3000億ドル、うち2兆1000億ドルは有価証券が占める。

そして現在の市場の想定に基づくと、米連邦準備理事会(FRB)は今年10月までに利上げを終了し、来年には100ベーシスポイント(bp)を超える幅の利下げに動く態勢にある。

欧州中央銀行(ECB)も近く利上げを停止すると示唆しており、市場は来年50bpの利下げがあると織り込んでいる。

オーストラリア準備銀行は直近2会合で利上げを見送った。

これらは恐らく日銀が政策の「正常化」を進める上でよりリスクの低い環境だろう。また投資家は、7月28日の決定がどの市場にも大きなショックをもたらさなかったという事実を承知している。

足元で円が弱くなったのは予想外とはいえ、ボラティリティーは急速に低下。ドル/円の3カ月物予想変動率は7月28日に1日として1年余りぶりの下げを記録し、日本国債先物の予想変動率も切り下がった。

ドル資金調達コストの指標で、市場の緊迫度合いの目安とされるクロスカレンシー・ベーシススワップのドル/円3カ月物は今、ほぼゼロにまで縮小し、昨年3月以降でドル資金調達を巡るストレスが最も小さくなっていることが分かる。

昨年12月20日に日銀が初めてYCCを修正し、長期金利の許容変動幅を上下0.5%まで拡大した際には、これほど静かな反応にはならなかった。

137円だったドル/円は今年1月半ばに127円近辺まで円高に振れたほか、修正決定日のドル/円の予想変動率は1日として新型コロナウイルスパンデミック発生以降で最大の上昇となり、ドル/円のクロスカレンシー・ベーシススワップは拡大した。

この先も市場では、日銀の政策を巡る曲折があるのは間違いない。しかし今のところ得られる材料で判断すると、投資家は日銀が絶好の時期にYCCを修正したと考え、これから金融政策の「ソフトランディング(軟着陸)」を達成できるだろうと信じているようだ。

#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政策(出口戦略・YCC・運用柔軟化・ロイター「好機捉えた日銀YCC修正」「軟着陸期待)

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